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「・・・色々突っ込みたい所はあるけど、まずはオークの話が一番重要だよねえ
ユリショーちゃん やつらはそんなにあちらに出没してるのかい?」
「・・・・・・そうですね、いままで30件くらい出没し事件になってるんじゃないかと
千景、知ってるでしょ? 日本に現れたUMAの話 TVでやってたりしてたし あとミチカさん百合花です」
「その話なら知ってる、画像も見たことあるし でもおじいちゃんの話は初耳だよ・・・」
「うちの家族はおじいちゃんの話したがらなかったでしょ?聞いたら教えてくれてたけど
凄惨すぎて教えたくなかったんでしょ と、いうかあんた自身の話なんだけどね?気づいてる?」
「そんな事言われても記憶に無いし自分が人間じゃなかったってことのほうが驚きなんだよ、
姉さんが教えてくれなかったし。教えてもらっても信じなかっただろうけど」
「そうだね~擬似魂が生まれ変わるなんていままで聞いたことないし。君達二人はあれだね、
存在自体が疑惑の総合商社だねっ」
ミチカさん酷い そして古いっ 50~60年以上前のネタなんて誰も・・・って皆分かるか千景抜いて
「なんというか、信じがたい話なんだが 本当の事なんだろうな でも竜輔さんと小鳥さんの話を
聞けたのはよかったよ」
連歌屋は困惑の顔で感想を言っているが一応信じてくれているようね、他の人はどうなんだろう
「まあ、将の主観での話しだから合ってるとは言えないかもしれないけどな」
「たしかに」
む、雄二と優子は半信半疑ですか でも真実ですから
「将の話はあれだね、シリアスとコメディな部分の差が激しいねっ しかも千景君の話だったのに
殆んど将の話で終わったね 更になんかエロいし」
「あ~ミチカさん それはしょうがない 私の苦悩を知ってほしかったの。
いやホント色々ありましたよ幽霊状態やら赤ん坊やらね 私の人生奇妙すぎるわ 千景も昔は擬似魂だったけど今は普通に人間だし。
それにね、多分だけど千景と私って魂が一旦融合してると思うの その後分離してるんじゃないかな
だから千景が私のオリジナルの武技が使えたりエメラルドにログインできたりしたんだと思う
だから将という人間は私と千景という人間に分かれたと言っていいかもしんない」
「なるほどな、説得力があるな・・・あってるかは分からんが・・・」
いや、話聞いて皆の反応が不安だったけど概ね理解してもらったみたいね。
ところで・・・沈黙してるけど瑠璃花、芳野はどうなの? って!瑠璃花の顔!顔! 俯いてるんだけど口だけ見えて笑ってる・・・のが見える
え~~っと何かしら なんか怖い ん?何か呟いてるわね 聴覚上げてみようかしら
いや!なにか嫌な予感がする ああっでも聞きたい 聞いたら後悔しそう しかし気になる
ええい!女は度胸 昔そんなフレーズがあったわ よし 聴覚アッ~~プ!
「将が 生まれ変わり・・・私の孫に?・・・ふふ・・・これって私の家族よね・・・しかも二人?
なにそれ・・・素敵・・・もう私のもの・・・誰にも渡さない・・・・・・そうだ、私の部屋に・・・」
あ、これ やばいやつだ 美術部の吉田君のお父さんが持ってたすごい昔のヤンデレCDみたいな事言ってる もしかしてやばい?私と千景デンジャー?
「さて・・・これから本題に入ろうか? ユリショーちゃん、君さあ話ぼかしてたよね?
竜輔さんと小鳥さんの事とか肝心な事喋ってないよね?なにがあったか説明してくれるかな~?」
・・・ミチカさん鋭い・・・出来れば芳野の前で言いたくなかったんだけど仕方ないか
私の語学力ではごまかし切れなかったね
芳野には酷かもしれないけど、話をしなければいけない雰囲気だね ごめん芳野
「分かりました、お話します
私が転移門を壊そうとした時やつらの攻撃が激しくなった気がしたの そして破壊し終わった後、
敵の数が減り私達はそこから脱出できたの
今になって思えばおかしいのよね、あんなに敵がいたのにあの場所から脱出できるなんて。
てっきり私達の運の良さかと思ったけど、敵の目標が変わったのであれば敵が減った訳が理解できるよね そんな中、小鳥さんだけが違和感を感じたんだと思う。
敵の目的はもしかしたら転移門、そして転移装置の破壊ではなく奪取ではないかと
小鳥さんは思ったんじゃないかしら そんな事考えてるときに敵の攻撃を受けてしまったの
そして残った転移装置を敵に渡すことはどうしても阻止しなければならない、と
その事を竜輔さんに伝えて私に小鳥さんを預けて竜輔さんは転移装置を破壊しに行った。
私達は敵に殺され現実世界に戻ったけど、擬似魂と入れ替わる前に竜輔さんが転移装置を破壊し
擬似魂は帰還出来ずに現実世界に残る事になり私は幽霊状態になったんだと思う
おそらく小鳥さんも私と同じ状況になってるんじゃないかと思うんだけど・・・。」
「そうか・・・転移装置を破壊したのか・・・」
連歌屋がぼそりと呟いたその声は低く重かった
芳野は俯いて顔を上げようとしない その顔からは光るものが落ちていった
「だが、もし転移装置がオーク共に奪われていたら向こうの世界がどうなっていたかわからないよな、結果だけ見れば正しい判断だったと思うぜ」
「そうね、私だって破壊したと思う オークいっぱいの現実世界は見たくないもの」
雄二と優子は賛同してくれているみたい でもね私達の判断は本当に正しかったのか
今でも判らないの ・・・それにまだこの話には続きがあるし
「でもね、転移装置を破壊してたのにも関らず現実世界にはオークが出没してるんだよ
それにねまだ言ってないんだけど・・・千景、あんたこれ何処で見た?」
そういって私は水魔法でイルカやクジラを作り出し皆に見せる
「ん?僕の部屋だったよね。たしか姉さんがログインしようとしたらアップデートが始まったとか
言ってどーんと入ってきたんでびっくりしたよ」
うん、合ってる
そして皆が困った顔してる やっぱりそうなるよね
「まさか現実世界に魔力が有るのか・・・すくなくとも俺達がいた時代には無かったはずだが
それともエメラルドの魔力が現実世界に漏れているのか?
将、現実世界で武技や魔法も使えるのか?」
「使えるわよ、でも魔力の回復は凄く遅いからまだ魔力自体はそこまで多くないと思う
それでもあまりいい状況じゃないのは確かね」
「まずいなあ、それ現実世界にいるエメラルド経験者や引退者が知ったら何するか
わかったもんじゃないね~アジトに帰ったら円さんに報告しないとね。さてそろそろ話しも終わりにしようかね?まだ何か質問ある?・・・・・・無いみたいねそれじゃあ解散 各自、自由行動ね
明日は朝8時から移動するからよろしくね」
各自自分の部屋に戻ろうとしたとき千景がぼそっと私にだけ聞こえるように近づいてきた
何かな?
「・・・姉さん 雄二さんってあの雄二おじさんだよね?なんか現実世界とルックスが全然違うんだけど・・・若い頃って美形だったんだね びっくりだよ」
「ああ、そうね~今と昔じゃあ全然違うもんね 笑えるわあ」
「何だ、俺の話か?」
む、よく聞こえたわね 小声だったのに地獄耳か?
「そうよ、雄二 お・じ・さ・ん 千景が現実世界とルックスが違いすぎるってさ いやあ何があったんでしょうねえ、百合花わかんな~い 嘘~全部しってる~」
「すっげえムカつくがまあいい、そこまで違うのか?」
ええ、全然違います 現実世界では布袋様みたいになってるからねえ
美形の雄二が布袋様になったらそりゃあ驚くわよね
「あのね、雄二って優子と付き合い始めたってさっき話したわよね でも雄二の浮気癖が酷くって優子が愛想尽かして別れたのよ やけになった雄二が荒れに荒れて暴飲暴食繰り返して太るわ禿げるわ糖尿になるわで大変だったの そんな訳でルックスが全然違う雄二が現実世界にいるわね
ちなみに哀れに思った優子が雄二許して復縁、結婚したのよ」
「・・・・・・・・・へえ・・・・・・俺そんな事になってるんだ・・・」
「初耳だよ、雄二おじさん浮気は駄目だよ」
「いや、擬似魂の俺だし エメラルドの俺は浮気なんてしてねえし!」
「え、そうなの?チャラい雄二はどこいったの?更正したの~?えらいじゃん」
「あ~瑠璃花がさ、お前の事一途に想ってるのを見てたらな なんか女遊びしてる自分が情けなくなってきてなそれで女遊びは止めたんだ もちろん付き合った女はいるぜ? でも浮気はしてないぞ
まあ、付き合って別れってのは何回もあったけどな 全部真剣だったぜ」
「へえ~凄いわね現実世界の雄二に教えてあげたいわ」
エメラルドの雄二は真面目になったのね、お姉さんびっくりだわ
こちらじゃあ老けないから美形の雄二はもてたんだろうなあ
「それより将 いや百合花、千景もおまえらやばいかもしれんぞ?」
「え、なにが?」
「瑠璃花だよ、あいつ将の事今でも忘れてないからな ちょっと病的なまでに想ってる。
俺、ちょっと瑠璃花怖い 言い寄ってくる男もいたけどあいつ全部振ってるからな
将を想って40年だぞ?一途って凄いとおもうが瑠璃花のはなんか怖いんだよな
愛してるとは違う気がするんだよな むしろ呪いにでもかかってるんじゃね?って思うんだよ
二人共 なにかあったら叫べよ?」
嫌な予感的中です!