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エメラルドの血  作者: 山ノ上三条
第一章
31/111

31

「いや~お菓子美味しくてね、つい会話が弾んじゃった、百合花ちゃんもいるしね」


「まあ、いいわ・・・ということで私たちは遠い親戚なの 瑠璃花ちゃんこれからもよろしくね

それと芳野の事ありがとう 大変だったでしょう」


「あ、いえこちらこそ・・・芳野は素直に育ってくれたんですけど悪い大人がいらない事

教えちゃってちょっと言動に難があるんです・・・ごめんなさい・・・」



ああ、たしかにこの世界で芳野に会ったときなんか残念な子になってて驚いたわね

あれ連歌屋とかの影響でしょ よし、あとで締める



「姉さん、外が騒がしくなってるけど何かあったんじゃない?」


「ん~何だろ?」



私たちが居る2階から下をのぞくとちょうどミチカさんがいた

いいタイミングで会えたね、何か知ってるかもしれないね



「ミチカさ~ん、何かありました~?」


「お~ゆりしょ~ちゃん、いいニュースだよ!転移門に現実世界からの帰還者が現れたんだって!

見にいくよ!さっさと降りておいで!」



なんと!帰還者ですと!それはもしかしてエメラルドの世界の引退者とかですかね

現実世界と異世界の扉が開いた事に気づいた人が私たちの他にいたんだ

それはぜひお目にかかりたい もしかしたら知り合いだったりするかもしれないし

・・・私、姿変わってるから気づかれない可能性が高い・・・また説明するのかあメンドクサイね。


私は食堂の2階のベランダからカンフー映画の如く飛び降りミチカさんと合流して転移門へ急いだ

あ、興奮してて千景とか置いてけぼりにしちゃった まあいいか・・・響さんとかいるし

転移門がある部屋には多くの人が集まっていた その中で雄二が誰かを肩組んで笑いあってる

誰だろ?男性で20代くらいよね 竜輔さんと同年代くらいかな



「お、瑠璃花ちゃんじゃないか 相変わらず美人だねえ前に会ったときより更に綺麗になって・・・

いやあ将がうらやましいな なんてね それに北谷までいるじゃないか 俺を迎えにきたのかい?」



男性に話しかけられたが・・・え~っと誰だっけ? 忘れた・・・

私が頭を捻って思い出しているとミチカさんが相手の名前をでっかい声で言った



「佐野、佐野じゃないか!帰ってきたんだね お帰りいいい~~~」



ミチカさんは雄二を押しのけて佐野さんとやらに抱きついた!?雄二が壁まで吹っ飛んだけど

大丈夫か?あの人ミチカさんの彼氏かなにかなの?そんな人いたっけ?未だに思い出せない私に私の後から来た希さんが誰かを教えてくれた



「将・・・忘れたの?竜輔さんと仲のよかった佐野だよ 佐野 京也。ほら朴刀使いで

あんたと音楽の話題とかでよく話してたじゃない どう?思い出せた?」



ああ、京也さんか!ヘビィメタル好きの!やっと思い出した でもそこまで接点なかったよ

そっかあ帰ってきたんだね ってこの人引退してないよね 普通にエメラルドに居てたよね・・・

じゃあ転移装置破壊後ログインできなかった人なのかな どちらにしても仲間が帰って来るって

嬉しいよね・・・でも・・・私の時と歓迎の度合いが違いすぎない?人一杯だし

なんか京也さん凄く歓迎されてる雄二と肩組んだりしてたし まあ、姿変わってるから警戒されたのは当たり前か それより瑠璃花と間違われてるから誤解解かなきゃね



「京也さん、お久しぶりです ですが私は瑠璃花ではありません」


「へ?瑠璃花ちゃんじゃ無いの?でもその顔は瑠璃花ちゃんだよな どういうことだ北谷」


「ああ、ゆりしょーちゃんね 後で説明してもらうといいよ それより旧交を温めよう!

しかしよくログインできるようになったって気づいたね あんたは偉いよ!」


「うん、どういう事だ?俺は気づいたらここに居たんだ 俺なんで異世界にいるんだ?

なんでだ・・・う~ん記憶が曖昧だな さっぱりわからん」


「なに言ってるんだよ、ボケたのか?ああ、現実世界ではもうおじいさんだもんな

でも、安心しろここ異世界改めエメラルドの世界では不老だ!多分!

それに現実世界で老けてもエメラルドに来れば若返ることが実証された!お前のおかげでな!

いやあ、めでたいね これでもっと引退者やログイン出来なかった奴等が戻ってきてくれたら

万々歳なんだがなあ!」


「なんかさっぱり判らん、エメラルドが何かも分からんが喜んでいいと言うことだよな!めでてえな

ああ・・・なんか今日は頭がくっきりはっきりしてるなあ・・・何故かずっと靄がかかっていたような気がするんだがそれももう無くなったみたいで爽快だぜ ああ、やっぱり異世界ってのはいいねえ

仲間もいるしな!」


「おう!私も旧友に会えて嬉しいよ!あんまり嬉しいからキスしてあげるよ!」


「お?なんだキスしてえのか?しょうがねえな 今日はサービスだ!好きなだけしろい!」


「んじゃ、いただきまーす」



・・・一体この二人はどういう関係だったのかな あんまりそこの所覚えてないや

それにキスしようとしてるしそう言う関係なのかな 部外者だからこの光景につっこみすら入れられないや二人ともタコのように口をだしてチューしようとしてる 恋人というにはコミカルな光景だね

ちょっと間抜けに見えますよ?


そんな事考えてたら転移門から青い光があふれ出してきた おや、これは誰かが転移してきたのかな

もしかして帰還者第二号ですかね? 幸先いいですね とかそんな事を考えていると

転移門から一人の女性が現れた 20代くらいの清楚な感じの人だ

転移門の前にその女性 その手前にミチカさんと抱き合ってる佐野さん

佐野さんと女性が驚いた目でお互いを見ているがミチカさんはいまだにタコチュー状態

あ、佐野さんのほっぺにチューした それを女性が見て愕然としてるついでに震えだした

その上目に涙がぶわっと溢れ出しその場にへたり込み泣き出してしまった 何この状況?



「なに?佐野ほっぺにキスしちゃったじゃない?口にするんじゃなか・・・・ったの?・・・

三咲さん?・・・まっじで・・・?」



ミチカさんが女性見て三咲さんと呼んだ人はいまだに泣いている 修羅場ですか

昼メロですかね? アメリカならソープドラマですかね どうでもいいけど・・・良くは無いか

  


「やっぱり・・・そういう関係だったんだね・・・いままで騙してたの?京也さん・・・

嘘ついてたの?私じゃ駄目だった?そんなにミチカさんがよかったらそう言ってくれればよかったのに・・・」



修羅場だ!修羅場だ!うん、ここは部外者がいていい場所じゃないよね そういう訳で

戦略的撤退シークエンスに入ります 5、4,3,2、1、総員撤退せよ!一人しかいないけど!

そんなアフォな事思いながら後ずさりしてたんだけど希さんに服を掴まれた 何故に!?



「将、逃げるなよーこんな昼メロ展開滅多に見れないよ 後学の為に見とけよー 君だって女になったんだから将来こんな展開になるかもしれないだろ? 見ておきなよ」


「いや、私まだ16歳ですので大人の恋愛はまだハードルが高いですよ~」


「嘘つけ、前世合わせたら大台に乗ってる年齢じゃんそんな逃げ通用しないよ それにこんな面白、おっとこんな修羅場ほっといたら刃傷沙汰になるかもしれないだろ?それは避けないとな」


「本音がぽろっと出ましたね」


「いや半分本気、本当に刃傷沙汰は勘弁だから 将、何時でも動けるようにしておいて あんた点穴使えるんだから危なくなったら三咲さんの動きとめてしまってね」


「了解、あの人三咲さんて言うんだ 覚えてないなあ・・・」


「確かあんたとはパーティー組めないシフトだったんじゃないかな それであんまり覚えてないんじゃない?

あの人佐野さんの彼女だったはずだよ・・・今はどうかは知らないけど」



なんと!佐野さんの彼女ですか 彼氏が自分の目の前で他の女とキスしてたらそりゃ

驚くよね ミチカさんも彼女持ちに手だしたら駄目でしょ 浮気ですよ?

んじゃ指を剣訣にしていつでも動けるようにしましょうかね

・・・・・・・・・・泣き止みませんね 佐野さんが宥めてるけど泣き止む気配がないよ



「希さん・・・ずっと泣きっぱなしなんですが?」


「うーん、刃傷沙汰には発展しそうにないね、とりあえず事情でも聞きますかね」



とりあえず佐野さんが居たら三咲さんがずっと泣きそうだったので雄二に佐野さんを

食堂に連れて行って貰って私たちは別の場所に移動することにした

三咲さんの部屋はいまだに残ってるそうなので私たちはそちらに移動した 面子は私、三咲さん、希さん後から来た響さんの4人で行くことになった 千景と夏樹さんは事情がわからないだろうから

放置 ミチカさんはおふざけが過ぎたので転移門の部屋で正座させられる事になった



「さて・・・三咲さん、お久しぶりね 馬場 希よ覚えてる?」


「ええ・・・覚えてますよ・・・それにしても昔のままなのはどうしてなの? 昔、噂にあった

歳を取らないというのは本当だったんですね 瑠璃花さん・・・でしたっけ?貴女も変わらず

お綺麗ですね・・・この異世界は不思議ですねえ」


「ぶふっ くっくっくっ・・・」


「あ、あはははは・・・・」



希さんと響さんが失笑している ええ、笑いなさいよおもいっきり

今の私の顔は顔文字だとショボーン(´・ω・`)だろう ああ、顔文字とか懐かしいわ

現在じゃあんまり見ないんだよねこれも時代か・・・

学校の友達にメールで送ったら 「何これ何かの記号?顔に見えるね うける~」とか言われた・・・

 


「三咲さん、この子は瑠璃花じゃないんだよ 御園 将って覚えてるかい?」


「御園 将くん・・・竜輔さんとパーティーよく組んでいた男の子で瑠璃花さんの彼氏さん

ですよね、それがなにか?」


「うん、それで合ってます それでね その将ってのがこの子 御園 百合花ちゃんなんだよ

生まれ変わって女になったんだと! もう爆笑もんだろ?なんで瑠璃花と同じ顔なんだよ!

しかも自分の孫になって生まれ変わってるんだよ、なにそれどこの物語ですかね?って感じなの」


「・・・・・・・・・・・・」



ああ・・・三咲さんが固まってしまった そりゃいきなりそんな事言われたら思考が

追いつかないよね 響さん、説明お願いします 私説明下手なので




私の説明放り投げに響さんはちゃんと三咲さんに説明してくれた、ついでに自分の事も

三咲さんは響さんが小鳥さんの生まれ変わりだと知って大層驚いていたけど

納得して私たちの事も信用してくれた 小鳥さんとはお友達だったことも関係してるのかな



「不思議な事もあるもんですねえ、小鳥さん大変だったんですねえ でもこうしてまたお会いできて

嬉しいです」


「ええ、私も同じ気持ちです また会えるとは思っても見なかったので・・・」


「さ~て、こちらの説明はこれでいいかな、それじゃあ三咲さん貴女の話を聞かせて貰える?」


「ええ、それじゃあお話しますね・・・」



三咲さんが話す佐野さんとの事はちょっと重い話だった

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