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エメラルドの血  作者: 山ノ上三条
第一章
39/111

39

と、いうか将が好きなだけで百合花として好きと言われてるわけじゃないじゃん

なーんだよかった・・・のか? でもマユナは本気で言ってるのかな

あれ?パートナーになるという事はこの子羽化してないの?そういえば未だ

さなぎのまんまじゃない なにしてるのよ!



「マユナあんたまさかまだ羽化してないの?」


「してないよ 羽化するなら将だって決めてたから」



そうか・・・羽化してないのか・・・想ってくれてたのは嬉しいけど今までマユナは

誰もパートナーとして選ばなかったって事よね 私がエメラルドに戻らなかったら行かず後家

だったと・・・



「姉さん、羽化ってなんなの? 僕知らないから教えてよ」


「ああ、羽化ってのは妖精の成人式みたいなもんでね、パートナーが決まると羽化

するのよ んで、いまの子供の状態が蛹ね 羽化すると背も伸びるし魔法力も上がるわ

だからパートナーが決まらない妖精は子供のままだからパートナーができないと

いつまで経っても成人として認められないのよ マユナあんたまだ子供なのね・・・」


「そうだよ 将でないと羽化しないって決めたからね」


「すごいね、この子姉さんにべた惚れじゃない 早くパートナーになってあげなよ」



ああ・・・千景がすごいニヤニヤしてる 殴りたい その笑顔 

この子は私じゃなくて将のパートナーになりたいのよそれに一応あんたも将なのよ 融合してるから




「あの・・・お取り込み中すみません そろそろ安全なところに避難したいんですがいいですか?」



あ、ほかの妖精さんごめんなさいね じゃあ移動しましょうか



「とりあえず後続が到着したら移動しましょう それまでは私たちがお守りしますので

安心してくださいね マユナもちょっと待ってね」


「うん、瑠璃花の孫なんだっけ?百合花のいう事なら聞くね 待ってる」



佐野さんたちが到着するまで妖精さん達から今の洞窟の事を聞いた

警備兵達は入り口を守る為に移動したそうでその他の施設も無人になっているらしい

妖精達を守る少数のエルフが居たが転移門に移動しているうちに逸れてしまいこのままコボルドに

捕まるのかと諦めかけていたところに私と千景が来た、と

しかしこの前の蜀のときといい敵の動きが活発ね 私たちが知らないだけで

最近はこんな事がよくあるのかしら だとしたら円さんも苦労してるわね

私達が少しでも戦力になれればいいのだけれど。



「いました!千景さん達です!」



おっと、後続の青羽さん達の到着だ あれ?人数が多くなってる!あれは・・・エルフだ!

よかった!私たちが通らなかった道でエルフさん達を助けてくれてたみたい 本当によかった・・・



「皆さんが妖精達を助けてくれたんですね、ありがとうございます しかし敵が多すぎて

入り口からの脱出は無理でしょうね、となると転移門からとなるんですがここを放棄するしか

道は残されてないですね と、なると転移門を破壊しなければいけません 残念です」


転移門を破壊・・・? またなの・・・?あの時と同じ 私が死んだあの時と同じ状況なのね

でも今回はそうはさせない つまり残敵を掃討したら放棄しなくていいわよね

だとしたら私たち転生組の出番よね 佐野さん達には護衛に回ってもらいましょうか



「響さん、提案があるんですがね」


「もしかして掃討するの?私も数に入ってるでしょうね?」


「もちろんですよ、当然でしょう?転生組4人でいきますよ二手に別れて全滅させますよ」


「は~い!私と百合花ちゃん!響と千景君で!分けましょー いいよねー?うへへ」


「夏樹・・・・・・最後のうへへが無かったらそれでも良かったんだけどね あんたは千景君といきなさい私は百合花ちゃんと行くから 決定よ。佐野さん、三咲さん、青羽さんすみませんがエルフ達と妖精達の転移門までの護衛お願いできますか?」


「おう!おまかせあれ!コボルドなどに遅れはとらねえよ、三咲いいよな?」


「ええ、任せて でも響さん大丈夫ですか?」


「勿論です 私たちに任せてください でも打ち洩らしがいったらごめんなさいね」


「え、あの、私は百合花ちゃんとペアが・・・」



響さんが夏樹さんの反論を無視して佐野さんと三咲さんに護衛を任せて話を終わらせた

反論の機会を与えられなかった夏樹さんが肩落としていたけど・・・まあ・・・

千景、あんた慰めときなさい 私は身の危険を感じたのでスルーさせていただきますわ。



「私、百合花に付いていくよ いいでしょ百合花?」



マユナが付いて来るとか言い出してるけど駄目に決まってるじゃない

無双中に巻き込む可能性があるから危ないわよ



「え、危ないわよ大人しく青羽さんと一緒に行きなさい」


「やだ、付いていく」


「駄目よ本当に危ないから、後で迎えに行くから待ってなさい ね?」


「・・・・・・将もそう言ってずっと迎えにこなかったのよ?私付いていく」



あ・・・この子私が居なくなってしまうのを怖がってるのね 仕方ないなあ



「判ったわよ、じゃあついてきていいわよ 響さん、悪いけどマユナを守って貰えますか

マユナあんたも魔法で響さんをサポートするのよ、いいわね?」


「うん、いいわよ マユナちゃんだっけ? 私の後ろから離れないでね」


「判りました、離れません サポートします」




「僕の意見とか聞かないんだね・・・皆・・・」



千景が寂しそうに呟いてる・・・あ、青羽さんが肩に手を置いた 哀愁が漂う光景ね



「じゃあ、響さん行きましょうか サポートお願いしますね」


「ええ、任せて 洞窟内だから弓使えないし短剣使うわね 久しぶりだわ短剣なんて」



響さんは生前弓使いだってけど転生して能力が上がってるから接近武器のほうがいいね

洞窟だと弓はちょっと使いづらいし 魔法も狭い空間でつかうのはねえ・・・

火魔法使って酸欠で死亡とか笑えないわ 土魔法も微妙ね壁が崩れかねないし

やっぱり武器を使っての攻撃が有効よね それも短めの奴で 

響さん一緒に無双しましょう そうしましょう



「私たちは入り口方面に向かうから夏樹達は転移門周辺の敵を頼むわね、行きましょうか」


「ああっ!百合花ちゃ~ん 待って~」



夏樹さんが名残惜しそうに私の名前呼んでるけどごめんなさいね 身の危険をコボルドより

夏樹さんから感じるので響さんと一緒に行きます 追わないでください


洞窟は全長が10キロ以上の大きなものだった

マユナによるとヨーロッパクランの中間拠点として使用されているそうで

ここから各地のアジトに転移するそうだ ちなみにヨーロッパクランといっても

1つのクランではなくジャーマン、フレンチ、ヴァイキング、ガリア、ローマなどの集合体だったりする

ヨーロッパって国によって文化が違うから細かくクラン分けしたそうだ

うちなんて中国ってひとくくりで終わるのに おおざっぱよね 円さんによると

「んなもん、中国ってひとくくりでいいんだよ 大本の中国が東西南北で文化が違いすぎるのに

一つの中国とかぬかしてんだから うちもそれで良いんだよ」だそうだ。




ところでコボルドだけど殲滅できそうです ええ、あっさりと

マユナが攻撃力に付加の魔法やら防御の魔法やらを覚えていたのでいつもより戦力過多でした

敵からのダメージが殆んどありませんでしたわ 響さんも無双していたし転生組ってチートだわ

生前あれだけ苦戦してたのが嘘のようです ずるいなあ今の私

ネットゲームなら 吊るし上げよね 掲示板にさらされたりしてね

でもこの世界なら戦力になるならなんでも歓迎されると思う よかった現実で。


それと響さんが短剣使うとかいってたからてっきりナイフみたいなものを使うのかと思ってたら

胡蝶刀とかいう短柄武器で全長が50センチくらいのやつだった

ごついですね・・・それ・・・それが2本・・・生前そんなの使ってましたっけ?

短剣じゃないよね太い包丁ですよね しかも1本ずつ手に持って双刀使いですか

もしかして転生して現実世界で練習してました?   

ああ・・・コボルドの首が簡単に吹き飛んでる 首って中々切れないんですよ

中世ヨーロッパで罪人の首落とすのに斧使ってたくらいなんですから あ、古代中国もか

それ考えたら日本ってあんな細い刀で打ち首してたんだから恐ろしいな

首切り役人えーっと なんだっけ山田さんだっけか 浅右衛門そんな感じ たしか



「もう残敵は居ないみたいね、百合花ちゃんマユナちゃんお疲れ様 そろそろ集合場所に行きましょうか」


「そうですね、もう大丈夫ですよね マユナ頑張ったね あなた魔法の練習頑張ってたのね

なかなかのものだったわよ」


「・・・・・・・・・二人って何者?凄いねコボルドをあっさり倒すなんて・・・

それもあんなにいっぱい居たのに全部倒しちゃうなんて・・・びっくりした」


「あーそうねー自分でもびっくりだけどね まあ、細かいことはまた後でね」


「うん あ、そうだ将がパートナーになってくれなかったら百合花のパートナーになってもいいよ

役に立つよ 百合花は瑠璃花の孫なんでしょ あれ?もしかして将の孫にもなるの?

瑠璃花に子供いたっけ・・・あれ・・・おかしいな・・・?」


「マユナ、その辺は安全な場所にいって話しましょう さあ行きましょう」



今説明しても理解して貰える自信が無い と、言うわけで響さん後でお願いします

他力本願だけどしかたないよね だって説明下手なんですもん、私



「あ、百合花ちゃ~~ん お帰り~ 面白いことになってるよ~」



私達を迎えてくれたのは満面の笑みを浮かべた夏樹さん

面白いことってなんです・・・か・・・ね・・・私の目に入ってきたのは 

ちっちゃな妖精達に囲まれて一人の女の子妖精をお姫様だっこしてる千景だった 何コレ?

ロリ妖精大集合の中心が千景かあ・・・ハーレムだね よかったねー男の夢だね!ロリだけど!



「凄いでしょ?面白いでしょ?いやあそれがさあ・・・」

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