魔女っ娘を食べた後/digestif.
【用語】
『バトルロイヤル』
:プロレスの試合形式で多人数(三名以上)総当たり戦のこと。勝利条件は様々だが「最後の独りになるまで終わらない」「攻撃対象に制限が無い」「条件を満たした/満たされた者が脱落する」のが必須条件。負けた者が脱落する。勝った者が離脱する。結果、最強最弱が決まる。攻撃時に対象外の相手に攻撃される危険性が高い。先制すれば選択肢を失い、自分と攻撃対象以外を有利にする。手隙の敵/潜在敵が多い序盤で特に危険。勝つ為に余力がある相手を狙うので、後の先を続けていると周り全員から狙われかねない。リアルタイムで観るより感想戦が面白いと思うんですが如何でしょう。
「子供を見下していませんか?」
子どもは見下ろすものだ
『その心は?』
振り仰ぐ角度だけ大きくなる。
「・・・・・・・・・・」
『大きく果実を実らせて捥いで喰う、と』
「!!」
先ずはナニを想像したのか訊かせてもらおうか。
『自分に正直になれる処方箋と記録装置完備』
「貴女そっちですか!!!!!!!!!!!」
《カタリベに寄るインタビュー/国際連合統治軍軍政司令官と国際連合軍軍医》
【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場/水際から8m海上/青龍の貴族】
「♪︎~~♪︎♪︎~~♪︎♪︎♪︎♪︎」
俺の腕の中でクタった魔女っ娘。
「・・・・・・・・・・すりすりしてる」
「思考を停めて五感だけに集中してますね」
寝てはいないが再起動の気配なし。
「こーたいこーたいこーたい」
「噛みつくあたり聴こえてる?」
俺も命拾いした。
「もってなによもってより殺してるわよね自制心とか理性とか」
「裸パーカー紐ビキニの幼女って社会的に死んでると思います」
子どもに謝罪されたら大人の名誉に関わる。
子どもが自責の念を感じるだけで恥ずかしい。
子どもが自らの責任を取りたがるってこと。
子どもに大人が見限られたって意味だからな。
エルフっ娘が魔女っ娘に謝られたのとは次元が違う。
俺が子どもに謝罪される?
お前みたいな役立たずは要らねーよ、邪魔だから産まれてくんな早く死ねば未熟な子どもの邪魔にはならねーからよ、クソが!って思われてる
・・・・・・・・・・言われてないからセーフ!
言わせる前に黙らせたっていう異見もあるが。
「こっち黙らせて!こっち黙らせて!肢体的に!!」
「女の子たちが我慢してんですからまちましょーよ」
魔女っ娘が俺を悪く思うわけない?
そりゃそうだろう。
思われて当然ならアウト。
思われなくて当然セーフ。
なんて頼りになる格好いいお兄さんだろう!
――――――――――これが日常。
どんなワガママでもお兄さんにはやっていい!
――――――――――これは目標。
いずれ時間の問題ながらまだその時ではない。
それでも俺を責めれば黙らせてあげるものを。
それとは関係なく責めは生じる、俺によって。
俺は悪くないけどね。
誰が悪いかは後程、決めよう。
俺は責めを負うだけ。
なんとか出来るのは俺だもの。
元凶になんとか出来るもんか。
俺は俺から逃げられない。
他人がどうあれ同じこと。
魔女っ娘は悪くないのにな。
・・・・・・・・・・安らかな顔。
「好きな男に見せたくないよね」
「好きな男以外に見れないです」
きっと俺が魔女っ娘には理解させたのだろう。
たぶん、おそらく、なんとか。
正気になってから言い聞かせれば承諾するさ。
「なんでもするよ?どんなことでも!」
「美少女美童女美幼女も容認します?」
まあ何でも承認する娘たちだが。
強要する機会すらない。
拒絶を覚えさせないと。
「やだはやだ!!!」
「拒絶を拒否してますよ」
決して趣味の話ではありません。
お前の責任をとるのは俺だ。
「なにもかも責任とるから!」
「取れるわけじゃないでしょ?」
うちの娘たちが謝るなんて十年早い。
判ったかな?
解ったよね?
わかったな?
「・・・・・・・・・・」
標的、完全に沈黙。
「わからせられてるぅぅuuuu」
「羨ましがらない妬まない恨まない」
落ちたのかな?
いや血管は止めてないが。
動いてるかな?
「うらやま」
「バイタル正常」
くったりしてるが目蓋は開いてる。
希によくある通常動作。
「日に三度以上各五回以上」
「なんだとぉぉぉooo!!!!」
脈動も落ち着つき始めた。
全身や内臓がピクンピクン。
どうするマメシバ医者の出番。
「そっちを片したらこっちを抱いてください」
そっちゆーな。
「Wureeeaaоозёдφυρ!!!!!!!!」
異世界化してやがる。
「撃ち方待て照準維持」
困惑していた、おねいさんずとNo1。
判りやすい事態に対応開始。
泣く子には勝てないが怪獣ならいける。
非常に陸上自衛隊らしい怪獣対応。
国際連合軍だったら撃ってたね。
いつもより余計に殺気だっております。
・・・・・・・・・・・合衆国海兵隊相手の万歳突撃寸前玉砕覚悟完了より殺気起つ。
って、なんぞ?
「「「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」
魔女っ娘以外からの視線が剣呑。
良くある良くあるバトル・ロワイアル寸前。
・・・・・・・・・コップの表面張力を決壊させる最期のひと圧しってこーいう。
元カノとマメシバが殺されるか殺すか?
うちの娘たちが砲煙弾雨下大喧嘩?
魔女っ娘の博愛本能大爆発?
二回目!
俺が口を出す筋合いではない。
「そりゃたいちょーは殺されないでしょうけど女の戦いに移行させて三回目の同士討ちをまた防がないつもりで?」
またゆーな。
「やん!」
「!」
嫌がる魔女っ娘をエルフっ娘に、トス。
「φАχゞφφφφьььwoooooo・・・・・・・・・・あら?」
元カノの手をとる。
「ふぁが」
エルフっ娘が国際標準Gカップに魔女っ娘を収納。
「恋仇潰し」
「まんま?」
流石、国内基準じゃないだけある。
魔女っ娘を一撃で沈黙させる母性。
俺に向けた満面の笑みはオカンたる貫禄。
「女の笑顔」
「こわ」
「だんちょーはい」
「良い女」
「魔法の鏡でしたか?」
「ふぁん」
俺は元カノを抱いた。
筋合いなんぞ知らんのである。
「「「「「「「「む」」」」」」」」
「はい、順番待ちですよ~♪︎」
こういう場合の対処方法。
敢えて言い切ろう。
同士討ちは防げない。
友軍は敵味方の見分けが困難だからな。
始まってからが勝負。
対立構図が観えてから。
口火を切るに決まってる奴の火口を潰す。
躊躇いはあるからね。
最初の一撃で決定。
同士討ちは防げないが、人死には先送り。
躊躇いが無い奴。
余り居ないが必ず居る。
俺の胸で真っ赤になってる女がそれ。
紛争当事者先陣上等。
撃ってから考えるタイプ。
今、生じている同士討ちは管轄権の争い。
おねいさんずの護衛作戦。
なんか俺が指揮権を得た。
そこに突入を成功させてしまった黒旗団。
「自分もです?!」
第13駐屯地有志と軍政部隊。
国際連合特別教導旅団+α。
軍人と軍人、面子を賭けた戦いは既に始まっている。
「女たちと女たちが男の好意を賭けて激闘中、あ、女の子たちもですか」
全員が武装して殺し合いの訓練済み。
「黒錆加工の銃剣とか」
「実包装填試射済みの銃とか」
「国宝に等しいドワーフ刀とか」
「なんでもしたい美幼女の涙とか」
「なんでもするって美女の哀願とか」
だからこそ自制も効く。
「各自が互いの出方を伺って」
だからこそ暴走もある。
「バトル・ロワイアルって先に動いた奴と最後に出遅れた奴が不利ですからねぇ」
だからこそ元カノがポイント。
「想定外を真っ先に潰すのがたいちょー」
だからこそ加わる、もう一つの構図。
「たいちょーに女と来れば年齢度外視」
子どもと大人なら?
「全盛期VS衰退期、だんちょーじゃなくても運命の対決」
俺でも誰でもなんとか出来る何度でも。
「何度も起き続けることに注目ですよ?」
再発を繰り返すが。
元々、殺し合える関係にない。
「せやろか?」
大小。
強弱。
高低。
格差で生じる遠慮と自制。
負ける恥。
勝てる恥。
互いの見栄。
勝っても負けても録なことない。
「戦争が無くならない不思議」
大人は子どもに格好をつける。
子どもは大人に無様を晒さない。
誇りを煽るだけで片がつく。
取り分け傍観者が異性だとね。
男は女の前で見栄を張る。
女は男の前で見映を張る。
虚栄心ほど人間を縛り上げる物はない
・・・・・・・・・・だから恥も外聞も無い奴は最強。
そんな刻、繰り返される愚問。
どっちの味方?
どっちを選ぶ?
アホが
――――――――――選ぶまでもない。
「訊いてどーする確かに愚問」
当然、俺は俺の味方。
「選ばせるから逃げられます」
と言うわけで俺に協力させよう。
「うんうん♪︎」
お願いも交渉も説得もなし。
「そうそう♪︎」
取り敢えず面を貸せや。
「せっかくビキニなのに???????????」
何が?
「抱くの意味が違うと思います!!!!!!!!!!!!!」
其処?
「さきっちょだけ!さきっちょだけ!」
理性を取り戻した元カノ。
俺はそーいうこと言わない。
奥まで一気に複数セット明言。
「痛いイたいイタイ」
字面だけだと凄い。
「暴力はんたーい」
おねいさんずが赤面。
こうなりたくないよね。
皆さん揃って眼そらし。
苛めて構わん女は貴重。
元カノが居て良かったなぁ。