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エメラルドの血  作者: 山ノ上三条
第一章
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優子に私が御園 将だって事を説明してるあいだに瑠璃花の意識が戻ったみたい。

まさか千景見て意識失うなんて思わなかったから驚いたわ、ついでに芳野に抱きつかれるなんて思わなかったし。芳野、あんなエキセントリックな性格だったかしら。もっと可愛い子供だったような気がするんだけど。さてどうやって瑠璃花に将だって判らせようかな? あ、そうだ。



「おはよう、瑠璃花。目覚めに珈琲かな?それとも緑茶?」



思わず口走ちゃったけど懐かしいなあ、このフレーズ。二人にしか判らないであろう合言葉みたいなもの。

気づいてくれるかな。気づいて欲しい。



「あ・・・将・・・?珈琲かなあ・・・頼める・・・?そしておやすみなさい・・・」



って寝ちゃだめよ!これも懐かしいなあ、瑠璃花は朝弱かったからね



「瑠璃花、ここはベッドの上じゃないよ?そして瑠璃花の部屋でもないよ?、さあ起きて」


「う~~~ん、まだ眠い・・・・・・・・・うん?は、え?」



ようやくちゃんと目が覚めたみたいね、ここら辺は変わってないのね、お姉さん安心したわ。



「おはよう、瑠璃花。もう一度聞くよ?目覚めに珈琲かな?それとも緑茶?」



おお、瑠璃花が目を見開いて私を見ている、そんなに見つめなくてもいいじゃない。

照れるわね、可愛いって罪ね、なんてね。



「やっと会えたね瑠璃花 久しぶり、40年くらいぶりね。姿は変わったけど御園 将だよ」



瑠璃花がほっぺたつねってる、可愛いなあ。でもそろそろちゃんと理解してもらわないと先に進めないのね。どうやったら、もっと理解してもらえるのかな。



「さ~皆、ここでだべってるのも何だから取り合えず場所を移さない?そのほうがちゃんと話し合えるでしょ?」



さすがミチカさん分かってる。さっきまで空気のように存在が無視されてたのに空気読めるお姉さん流石です、一生ついていきます、多分。そしてもっと空気なのが千景。あんたもっと喋りなさいよ。



とりあえず今日は近くの村で一泊していくことになりました。久しぶりのエメラルドで外泊ですか、たのしみですね。ご飯何食べようかな~。

あっというまに近くの村に到着ですよ。まあドワーフの村ですか懐かしいですね、ドワーフって言っても髭はあんまりない人なんだけどね。千景ならこう言いそう 髭が無い・・・詐欺だ・・・って。



「ドワーフなのに髭が無いなんて詐欺だ・・・」



ぶふっ!言った、言いましたよ この子!期待を裏切らない千景って好きよ(笑)

私が腹抱えて笑っていてたら千景にジト目で見られましたよ あんたのせいだから!

ところでここの村って小さい宿しかないのね。



「さて、とりあえず宿の食堂で腹ごしようか、連歌屋」


「あいよ、そんで部屋割りはどうすんのさ、ミチカ」


「んなもん、後 後 さーいくよー」



そうですね、おなかすきましたし

それに瑠璃花が後からじーっと私見てて正直居心地が悪いの、早く移動したい おおう背中がぞわぞわしてきた瑠璃花の横にいる芳野は千景が気になるらしくそちらもじっと見ている 何なのかしら そろそろ視線に耐えられなくなってきた・・・三十六計逃げるにしかず!

いや、逃げるわけじゃないの進むの

百合花、先陣仕る。いざ、食堂へ! とりあえずさっさと逃げます

あ~なんか説明するの大変そうだわ どうなるのかな これから。



夕ご飯のメインはでっかいトカゲの丸焼きでした

鶏肉みたいで美味しゅうございました 付け合せの野菜のバーベキュー美味しゅうございました

デザートの果物も美味しゅうございました

さて、そろそろ待望のお話タイムですかね?まずは私のターンですよ 最初の目標は芳野だ。



「ねえ、芳野 あなた千景について何か言いたいんじゃない?」


「・・・言っていいの?」


「もちろんいいわよ、それもこれから話す事に関係しているから」


「じゃあ、遠慮なく」 



芳野は深く息を吸って意を決したように真剣な眼差しで



「おにいちゃん、本当に人間?」


「え・・・」



千景が絶句している そりゃそうよね自分が人間かどうかなんて普通聞かれないものね

じゃあもっと質問しようかしら。



「芳野、あなた魂の色と形が判ったわよね 千景の色は何色でどんな形している?」


「う~ん 色は将にいちゃんと同じなんだけど中心にあるのが珠じゃないんだよね 七色なのは一緒・・・形が

なんだっけ あ、勾玉ってやつ?あれに似てる こんな形の人初めて見た まるで妖精か精霊みたいだね」


「妖精か精霊か・・・彼らの形はどんな形なの?」


「うん?そうだなあ・・・勾玉が二つくっついて丸になってる感じかな」



ほほう、興味深いなあ 妖精ってそんな風な魂なんだ、初耳ですよ



「ああ、陰陽みたいな感じっていってたっけ」



雄二が補足して説明してる へえ、将の時は興味なかったから質問したことなかったもんなあ

面白いなあ それにしても千景の魂って陰陽の半分の勾玉の形って事でいいのかしら

千景の顔が心なしか青ざめてるわね、もしかしたら自分は人間じゃないかもって思ってるんでしょうね。



「つまり千景は妖精たちの魂の半分みたいな形をしているという事ね?芳野それで合っている?」


「うん合ってる、えーっと百合花ねえちゃん?将にいちゃん?」


「どちらでもいいわよ、好きに呼びなさい」


「じゃあ将ねえちゃんで」


「・・・予想外だわ・・・」



くっ千景が真っ先に笑い出した あんたさっきまで青い顔してたじゃん

ああ、ミチカさん、連歌屋、雄二、優子まで笑ってる・・・

なんだろう、この敗北感

そんな中 瑠璃花だけが沈黙を保ってクスリともしない・・・怖い



「ま、まあそれは置いといて・・・千景の事なんだけどね」



皆が注目している中 私は千景について誰にも言ってなかった事を告げる。



「千景はね、現実世界で私、御園 将の肉体に入っていた擬似魂なのよ」



ああ・・・みんなの頭の上に?マークが浮かんでいるのが幻視できるわ

判るわーその気持ち。



「将、どういう事なの?」



今まで沈黙していた瑠璃花が冷たい声で私に声を掛ける。



「では、話しますかね。長くなるかもしれないけど勘弁してね」

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