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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十九章「帰郷作戦」

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信じるということ。

【用語】


『通貨』

:第三者間に広く通用する信用のこと。狭義に置いては同様の効力を持つ証文のこと。「通」が広く通用する意味であり「貨」が信用ないし同等の証文と読めば解りやすい。「知らない相手の証文を信用出来る者が保証するから受容する」というのが通貨の基本的なシステム。そう考えれば資産と称して通貨を溜め込み誇示する心理も理解しやすい。




日本政府は幾らでも金を借りられる。

合衆国政府は毎年破産している。


違いが解るかな?


ヒントをあげよう。

「金持ちは喧嘩せず」





【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度領/斥候周回処/???】


怪しい船(スクーナー)

港の警備船(ガレー船)

睨み合わずに話し合う。


――――――――――対峙――――――――――


質問するためには答えを知っていなければならない。


さもなくば応えが正しい(答え)か判らない。

何を応えられても正否が判らねば意味がない。


答えを知っているなら質問する必要はない。


確認が必要なら判っている内に入らない。

確認も必要ないなら質問は無駄だろう。


人の趣味嗜好は勝手ではあるが。

少なくとも異世界では一般的な趣味ではなかった。

その点は地球の先進国とは違う。


問えば与えられる応えを答えと疑わない様に躾られる場所は、異世界には無い。


この点も地球の先進国とは違う。

先進国ではそれを学校と呼んで社会の中核とした。

非先進国の体制はそれを真似る。


皆が同じ言葉を話し同じ動作を繰り返し同じ応えを繰り返せば立派な労働者だ。


もちろん()()()()か立証も論証もされてはいない。


()()()もしかしたら「市民、あなたは幸福ですか?」と問われ続ける社会なのかもしれないが問われていることで御察し。


学校が無くて文蒙率が下がり続けた事例。

学校が無くても趣味として数学が普及した事例。

学校無しに先物取引から家内制手工業までが産み出された事例。


そこに学校を造ったらどうなってしまった?

――――――――――御察しください。


それはむしろ反証となるのだが今のところ異世界は()()()ではなく()()()に向かっているようだ。


()()()港の警備役(ガレー船の船長)は質問などしなかった。


寄港の許可を与えないし、拒否もしない。

尋ねたのは停泊場所を決める為に必要なこと。


怪しい船(スクーナー)側。

港の警備船(ガレー船)側。

記録を読む貴方。


立ち会わなかった者すべてすら、意図が判る。


意図なのだから形にならない。

しても証は立てられない。

――――――――――言葉にせぬ意味。


積み荷は何か?

積む荷は何か?

いつまで居るか?


手間暇かけて危険を犯すのが航海だ。

何もない船はあり得ない。

ならば入港後に大切なのは停泊場所。


荷揚げ。

船積み。

経費。

売上。

その目算の最初は、船の停泊場所次第。


船と港の輸送すべては人の手で行われる。

埠頭と船を結ぶのは舟だ。

貨客は舟に乗り乗せられて海を往復する。

ジャストタイム制はない。


予定は未定な見込みが全て。


引き受け手が決まっていてさえ、すぐに運んではくれない。

曖昧な宛に合わせて金がかかる人を用意すれば無駄だから。


荷揚げした貨物は必ず一時的な滞留場所に納められる。

まずは其処に積み降ろし易いポイントへ移動する。


船は積み降ろしの刻にそのポイントに停泊。

普通は船が入港してから人手が集められる。

当然、埠頭と船を行き来させる舟々も。


長い短いは様々。

距離。

時間。

手間。

制限のみが共通。


有り余っていないからこそ商いになる。

滞留処する倉の手配もその時かもしれない。

限られた刻を過ごせばポイントを明け渡す。


そして船が外洋の影響を受け難いポイントへ移動する。

その範囲で積み降ろしが終らなければ順番待ち繰り返し。


積み降ろしが終るまで続く。

限られた手段を買う金と手間。


利息も付けば、目算も狂う。


船側だけではなく、港も同じ。

港は物流で利益を出してる。


海から降ろし陸へ。

陸から積んで海へ。


流れられるから港が使われる。


人足の日銭。

船乗りの消費。

はした金だ。


積み降ろしの時間は何も生まない、港には。


外洋から船を迎えるガレー船団。

港街のギルドが雇っている。


だから積み降ろし易い様に誘導。

その為に船の荷や予定確認。


商売仲間の共同作業に過ぎない。

最善を尽くせば利益が最大。


同じ利益を求める欲張り同士だ。

駆け引きの余地などはない。


港内で舟が行き来しやすいポイントは限定的。


何を運ぶか。

何処の倉庫か。

何時、運べるか。


船は影響せずとも舟には大きな港内環境変化。


潮風の向きに強弱。

舟の速さや積載量どころか航行可否まで変える。

日当たりや物影陰。

照明無発達の世界では日照時間が作業可能時間。


自然条件の様に周期では読めない人為的変化。


舟を集め易いのは?

人手を集め易いのは?

他の船との兼ね合いは?


常ならば何もかもが連携しながら刻一刻と変わり代わり替わり換わる。


予定外。

時間稼ぎ。

問い合わせ。


それを差配して魅せるのも港の警備役(ガレー船の船長)たちの常。


他より早く知り。

予測予想を装い。

機先を制し説得。


まあ今この刻だけは、港のすべてがガラ空きなのだが。

だが手順は常と同じように行われた。


空いているから何処でも好きに。

――――――――――そう考えないことは、両者が合意、確かめる必要も無く。


港の警備役(ガレー船)

怪しい船(スクーナー)

目に見える(誤魔化す余地が無い)事実確認。


敢えて視るのではなく、観える範囲。


実際に船倉や船室を巡ったりはしないが。

視せろと言われて観せる物に視る価値はない。

積み降ろしの時に港が手配した人足たちが観る。


それで十分だ。

そこに上乗せ。


怪しい彼女が乗って来た怪しい船(スクーナー)は海賊ではない。

怪しい船の船長は、そう申告した。


互いの船長や士官、船乗りが居る前で。

尋ねられていないと知らしめた上で聴かせる。

互いに疑った姿勢は観せない、と示す。


――――――――――今は。

港の警備役(ガレー船の船長)は否定しなかった。

・・・・・・・・・・今は。


不要な対立を避ける。

必要な警戒を煽る。


不測の事態を回避。

これはそういう手順。


なるほどなるほど

――――――――――じゃあ何か?

別に尋ねることも無かった。


怪しい船(スクーナー)

港の警備船(ガレー船)


船乗り同士の雑談。

リアルタイムに。


その日の内に。

夜明けまで。

数日以内。


まとめられ確かめられ記録された。


雑談の形で知らしめられるのは、読めば判る情報。

読む手間を省けば、今後は読まなくなるかも知れない。


先行投資としての宣伝。

それを聴いてやれば、今後はボロを出すかも知れない。

先行投資としての受領。


ちょっとしたプレゼント交換は、他人同士の殺し合いを防ぐ知恵。


物証が()()と示さず誇示される。


港湾使用料の決済手形。

その裏書きから解る。

判らねば利用出来ない。


証券債券の価値を保証するのが裏書き。


裏書きした相手に持ち込めば券は金子になる。

所定の手数料は引かれるが、ほぼ額面通り。

そのままで決算できれば普通は換金せず使う。


手持ちの現金以上の価値を動かせる大商会特有の技。

自己債務の自己保証という錬金術。


足りなくなれば刷ればいい。

裏書き先は保証を得られる。

得られた相手の信用も使う。


リスクを減らした上で大商会は影響(支配)力を広げられる。

支配(影響)される側は威を借り振る舞う。


それが今怪しい船(スクーナー)

港の警備役(ガレー船の船長)()()に乗った。


それは実質、銀行券。

通貨発行券を握ること。

実際に両替商(銀行家)が発行する。


そもそも紙幣とはそういう物だ。


数百年続く商家は珍しくない。

数百年続く王朝は珍しい。

ましてや国家など、一朝一夕。


永続どころか明日の国旗さえ判らない。


異世界だけのことではなく。

多世界共通の人類史。

通貨とは信用。


取引出来る相手でなければならない。


永続性を疑わない世界帝国。

たかだか七十年余りで疑わせなかった。

その帝国には出来ないこと。


隔絶した軍事力を持つから取引に馴染まない。


奪えば済む。

踏み倒せるからだ。

取引を必須とはしていない。


だから帝国は世界を征服していてなお

――――――――――裏書きすることが出来ない。


帝国は軍票を発行。

有力通貨だ。

支配通貨ではなく。


帝国金貨は貴金属として通用している。

・・・・・・・・・・それは通貨(信用)ではないのだ。


もちろん其が通じるのは裏書き元の商売範囲。

営業内容や資産を知らしめている商圏のみ。

名の知られた大商会とて無制限ではない。


地域々には、それぞれ支配的な商会が在るものだ。


証明出来る地域には限度がある。

だから裏書きは重ねられていく。


範囲を出る前に別な裏書きを追加。

その一つが証明出来れば通用する。


それを繰り返せば全世界(帝国)内で信用が使える。

よって裏書きを辿れば何処から来たのか判る訳だ。


それは事実に近い。

それを互いに解る。

それが意味を持つ。


怪しい船(スクーナー)は、とある組合に所属している。

その組合は大陸南西部の港街にある。


名前など意味がない。

港街で知られていない。

それは役に立たない。

一応、控えられただけ。


()()()組合は海運を扱っている。

組合員は一隻以上の船を持つ者だ。


広く海運は富豪の商い。

船は一人で維持出来ない。

海運業は一隻で加われない。


利幅が大きい代わりに経費も多い。

利益が多い代わりにリスクも大きい。

一人一隻一グループでは賄えない。


そもそも端から誰にも相手にされない。

それ以前にやろうなんて思わない。


誰も乗らない。

何も乗せない。


考えるまでもなく保険も担保も契約すら無理だ。


法人や保険。

手形や債券。


地球でも、それらが海運業に原型を持つ理由は、異世界でも同じ。

資本と技術の蓄積あればこそ、莫大な利益を生み出せるのが、船。

ハイリスクを背負い続け、ハイリターンを管理し続けられる集団。


船が何隻く沈んでも損金扱い出来る規模が最低条件。


波まかせ。

風まかせ。

人まかせ。

――――――――――ね~よ。


持ち船が沈んで破産するようじゃ商いではなくギャンブルだ。


一人の船長が一隻の船で母港を持たず定期航路も持たず販路も無しに海を往く

・・・・・・・・・・・・海に関わったことがない今後も永久に関わらないついでに自分で商売を商う可能性も無いサラリーマンのファンタジー。


利幅に意味がない。

利益に意味が付く。


なお単独行の海賊たち、もちろん伝手や背景や縄張りや出稼ぎから帰る母港があります。


・・・・・・・・・・自由とは選択のソレであり牢獄の中にいるのは変わらない。


中にいても快不快はあるし、牢獄を作成する側に回ることも出来るけれど。

――――――――――造ると入る、どちらが好きかは好み次第。



強制収容所や秘密警察が必要なのは失敗しているからだ。

説得に成功していれば反対者は一人もいない。

全員が迷わずに同じ行動(思想)をとれるのがファシズム(全体主義体制)なのだ。

――――――――――アメリカのSF作家。


然ても然ても(さてもさても)

2023年の日本には代用監獄と特捜部が在りますから、幸いにして成功してはいないようです。

ともあれ反対者が一人もいない(意味を理解していない)辺りは説得に成功してはいる様子。


頭痛いですね。


重要なのは人権()()()ではないんですが……むしろ人権に矮小化されたら最悪な辺り、手遅れか。


支配の問題で。


失敗を認識させない全体主義(官僚主義)を前提として人権も何もないって辺り……誰も支配出来てない(共同責任は無責任)のが全体主義(スターリニズム)


狂気の沙汰。


要請一つで誰も責任を負うことなく強制されずに識別マークを付けて、強制もなく外出禁止令が実効を持つ……人類史に類例がありません。


とはいえ。


普通に外出して公園で酒盛りし、普通にマスクを嗤ってうろうろ、普通にコロナ診断を受けに行かない人々も居る訳ですけど。


とはいえ。


くそ暑い最中に自己責任で付けなくてもいいよと言われてなお「付けるな」という責任取りたくない奴らからの命令待ちもいる。


命令したくないから要請。

判断したくないから命令待ち。

責任を負いたく無い者同士のデスマッチ(笑)。


そんなキモい社会は嗤えもしますが、大丈夫?

……わたしが。


狂った動物の角突き合いで殺された、ここ三年ばかりでの犠牲者の仲間入りは御免です。


ということで狂った動物(マスク)を嘲りつつ危険性を見極める為に週末暑い中も外出します。

歩きスマホなんか正常な人間(わたし)なら当たり前に出来るし避けられるのですが、執筆速度は低下気味。


なので更新スケジュールが乱れます。


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