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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十九章「帰郷作戦」

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幕間:顕微鏡の先。

【用語】


『5.56x45mm NATO弾』

:M16と共にベトナム戦争が無ければ採用されなかった珍兵器。重量も反動も軽くて扱い易い。だから威力も射程も低い。これはオモチャの鉄砲。何故にこんなモノが採用されたのかと言えば戦局の悪化に対して政治家や軍人が責任を取りたくなかったから。判断ミス以外の全てを槍玉に上げれば、現状の全てを否定せざるを得ず「兵器が悪いから負けた」は誰の責任にもならない最高の言い訳。実際のところ急速に質が悪化したアメリカ軍の招集兵には既存の兵器を扱う能力が無く、オモチャの鉄砲が戦場に出るまでは救いだったのだろう。そして敗戦後。兵士の質が回復することが有り得なくなった為に、この路線は続けざるを得なくなった。お気の毒さま。


防犯に於いて最も効果的なのは?

――――――――――鍵を増やすこと。


複雑で開け難い鍵ではなく。


絶対に開けられない鍵など無い。

もし有れば、それは鍵ではない。


開け難くしても、開くのだ。


それは、まさに防犯。

犯す意欲を起こさない。

孫子の言葉に在るように。


百個の南京錠をピンで開くなら、一つの電子ロックを解除した方がマシ。


越えられない壁は超えたくなる。

越えられる無数の壁は観たくもない。

いっそ大半がダミーでも構わない位だ。


――――――――――物量は勝利――――――――――

これがセキュリティの原則。


これはハードウェアだけではなく、ソフトウェアの世界でも、いや、むしろソフトウェアに()()言える。


ソフトウェアに置いては上限が無いからだ。


作業内容はコピーで足りる。

作業量は自動化すれば良い。

作業領域は使い回せば良い。

作業速度で上回っている限り、鍵を開き終わられることはない。


ハッカー/クラッカーが置引きや()()()()()、便所の落書き程度の単純犯罪者に扱われている理由。


ああもちろん、昔はIT今はAIやらに踊らされ詐欺師のカモなっている爺婆にとっては実在しているが。

・・・・・・・・・・馬鹿は世代を超えてしまう。


もはや個々人の電子犯罪は社会的脅威ではない。

それはファンタジーの中にしか存在しない。

いや実際、個々人のハッカーなどファンタジー。

それが社会的脅威に成れた事実など無いが。


何だか解らない特殊な個人的才能だけを便りに何故かは判らないが唯独り電子世界で説明抜きに無双する。

・・・・・・・・・・何処かで見掛けた厨二病。


現実は高速コンピューターと交代する保守技術者たち。

無数の南京錠を造る。

無数の南京錠を開く。

マシンスペックと事前に組まれたプログラムの物量戦。


プログラムを組むときに問われるのは?

作業効率のみ。

保守技術者に求められている才能とは?

単純反復動作。


勝敗を決めるのは?

金と時間。


斯くして絵にはならない電子戦が日夜繰り広げられている。


()()()()()()()

それは、()()が介在しないから、だろう。


主体は機械。

人はサポート。

単純作業は()()()()()()は機械化される。


人を相手にすること以外、機械の方が巧くやる。

だからAIは全て失敗を糊塗しているのだが。


人を機械化してこなす業務は機械に入換される。

軍事分野には、そういう部分が少なくはない。


例えば?


空軍が一番簡単だ。

中でもパイロットなら。

すぐに置き換え可能。

というか、進んでいる。


元々、飛行制御ほど単純な操作はない。

全てが解明されているくらい。

それが難しかったのは操作環境による。

人体の許容範囲外で単純作業。

環境に耐えられる頑丈な人間は少ない。

それすら限界があるのが現実。

だから航空機の性能を人並みに下げた。

人体という欠陥部品に合わせ。

それが壊れ無いようにしか飛べぬよう。


幸い、パイロットの寿命は短い。

・・・・・・・・・・人体を機械替わりにしているんたから、当たり前。


いずれパイロットが定年になれば、既に実用化されている無人機と整備員だけの空軍が出来るだろう。


だが、空軍が一番簡単、と言うのに異論があるかもしれない。


海軍はどうか?

むしろ機械化済みかもしれない。

そもそも技術者の集団と言える。

海兵の大半は艦艇の整備員たち。

そもそもそこから始まったのか。


そう考えると既に戦闘員ではなく、戦闘機械と整備員の集団とすら言えるし、最初からそれなら、その方向を進むだけだろう。


陸軍はどうか?

一番難しい。


歩兵は無理だ。

不整地に置ける多脚歩行は、技術的に再現が難しい。

撃つだけなら簡単だが、銃剣で一体〃刺突するとか。

歩兵は多機能すぎ個々判断をプログラムに出来ない。


ただ兵科によっては、すぐ出来る。

砲兵など遠距離支援部隊は最も簡単だろう。

戦車など車両は既に自動化が進んでいる。

攻撃ヘリコプターなど単純作業は空軍と同じ。


中でも狙撃兵が一番簡単だ。


弾道学ほど解明済みなことはない。

求められていたのは自明の理。


機械の真似をする才能が求められた兵科。


人間には難しいからこそ貴重だった。

だから簡単に機械に切換できる。


射撃プログラム付きの自動発砲装置。

整備兵が設置して調整するだけ。


撃つ撃たないは事前指定可能。

もちろん個別に指示も出来る。


この辺りの理屈は、砲兵と変わらない。

戦場との距離が離れれば離れるほど。

狙撃距離が遠いほど、機械でいい。

――――――――――いや、機械の方が、佳い。


だから国際連合軍には狙撃兵は要らない。

狙撃銃は選抜歩兵に使わせている。

突発的に必要が生じた場合の備えとして。

・・・・・・・・・・先ず無いが。


現代戦ならば交戦距離が離れる傾向がある。

小口径高速弾(5.56x45mm)小装薬低速弾(7.62x39mm)では対応出来ないくらい。

元々、案山子役の徴収兵紛い向けの装備だ。


だから実戦を前提とした部隊には7.62×51mm弾対応の銃器が与えられる。

その運用に耐えられる者を選抜しているからだ。

案山子が土嚢として戦線を形成、兵士が味方の綻びを支え時には敵の綻びを突く。


戦争が出来ない時代(現代)の戦争作法。


国際連合軍は、それを踏襲せずに済んでいる。

最強ではあっても中世の軍隊が敵だからだ。

もちろん豆鉄砲は何時の戦争にも使えない。

だから7.62×51mm弾を全部隊に配備。


この場合、選抜歩兵は主力の支援。


優れた者が出来損ないを踏み台(使い棄て)にするのではなく。

優れた者が、どこまで平均値を推し上げられるか。


主力たる歩兵集団が戦場を踏み締める。

選抜歩兵は敵の出鼻を挫き取り零しを獲る。

自動機械の戦車は歩兵に支援され砲が支援する。


人間は機械の邪魔にならない。

機械は求め通りに人を超える。

道具と持つ手のあるべき関係。


その一つ

――――――――――国際連合統治軍軍政領域。


空を征く航空機や偵察ユニットは人間という負担から解かれ本来のスペックを発揮していた。


そしてもちろん、予め判っている狙撃ポイントには、自動機銃/自動機関砲を設置していた。


港街外周。

57mm機関砲(ボフォースMk2)

最大射程17000m。


港街高台。

12.7mm機関砲(ブローニングM2)

最大射程6000m


火砲(FH70/MLRS)迫撃砲(L16 81mm)は、また別として。


索敵/攻撃の可否優劣も自動的に行われる。

もちろん人工知能などと言うモノではなく。

単純な条件付けに反応しているだけである。


そんな機械的作業を機械に任せられるからこそ、人間は人間にしか出来ない判断に集中。


非作戦域なら完全に機械化。

日に一度、記録概要に目が通される。


作戦域なら要度次第で調整。

数十~数Km単位。

索敵/攻撃機器の数。

それ次第で数人から数十人。


機器が上げてくる数字をプログラムが整理。

その分類を確認して、しながら要所を判断。

索敵密度の変更や攻撃の可否まで介入する。

現地に部隊が居れば調整までしながら、だ。


だから其処では異例の体制が敷かれている。


時間帯指揮官二人にオペレーター十数名。

――――――――――最前線ですら、有り得ない。


索敵こそ半自動だが機械判断を人間が検証。

通常ならばサンプルたけだが此処では全て。

普通は一日一回纏めるところを可及的速度。

攻撃判断に至っては完全に手動で行われる。


時折システム判定に人が合わせて攻撃指示。

・・・・・・・・・・システムを偽装するかの様に。


敢えて必要のない砲撃射撃を行う。

駐留軍には自動火器の指揮権限はない。

そも増強分隊規模では人手がない。

支援要請と支援中止命令の二つで一杯。

しかも現地の部隊は2系統がいる。


国際連合統治軍たる軍政部隊が主。

国際連合軍たる教導部隊(黒旗団)が従。


しかし主たる軍政部隊は増強分隊。

従たる黒旗団は旅団規模だ。

しかも異例な異世界地球混成部隊。


主たる軍政部隊は占領政策警戒任務。

従たる黒旗団も駐屯地の警備はする。


作戦行動や指示要請が錯綜してしまうことも多い。

特に黒旗団駐屯地で軍政司令部と離れた港街では。

制止する者が居ない自覚もない独自行動が生じた。


結果、過剰や不要な攻撃で街の一角が吹き飛ばされる。

――――――――――それを留めない。


・・・・・・・・・・システムの原則は過剰攻撃。

それを留める判断が出来るのは、地球人類だけだ。


だから留めなければそれと気が付かれない可能性か高い。

――――――――――誰にという話に戻る。


システムの仕様を知り気付ける者は何者か。


知ることは難しくはない。

知ろうとすれば、だが。


知っていれば気付けるだろう。

知っていることを生かすならば。


知ってしまったとしても問題はない。

知ったのが地球人類の側ならば。


実のところ多くはないが()()()()には居る。


目の前の戦場を超えた視点を持つ。

熟練の指揮官ならば良く在ること。

優秀な将校兵士なら有り得ること。

それは、咎められることではない。


仮に分限を超えた行動や言動に至るならば、別だが。


指導。

警告。

処罰。

色々な段階が有り得るだろう。


だが。

気付いていることを気付かせない様に偽装する必要が在るのならば、それはどういった対象に対する如何なる配慮だろうか?


そこで生じる

――――――――――誰が?



不幸な作業が継続中。

仕事や学業など、どうにでもなる話じゃありません。

生活環境の再建の件。


そのせいで書きたいことが書けなくて、えらいことになっています。

……自分の世間知らずにも今さら驚いてますが。


よって残念ながら、今週も、この一話のみ。

……新作を公開出来る日が、いつになるのやら。


では。

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