ショールーム/貴女の為の侵略戦争。
【用語】
『ショールーム』
:示威行動の一種。観る側に最大限の影響力を及ぼす様に最低でも舞台背景から揃えて演じるデモンストレーション。場合によっては理想像を演じさせることによって、斯くあるべき根幹をセットする演習にもなる。観せることは魅せること。魅せることで魅せられる。その為に一定の範囲を仕切り、内外を区分けし、境界をぼやかしていく。自他の区分けが曖昧な主従関係や、児童生徒に効果的。まあ本来ショールームとして設計された学校は先進国全般で機能不全に陥っているが。
抵抗は鎮圧するべきではありません。
恫喝などもっての他です。
空爆へ逃げるのは合衆国の伝統ではありますが。
もちろん、それが問題を解決することはありません。
第三者を抵抗側に追いやるだけの利敵行為です。
投下される爆弾一発で抵抗が一週間伸びるでしょう。
鎮圧を叫ぶ政権が一日延命出来るでしょうけど。
それこそが対テロリスト詐欺が横行する理由ですね。
空爆も砲撃も、地上部隊の同時侵攻なしには、良くて無意味、順当ならばマイナス。
人心を銃剣で殺すことはできません。
人命ならば根絶やしです。
殲滅したら自覚しましょう。
――――――――――敗北を。
【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度区域/斥候周回範囲/???】
北国の人々は陽光を求める。
それは多世界共通。
暖流の影響を強める太守領。
日本列島出現の為。
※詳細は第832話〈幕間:異世界気候/まるで誰かが護っているかのように。〉より
元々、寒さは穏やかな土地。
日照量は少ないが。
緯度が高いから仕方がない。
異世界だが地球並。
惑星と恒星の関係が等しい。
一応、調査中だが。
さておき太守領は高緯度。
地球で例えれば満州並み。
そうであればこそ、太陽を求められる。
――――――――――求められる?
それは願いではない。
具体的な行動として。
求めることが出来る。
雨と雪が山脈に集中するが故に。
だからこそ、空を見上げることが赦される。
まあ雲はそれなりに多いのだが。
太守領沖合いは大洋の寒流と暖流の均衡点
暖流と寒流の衝突は温度差による水蒸気を生む。
寒流は暖流を冷やす以上に、そこへ留める。
暖流は熱の総量が多い為に、気温を上げてゆく。
暖流による気温上昇に比例して増す水蒸気。
大気の飽和水蒸気上限こそ気温に比例する故に。
暖かさは拡がる。
寒さは縮む。
水も空気も同じ。
湿りきった大気は海から陸へ。
そこに含まれる水蒸気と併せ。
気体は液体よりも移動し易い。
大気は内陸山脈から物理的に遮られて急上昇。
高々度に在る宇宙に冷やされた寒気に当たる。
寒気に冷され温度が下がる。
気温と連動する飽和水蒸気限界。
暖かい空気は軽く。
冷たい空気は重い。
収縮しながら水蒸気は水に変えられる。
変わりながら冷気寒気に冷やされる。
夏は冷気により雨となる。
冬は寒気により雪となる。
それは真下に降り注ぐ。
上昇下降気流が生じる、内陸山脈。
大気ご上がり、下がる場所。
雨、雪、雲はその付近に集中する。
ゆえに太守領は、邦全体として晴れ間が多く、少ない日照を遮り難い。
それは邦の大半、平野の話。
内陸山脈付近は真逆となる。
絶え間なく補給される雨雪。
山脈森林の保持力を超える。
だからこそ、水量の多い河。
水圧で枝分かれして多い川。
こうして晴天が多く水に困らない土地柄が生まれた。
それゆえに、北国なのに穀倉地帯。
少ない日照を最大限に生かし。
気温低下が最低限に抑えられ。
豊富な水量が田畑を潤し続けてる。
故にこそ生まれた建築様式。
陽射しが在るなら取り込みたい。
工夫に費やせる富は穀物で稼げる。
寒さを恐れる北国ながら、窓が大きい造り。
寒さを防いで陽光を導く、大きな硝子の窓。
硝子は最新技術であり値段も高く付く。
脆く。
高く。
希少。
そんな硝子窓の普及。
雨雪が少なければ硝子窓のダメージも少ない。
値段が高くつくならば穀物と交易で稼ぐだけ。
製品と生産量が少ないのは需要が少ないから。
需要が先か?
生産が先か?
市場原理が働いた。
結果。
太守領の建築文化は、現在地球の北欧に近くなっていた。
あくまでも上流階級、人口の10%未満の話ではあるが。
現代地球とは違うので文化の普及に歴史的期間はかかる。
古い造りの城館に硝子窓を設えてあるくらい。
人為からの防御を為す外周ではないが。
本丸本館の硝子窓を守っても手遅れだろうし。
ここ数世代の都市文化にも硝子は定着。
あくまでも太守領の話ではあれけれど。
数世代に渡って戦が無かった旧王国の歴史。
世界征服末期に一撃で征服され降伏した国。
圧倒的強者による反抗の可能性が無い統治。
―――――――――平和は硝子産業を守って止まない。
むしろ平和ゆえに逆の価値を強調出来る。
壊れ易さ、という意味での実用性の低さ。
高値ではあるが生産量も在庫も十分ある。
欠損の可能性を織り込み補充修理も可能。
もちろん修理させる処など観せはしない。
実用性を無視しても構わない財力を誇示。
ステータス・シンボルとは非実用性そのもの。
無駄を厭わないからこそ。
余裕を、さりげなく誇示。
選べ選ばれるとはそれだ。
だからこそ迎賓館にはガラス窓が多用されている。
――――――――――怪しい彼女が居るところ。
連行された場所?
招かれた場所?
どんな場所?
・・・・・・・・・・こんな場所。
閉じ込められてはいない。
屋根。
壁。
柱。
基本構造は石造り。
天井。
床。
梁。
石面を観せない。
全てオーク材様の木製。
怪しい彼女にも馴染みがある。
北国太守領、更に北方の木材だ。
木製品の表面は漆の様な塗料で保護。
傷一つ無い磨かれた品。
行き届いた手入れだけでは成らない。
こうした品々は破損を前提としている。
常備されている交換品。
次々と交換出来る腕利きの職人もだ。
街の職人工房から派遣常駐させているのだろう。
硝子だけではなく、おそらくあらゆる職人を。
壁面を少なく留めるのは数々の窓。
天窓。
腰窓。
掃き出し窓。
透明で大きな一枚ガラスを木枠で支える。
透明度は高価な素材。
一枚造りは確かな技。
木枠は安全性を保証。
つまり壊れ易い金貨で窓を覆って魅せる。
鎧戸は収納済。
春雷以外に必要なし。
冬になればガラスに重ねる。
雨風に打たせ磨かせることを含めてガラス窓。
魔法で固定することも出来るが。
あくまでも出来るというだけだ。
魔法の民生利用は進んでいない。
素材に元々ある以上の耐久性を与える魔法。
軍事施設以外には使われていない。
魔法使いの絶対数が少ないから。
金で解決するのは難しかろう。
ステータスという発想が無い、怪しい彼女。
もったいない、とは思う。
物質の消耗を惜しむ文化。
それが彼女の出自に由る。
いや、単純に心地好い空間を壊したくないだけか。
――――――――――固定化させたら宜しかろ。
窓は斜めに開かれている。
春風を遮らぬ様に。
陽光を煌めかす様に。
窓を操る奴隷が彩る様に。
主や客に併せて開閉するのは、通常はメイドや執事の役目。
――――――――――生きた家具と見なされる理由。
ここでは窓役に依らず、奴隷が全てを行う。
・・・・・・・・・・ショールームの様に。
―――――――――実際、奴隷商人の商館なのだが。
客は既に在る家具と比較して選べるだろう。
もちろん、選べるだけの資本を持っているならば、だ。
奴隷は誰にでもは買えない。
売る方以外にギルドの許可は要らないが。
小金を稼いだから奴隷でも買おうか
・・・・・・・・・・有り得ない。
そも奴隷市場にも入れない。
奴隷の資産価値を維持する為。
投げ売り廃棄は有り得ない。
奴隷を運用出来る資本と技術。
それが無ければ売られない。
奴隷商人は大衆、まあ総人口の一割程度の財産持ち、など相手にしない。
彼らでは奴隷から利益を得られず損をするだけ。
そんな連中を相手に手数料だけ稼ぐほと、奴隷商人は安い商いをしない。
面白半分に買われたら、奴隷の価値が下がるから。
飼い方、使い方を知らない奴等が自滅し損をする。
すると奴隷を買うと損をする、と思われかねない。
特権階級ですら多数の見方に影響される。
多数とは、そもそも奴隷に縁がないのだが。
総人口の多数ですらない目に映る多数。
人口比一割程度の都市部財産持ち。
奴隷産業に縁も利害関係も何一つ無い輩の影響力。
・・・・・・・・・・イメージダウンの厄介なところ。
だから特権階級の中から扱い方を知っている相手に売る。
それはしばしば商会や工房であり、邦や氏族なのだが。
市場に通されるのは、そうした相手の支配人やバイヤー。
彼らは市場の奴隷で商人の力を測るが、奴隷は別に診る。
工場制手工業や大規模農園の運営を取り仕切る実務者ら。
ショールームその物を観せられるのは、大貴族や大富豪本人。
それはしばしば奴隷を使う各種事業の所有者でもある。
高い費用から稼ぐ必要が無い。
趣味嗜好で買って扱える方々。
愛玩奴隷を買うのは彼ら彼女。
そして今なら、新しい支配者。
商いの額としては小さいが、利益率が高い。
それだけでも優遇し続ける理由にはなる。
彼らから大商いに繋がることも少なくない。
新しい支配者は商いの形を変えているが。
実際に青龍は大陸各地で奴隷ではなく、奴隷商人の氏族を買い集めている。
ならば青龍支配下の太守領。
太守領にある世界的奴隷市場。
その商館がこうなっているのか。
青龍の敵とも観える魔法使いを連れた不審者が、青龍に征服されたこの邦で、最大の青龍拠点で歓待されている、理由。
まあ歓待といっても歓迎されている訳じゃない。
歓迎されてない、訳でもないが。
互いに挨拶するわけでもされることも別に無い。
だが怪しい彼女は歓待されている。
港街で一、二を争う心地好い宿。
港街で一番偉い権力者のすぐ傍。
港街でもっとも入り込めない所。
青龍に提供された奴隷商人たちの奴隷市場の迎賓館。
其処を好きに使っていいそうな。
制限されないことの恐ろしさよ。
強者の好意を断ることなど出来ない。
此処を拠点に邦を巡ってもよし。
彼の中なら必要な物を用意する。
取引先だと思ってくれてかまわない。
有り難く。
有り得ない。
有るがママ。
それは青龍の命令ではなく、青龍の意志だとか。
怪しい彼女には意味が判らない。
だが、童女には意味が解るとか。
怪しい彼女たちを連行した童女。
童女が監視か護衛か執行人か判らない愚連隊と一緒に立ち去った、後は館に任された。
館の一部たる奴隷たち。
言われずとも部屋を用意する。
怪しい彼女と執事と魔法使い。
三人で続き部屋を三つ。
なるほど命令不要とはこういうことか。
命令は不要。
教えも不要。
疑問は無い。
誰に相談することもなく命じられる前にやり遂げる。
―――――――その責めを嬉々として求めてやまない。
買われたのではなく。
所有されていること。
為て視ると、あの童女。
・・・・・・・・・・青龍の奴隷なのだろう。
この陽気でマスクを付けたアレに
「化粧しない自分を認めていいんだよ」
と言ってあげたい今日この頃。
欧米からは「女性の人権を侵害している」と言われる「女性の身体を隠す習慣」ですが。
……女性にとっての救いなのかもしれませんね。
欠陥を隠せるじゃないですか。
しかも同性全てを巻き添えにして、死なばもろとも。
実際にメリットを得るのは極少数でしょうが。
非難している欧米の女性団体のメイクと何が違うのかと。
実際にメリットを得るのは極少数なのが同じ。
ノーメイクのブスってメイク前提の下地が人外なんだが。
さて、いつもの。
ハロウィーンでしたね。
なんでも渋谷の会場では
「コスプレも乏しく盛り上がりにかけた」
「新宿や池袋に分散した」
「歩き難くは無かった」
だそうな
……B29を竹槍で墜とした国は違う(笑)。
もちろん観測史上最大の人出でした(嗤)。
コスプレはもちろん。
内外の観光客も多数。
お店も活況で路上飲みどころじゃありません。
頭が悪い奴の鳴き声に従わない人間は少なくない、と。
コロナ(笑)対策(嗤)期間は、それ以前と人出が変わらず、路上飲みだけが変化でしたけど。
やっぱり頭が悪い奴の鳴き声に誰が従うのかと。
だから店舗が死屍累々。
頭が悪い輩の鳴き声に従うから
……そりゃ経済が破綻するわけです。
「コロナ対策無視」を看板にした店は助かったのに。
ただ今年の特徴。
コロナ(笑)空騒ぎ(嗤)以前にも増して観測史上最多だけに、頭が極端に悪い輩のせいで危ないことにはなっていました。
頭が悪いから、わざわざ閉鎖エリアやルートを作ったんですね、頭が悪いから。
そりゃ動線を切ってスペースを狭くすれば、人が滞留して密度があがりますよ。
やる前から考えれば誰にでも判ることですが、虫ケラに考えられる訳もなし。
頭が悪い奴を放って置くと人命に関わります。
新型(笑)コロナ対策ゴッコと違って、人死にが出なくて良かったです。
まったくもって頭が悪い癖になんで余計なことをするのか。
義務感がないんですね。
「オマエは頭が悪いんだから瞬き以外するな」
と言っても呼吸してるくらいですから。
そして雇われた売文業者が「自分にはそう観えた」と主張して戦果、いや成果が記録されるわけです。
「死因に新型コロナと書き加えれば補助金が出て後から発覚することはない」
……同じ同じ(笑)。
コイツら何処に行くんでしょうね?
そろそろ使い途も無くなってきましたが、興味本位で見物中。
そんなこんなで更新スケジュールが遅れるかもしれません。