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エメラルドの血  作者: 山ノ上三条
第一章
4/111

4

「え、うん。ああ、あー冗談?冗談だよねーそんな訳ないよーだってゲームしてないでしょ千景。

だって生まれる前にゲームのサービス終了というか向こうの世界と連絡取れなくなったし。有り得ないよー・・・・・・あ、でも不具合というかバグだったら有り得るのかな?可能性はあるかもね」


顎に手を当てながらふんふんと推理して勝手に納得する百合花

探偵にでもなったつもりなのだろうか やがて結果が出たらしく


「それで?行く?」


百合花がぽつりと洩らした言葉に


「うん、行けるなら行くよ 姉さんを追って。 僕も男だからファンタジーな展開には憧れるしね」


千景は目を輝かせながら答える その顔には喜色が浮かんでいる


「そうよねー憧れるよねー さすが私の弟だわー ラノベ的展開に憧れるわよねー」



最初はうんうんと肯定していた千景であったが途中のある言葉にひっかかりを覚えてしまう




「いやファンタジーだから」


「ラノベでしょ」


「やだよ中二っぽい」


「なんでよ!いいじゃない中二でも! 燃えるでしょ!」


「姉さんはオタクだからいいけど僕はそこまでじゃないからファンタジーでいいんだよ!」


「いいじゃないオタク文化最高じゃない 万国共通よ!」



がるるる!ぐるるる!と、どこぞの犬の喧嘩のような唸り声を上げる二人

同じ顔が向き合って唸る光景はシュールである 



「まあいいわどっちでも。それより向こうの世界はこの世界より危険が多いわよ?あんたの腕力で大丈夫かなあ」


「怪力の姉さん基準で言われても・・・」


「ああ、これ?この腕力というか体力はね、向こうの能力がこちらでも使えるからよ。さっきも言ったよね筋力も結構あるし体力も段違いよ。本気だしたらオリンピックで金メダルなんて楽勝で取れるわ」


「そうなんだ、だからゴリラみたいな腕力持ちなんだね」


「何故ゴリラ・・・?」


「姉さんのあだ名、怪力ゴリラだし」


「・・・・・・初耳ですよ・・・?」


「だって僕しか使ってないもの。なかなか浸透しないんだよねこのあだ名」


百合花の背後には再び炎が噴出してるが千景は気にせず言葉を続けようとする


「うふふふふ・・・何言ってるのかなこの弟君」


「ちなみに皆が言ってるあだ名は「残念系美少女」だよ」


「・・・何がどう残念なんですかねえ?」


どうやらかなりショックだったらしく炎は鎮火してしまっていた

やはりそこも千景は気にしないようだ



「黙っていれば美人とか、動かなければ美人とか、行動が女らしくないので残念とか、時々男じゃないかと疑いたくなる言動とか あ、でも学校の机で眠る姿はすげえ美人とか、くしゃみだけはすごく可愛いとかパイオツカイデー貧乳ならよかったのにとかの少数意見もあるけど大体の行動が残念っぽいらしいよ? それでついたあだ名が「残念系美少女」だよ」


乙女(笑)の心を抉る言葉が痛々しいが気にしていない千景は姉に対して容赦しない性格のようだ


「・・・そっすか・・・」


「ほら、その受け答え。なんか女の子っぽくないし」


「仕方ないじゃない、前世が男で前世の記憶があるんだから男っぽいのはどうしようもないでしょ」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」


いきなりの告白に少年の思考がフリーズしたようだ 果たしていつ回復するのかは不明だ

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