なんかちがう/Allowable error.
『ハーフエルフ』:エルフと人間の間に生まれた混血種族。エルフに似た美しい容姿と不老、不妊、それ以外は人並みの種族。異世界全体としてすべての種族から迫害されている。出会い頭になぶり殺しにされるのが、異世界の常識。
許可があるから?
命じられたから?
罰則があるから?
報奨を得るから?
それで決めるなら人形よね。
人形に出来ることなんて無いわよ?
それを考慮するだけの人間。
人間にやらせたいことが有るわけ♪︎
赦しを請い。
命を軽んじ。
罪を逃れて。
便宜を取り。
為すべきことを為す人。
―――――――――いるかしら?――――――――――
【異世界大陸北東部/占領地中央/太守府/国際連合統治軍拠点/屋上から王の間へと続く回廊/青龍の貴族】
俺たち一行。
珍しく少人数。
王城内だし。
寂しくありません。
王城内でも通常うちの娘たちが全員同行。
軍政拠点以外では、隊員たちが護衛配置。
屋上から司令部までの経路は駐屯地扱い。
王城内国際連合管理地域は国際連合関係者と現地協力者以外立入禁止。
今まで射殺された者が居ないのが凄い。
自動機銃には警告機能が付いてない。
異世界種族は入るなと言えば入らない。
アムネスティ・ガールズの方が危険だったとか。
だから同行出来る者はそれなりに居るのだが。
部下の部下を管理する部下。
坊さんが管理するメイド長が管理するメイド。
二人とも同行してません。
坊さんは一仕事やり遂げ通常業務へ復帰。
やり遂げとは俺に押し付けたということ。
俺にしか出来ないことだから仕方がない。
・・・・・・・・・・って思わせたら勝ちです。
サラリーマンに向いてるな。
仕事は上司と部下に割り振るもの。
自分でやるようじゃ素人だ。
いや本当に俺にしか出来ないんですけどね?
メイド長は不幸な事件で伸びている。
肢体は無傷だが暫くは脱力中だろう。
そしてなにより羞恥心が致命的一撃。
早く復帰させて平静を装わせたらいとおかし。
ちびっ娘たちが介抱中。
実に素晴らしい人選だ。
選んでないから天の配剤。
Colorfulは周りでプライバシー保護。
おっきい娘の肢体は大人サイズ。
周りを囲めば周りから観えない。
今ヘリポートには誰もいないが。
メイド長と支援要員のみ。
王城奉公人は城内に戻って通常業務へ復帰。
うちの部下は一足先に軍政司令部の宿舎へ。
坊さんに同じく役人は怯えたように城内へ。
だからメイド長を索敵監視記録から隠せればいい。
上空の哨戒気球や偵察ユニット。
国際連合管理地域の監視記録機器。
それを遮る様、自然な立位置。
まあ画像だけ防げばいいかな。
温度分布等は非プライバシー。
Colorfulには視界が判る。
人目を気にする種族だからかな。
まさに鉄壁であったとメイド長に直接教えてあげよう。
目下である幼女童女。
目上である淑女魔法使い。
遠慮配慮すべき相手。
お世話のプロフェッショナルが世話されたという事実。
身悶えするだろうな。
プライドにも致命傷。
返上挽回は取り急ぎ。
メイド長の気持ちはよ~~~~く、解ります。
ちびっ娘たちから世話されてる俺。
おっきい娘たちからも気を使われ。
文字通り上げ膳据え膳ですからね。
別に平気です。
――――――――――絶対に可愛がって甘やかして我が儘を言わせて駄々を捏ねさせて魅せます日本のガキどもみたいに!
と言うわけで、特別編成。
うちの娘たちの大半が後から。
Colorfulも初めて別行動。
差別趣味も此の辺りは大丈夫かな。
・・・・・・・・王城内国際連合管理地域だから大丈夫。
何故か先導しているマメシバ。
ゆっくり歩む俺
背中マイナス距離エルフっ娘。
何故か曹長不在。
三人編成って最小単位。
――――――――――何故この編成?
「男がいたら死んじゃうでしょう♪︎」
俺以外、ってニュアンス。
何を勘違いしてるんだか。
いったい何を想定してる。
・・・・・・・・・・マメシバだからいつものことか。
メイド五人衆の部屋に行くだけ。
王城内国際連合管理地域司令部内。
寝顔を他人に観せたくないのか。
―――――――――それなら判るかな、俺は身内扱い。
「わかってますよね♪︎」
覗き見上げるマメシバ。
毎回ちがう上目遣い。
エルフっ娘の耳が動く。
音で判る位でヤバい。
面白いから後で遊ぼう。
さて、俺が把握すべきこと。
そろそろ寝付いてる軍政司令部付のメイド五人衆。
配属はメイド長の肝煎で事情も意図も訊いている。
とある事件で男性恐怖症になった。
とある経過で俺だけは平気らしい。
となれば俺たちの傍が、一番安心。
地球人類は男に含まない、訳ではないがな。
俺の管轄下は例外的な女性比率だ。
軍政部隊こそ男ばっか十五人だが。
元カノやマメシバが何故かいるし。
更にアムネスティ・ガールズ十人。
要は同行者だけで女が12人以上いる。
これだけで男女比は五分五分くらいだ。
更にアムネスティ・ガールズ以外。
娼館の運営にも女性スタッフ多数。
王城内の一角が国際連合認可娼館。
軍政司令部とは別区画なんだけど。
アムネスティ・ガールズは個別に来訪する。
占領地で占領側民間人が遊べる場所ないし。
外出するなら軍政部隊の隊員の同伴が必要。
軍政司令部に居れば外出も思い切りやすい。
しかも美女は女の子が好きだ。
うちの娘で遊びに来ているし。
そらシフト以外のアムネスティ・ガールズ。
とりあえず軍政司令部に入り浸るわな。
他の部隊はそもそも接触しないし。
軍政司令部だけ考えれば良いだろう。
メイド五人衆の活動範囲だけだが。
だから活動範囲を軍政司令部にした訳だけど。
太守領王城軍政司令部限定の現象。
同行する他組織他部隊が女ばかり。
地球人の男女比率は女の方が多い。
異世界種族まで考えると、男女比が1対3位。
女の中で女を口説ける奴は少ない。
何故かそういう傾向が多いようだ。
性犯罪も少数が多数へ、は少ない。
どっちにせよ反逆罪で死刑だけど。
地球の女プラス異世界の女の子ら。
地球人類への反逆が起こるかねぇ。
可能性は極めて小さいが存在する。
そこを見逃す国際連合じゃないが。
だからこそ24時間記録装置装着。
先ずこれで大半のリスクをコントロール。
軍政部隊は異世界種族の中に居る。
異世界住民に関わらない事はない。
なるべく関わらない方向で努力中。
殺されたくなければ殺されない様にしろ。
そも接触機会が無いに等しいけど。
実際にプライベートな接触は無し。
うちの部下に限った話じゃないが。
国際連合関係者のみならず異世界滞在地球人類全て。
地球人類は異世界種族との接触禁止が国際連合。
単なるコミュニケーションすら禁止事項だらけ。
多世界交配について解禁されてるのは俺だけだ。
かと思ったら、異世界側からも解禁。
・・・・・・・・・メイド長が身を挺して教えてくれた。
安全保障委員会の三佐か。
面白半分だろうな。
軍事参謀委員会の三佐か。
半分本気だろうな。
厚生労働委員会の要求か。
異種交配結果確認。
法務委員会の鬩ぎ合いか。
異種族民法改正案。
狩猟やワインみたいなもんで俺には余り関係無い。
・・・・・・・・・・解禁も何も。
だから決まる訳がない。
それで決める訳がない。
ヤって良いか悪いかではなく、ヤるべきかどうか。
――――――――――さておき。
禁止じゃなくても制限は厳しい。
言葉の使い方ひとつで軍法会議。
平和に対する罪。
人道に対する罪。
死刑以外に量刑が無いと証明済。
地球人類の異世界死亡理由上位。
性接触どころか近付くことすら命賭けで忌避している位。
普通は。
一般的には。
多数は。
例外は常にありましたけどね。
開戦が三月一日。
上陸作戦が二月末日。
最初の反逆罪が開戦から半月。
もちろん大虐殺なんかじゃない。
当然、非戦闘員の殺傷じゃない。
非軍事施政の破壊なんて日常。
人類への反逆そーいう意図的なモノじゃない。
大虐殺は嫌だと反逆した事例は無いので一安心。
勝手に異世界住民の争いに関与した馬鹿は居る。
流石に極少数だが反逆の自覚が無いとか不安だ。
弱きを助けて強きを挫く自分だけの判断ってさ。
銃を持って銃を持たない相手を撃ってそれか。
軍令のママに大虐殺した脚で正義の味方ゴッコ。
・・・・・・・・・・訳がわからないよ?
命令や国策なんかどうでも良いが侵略戦争が自分の都合に合うから手伝ってるけど前線は他人に押し付けたいよね押し付けられたけど
――――――――――ってなら判るが、俺だから。
そんな良心と判断に従えない輩も居たんだよな。
・・・・・・・・・・正義の味方以外にも。
だから表向きは戦死扱いになってる輩。
大半が作戦上不要な現地種族との接触。
WHO防疫班により当事者以外も消毒。
もちろん解剖して生体サンプルを採取。
治療を目的としていない医師団による患者を可能な限り延命した状態での作業が続いた。
異世界に居る全地球人類は、24時間記録されてるからね。
それでも反逆が発生したのは、実感が無かったんだろうな。
将官将校を含む貴重な生体標本造りがおこなわれ地球人類全員が背中の刃を認知出来た。
自分たちは虐殺される側である、という認識。
そんな訳で標本が十分集まった辺り、開戦から一ヶ月ほどで不必要な接触は無くなった。
そもそも駐屯地や作戦領域を離れて接触する機会が無いし。
緒戦の攻勢が終わり一段落した後は皆、陣地に籠っている。
そんな訳で、うちの娘たちも安心である。
剣豪エルフっ娘には危険を感じる前に斬れ、って言い聞かせてるし。
自衛隊に限らない陸戦用プロテクターの倒しかた。
・・・・・・・・・・銃以外なら鈍器で撲殺一択。
刀や剣っていうのは金属の棒だからね。
・・・・・・・・・・殴るだけで相当に効きます。
この辺りは異世界、ってか中世の鎧も同じ。
防具の構造に衝撃吸収素材が入ってるのも。
だからエルフっ娘は鎧の倒し方を知ってる。
――――――――――殺せる。
まあ部下を信じてるけどね。
・・・・・・・・・・生きろ。
身の周りに反逆罪を犯した陸上自衛隊将官を生かしたままバラした将校が、うろちょろしてるし。
※第二章「東征/魔法戦争」第28話〈修羅場〉など。
誰もが殺されたくないんだ。
・・・・・・・・・・自分は。
尚、将官複数活け造りは独断だったから討伐されると勘違いし、魔法で再生しながら熔鉱炉的に灼いたり藁束的に斬ったり潰したり大根的に卸したりを観えるように実行しながら暇潰ししてたら、半分に斬って両方魔法で再生したら二人に成るのかな?とか色々と思い付くまま人間の精神って丈夫なんだ狂わないし、とかなんとか学べたそうな。
尚、そのシーンは周りを包囲したフリをして穏便にどっか行ってくれないかと期待して待っていたのに最終的に三佐が来るまで見学させられた部隊により記録されて閲覧可能です。




