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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十七章「海のほうから」
770/994

魔女っ娘はごはん/finish!

【用語】


『親子』

:血統上の「産み出す」側と「産み出された」側の関係。ないし制度上その関係を模倣したもの。互いに情愛を抱くべし、と定めれ、互いにこれを扶養し合え、と決定され、これが人間の基本である、と教えられ続けていることでお察し。そうならないからこそ定められ決定され教えられつづけるのだ。

……あくまでも先進国という人類の少数派の定義では、だが。なお先進国、日欧米とその影響下にある地球人類は多く見積もって10億程度。非公式を含め80億ほどの地球人類から見てなんていうまでもない。

親子という概念が特異な例外であることは100年以上前から文化人類学のテーマになりつくしていまや古典。

そも先進国も100年前に親子家族が一般的だったかと言う人間がいたら嘘つきか無知。

地中海文明から始まる欧州文明において親子に限りなく遠い何か痕跡があるとしたら、人口の一割未満となる特権階級だけが持つ氏族(血族)組織の一部機能にその痕跡が求められるだろう。

まあ歴史(文書)を記すのは人類史上例外中の例外でしかない特権階級のさらに隅の変わり種だけだから、全人類の大多数に何の関係もない事が「歴史的事実(笑)」になっちゃうんですけど。

一次資料を金科玉条にする歴史学が間違いだらけなのはこの為。いや、そもそも考えれば判るんですけどね。断片データを現代の常識にこじつけて再現しても辻褄が合わない。「そんな仕組みが成り立つのか?」と問えば判る。思考力が無い人間が糊塗するためにすがりつくのが歴史資料(笑)。

歴史書には辻褄が合わないことが多く辻褄が合うように考えると空白が推測できる。

すると歴史教科書を書いてる奴って……。




盗人は誰もが盗人に観える。


―――――――――他人は自分の延長でしかない。


自分が欲しい者は世界の誰もが欲しがる。

自分が嫌いな者は世界の誰もが嫌ってる。

自分に観えている者は誰にもそう観える。


恋は盲目とは言ったもの。


・・・・・・・・・・笑窪(えくぼ)笑窪(えくぼ)痘痕(あばた)に非ず。


欲目。

贔屓目。

掛け値なし。


ならば?

恋する乙女に全ての女は何者に観えているのだろうか?





【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場(プライベートビーチ)/水際から8m海上/青龍の貴族】


俺は謳うように撫でる。


「――――――――――!」


猫と子どもで遊んでると時をわすれますね。


いつものいつもの。

肌を傷付けない程度に軽く。

骨を軋ませない程度に強く。

蕎麦粉を捏ねる様。


「ぅんぁんぉぁん」


嬢や良い娘だ寝んねしな

・・・・・・・・・・っていかんいかん。

歌いそうになった。


まだ五月の北国(聖都)


暖流で水温は高いが風は涼しい。

戸外で昼寝に海辺水着はないだろう。

全力水遊びしてれば調度よいが。


ずっと泳ぐと夏でも低体温症で死にます。


熱伝導率が高いからね。

海水と大気じゃ桁が違う。

水中の方が体温を奪われる。


熱総量(体積)が少ない子どもは余り泳がせない。


転がすか、走らせる、

寝かすか、食わせる。

子どもをあやす定番。


おっきい娘は大丈夫だが、ちびっこはそろそろか。


海中から引き(抱き)上げた魔女っ娘。

大人の膝丈が子どもの下半身。

お嬢はこちらへ、視線で頷く。


頼もしい、ちっちゃい姉さん。


いやまあ抱くと同じなんですけどね。

口唇を噛んでるけど、魔女っ娘(ちっちゃい妹)優先。

その姿勢は尊いと思いますいません。


順番待ちが生じないのも、お嬢のおかげ。


ちびっこ(お嬢)が率先して我慢してるから。

Colorful(おっきな娘)たちも待機。

中腰からスターティングポジション。


クラウチングスタートをキメ無いだけましか。

・・・・・・・・・・いやまだ位置に(on your)付いた( marks.)だけ?


用意(Set.)が掛かったら腰を静止

――――――――――するわけ無いかフライング上等。


保護者(大人)不足がより悪化。

・・・・・・・・・・そりゃ俺に注目するわけだよな。


俺が抱いてるから魔女っ娘は大丈夫。

――――――――――安心すれば遊んでほしくもなる。


騒ぎが始まって三分弱。

余り時間はない。

子どもの分は大人の年。


魔女っ娘の瞳を確かめる。


「♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎」


焦点が合ってない。

心象風景だけ認識。

まったく問題ない。


どうでもよくなってるな。


帰って来れなくなるまで、あと少し

・・・・・・・・・・我に帰る必要ないよね。


よしよしよし。

好きにして良いよ。

むしろしてろ。


ピクッ!

だからといって皆さん肉弾突撃も禁止だ!


「ぃやぅ!♪︎!」

――――――――――再起動。


まだ意志が残ってるな。

魔女っ娘驚異の耐久力。

土俵際までは速かった。


必死に噛み(しがみ)つく意志。


肢体は俺に。

心は意志に。

意識の手前。


チラチラ視てくるのは大人()が評価基準なんだな、善かれ悪しかれ。


善し悪しで行動を決められることは、大変によろしい。

決めてる訳ではなく自分の好悪に反応しているんだが。

―――――――――っていったいどんな意志(好悪)なんだか。


誰も殺させたくない?

誰も否定したくない?

皆を全て肯定したい?


だから殺す(エルフっ娘)殺される(元カノ&マメシバ)に挟まった

・・・・・・・・・・と思ってパニック障害。


びっくりしました。

俺とエルフっ娘が。

魔女っ娘が死ぬと。


さっきは呼吸困難になってからね。


今は

「!ー!!ーー!!!!」

再発したのかな?


よーし、よ~し。

こういう時は顎下を撫で上げる。


喉を鳴らす。

耳元を奏でる。

頤をのばす。


胸を掌で圧迫振動。


「ぁふゃみゅ♪︎」

救命救急動作かな。


口元から吐息。

鼻から吸気。


仄かに薫る歯磨き粉

――――――――――だけじゃないな。


匂いで健康と判ります。

臭いがしたら不健康。

匂いは良い匂い。


うちの娘たちは出会った時には健康でした。


もし不健康なら俺が原因だと言い切れるから主治医のマメシバをアイアンクロー。


「~~~~~~~~」


抵抗の意志は感じる。

従順な動きを感じる。

全身に力が入らない。


寝かしつける前に意志を砕く。


頑張るな。

肢体に悪い。

特に俺の。


一眠りすれば忘れるからね。


「はぅぅぃぃ?」

諦めろ。

「いゃぁん」


諦めないような娘に育てた憶えはない!

・・・・・・・・・・全く嘘はないな!


――――――――――育て始めて45日と半分。

意志を擂り潰して意思だけとりだす。


魔女っ娘の加工。

子ども扱いの基本。

応諾どっちかな。


(「だめれぇふ」)

そっか。

だと思った。


甘やかし。

可愛がり。

転がして。

今は何処まで保つのか愉しみだね。


「ぁうぁう?」


頬から鼓動。

――――――――――俺は落ち着いてる。

耳から心音。

――――――――――俺が保証している。

掌指で示す。

――――――――――俺の中にいるから。


「???」


いわゆる母体回帰願望の充足。

母体じゃないから胎児扱い。

俺の大きさを押し付ける。


「ん♪︎」


物理的に委ねさせる。

心を肢体で牽き摺り込む。

安全から安心を導いて安定へ。


精神は肉体を凌駕する?


非科学的な期待と願望。

持たざる物は願う者。

願いは計画に逆らう物。


さあ!

挫けよう!

諦めよう!

逆らおう!

うん!


「ぅ♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎」


精神は肉体に宿る。

文字通り間借りしてる。

肉体は精神を支配する。

エルフっ娘には出来ること。


むしろ母性(きょにゅう)アピールは効果的。

正統派の子守に理想的です。


今回は俺と役割分担。

君が脅して俺が宥める。


初めての共同作業がコレ。

初めての共同責任がコレ。


周りの武装集団を宥める、筈だった。

魔女っ娘をあやす、筈じゃなかった。


魔女っ娘の本能

魔女っ娘の行動。

――――――――――今後の魔女っ娘研究が待たれる。


フリーズしたエルフっ娘の代打俺。

()のメリットを生かす刻。

魔女っ娘の信頼熱い、俺の大きさ。


「や、ふ、ませ、ひょっとだけ」


小さな娘を安心させる簡単な方法。

――――――――――より強く激しく壊さない程度。


「~~~~~~~~~~♪︎」


遮蔽物()の陰だから落ち着けるよね。

力強さは味方ならではの攻撃力。

子どもを安心させる簡単な方法。

お前は殺す側だから安心なんだ。

動物全般に通じるので犬猫にもお試しあれ。


「!♪︎!―!―――♪︎――――♪︎――――――――――――」


モールス信号なら読めるんだが。

子どもの反応なら判るからな。

困って悦んで遠慮してる。


よし、つぶそう。

「!!!!!!!!!!!!!!!」


遠慮。

配慮。

自重。

大丈夫だって

・・・・・・・・・・ブレーキは大人がやるからアクセル一杯!


「――――――――――」


信頼関係があればこそ。

被さる姿が屋根になる。

囲う身体が家に感じる。


逆ならば?


振り翳された鎚。

監視された檻。

不信と猜疑。


俺の周りには存在しない。


子どもと動物と老人。

三種類からの信頼感。

異世界でも今、発揮。


男であることを生かした子守方法。


丈夫で長持ち盾であり矛。

本能的な識別認知思い込み。

個体確認スキップを強制。

父性と名付ける向きもある。


動物や人間の多数派に親子の概念がないにしても、先進国居住者には判りやすい。


判りやすいと解った気にできる。

これ重要。

解るのは一生かけてやればよい。


魔女っ娘、異世界の特権階級。

先進国、地球人類の特権階級。


狙った誤解を創り易い、筈、っていうのが国際連合統治軍マニュアルに書いてあったから実戦する嵌めになるとはな。


魔女っ娘の一番、いや唯一の男は俺だけ

・・・・・・・・・・お父さん殺されちゃったしね。


滅びた王国の元宮廷魔術師。

帝国侵攻時には引退してた。

だから戦わないで済んだが。


可愛い可愛い魔女っ娘を置いて。

――――――――――死刑――――――――――

竜に喰わされたんだってから、想像拒否。


魔女っ娘の啜り泣き。

悦びしか感じられん。

呼吸も穏やになった。


効果は覿面だ!

・・・・・・・・・・お父さんと良い関係だったんだな。


父親母親が親を出来ないと、こうはならない。

歳上との関係が崩れるからな。

まあ家庭を前提とした社会では、だけれども。


アレ?

先進国以外じゃ関係ない?


PKO研修でも習ったしな。

先進国の常識は人類の非常識。


人類の大半は途上国か後進地域在住。

日本だって百年前はそんなもんたから。


うちの娘たちは異世界の特権階級。

比較的、地球の先進国に近い筈。


今夜からもうちょい個人的な話に踏み込んでみよう。


一過性の関係、の筈だったけど。

45日を待たずに計画変更。


――――――――――地球人類と一蓮托生。

俺がしちゃったんだから仕方がない。


本格的に人生を決めてしまおう。

エルフ生魔法使い生ハーフエルフ生も。


苦情は全部、俺まで。

出来るだけ対処可能な人間を紹介しよう。

苦情を言える関係創り。


大人との関係が創りやすいのは?


エルフっ娘

――――――――――は家出娘だったか。

お嬢

・・・・・・・・・・お父さんに憎まれてる俺。

魔女っ娘

―――――――――は俺たちに近い家族観がありそう。


だから巧くいったのかな?


「逝ってるイってる逝きっぱ!」

「ナニもかも投げ棄てますね?」


天国がない世界の、魔女っ娘の御父さん!

観せてあげたかった。

娘さん(魔女っ娘)の安らかな表情。


「あんなかおしてないわよね?」

「繕う余地がない自然な姿ですね?」

「他人に観られたら殺す」

「観たことないから安心してます?」

「あいつに観られて死にたい」

「真っ最中なんかあんなもんでは?」


ミッションコンプリート!


「どゆこと!!!!!!!」

「ボーナスタイムです」


なし崩しに撤廃されていくコロナ対策(笑)。


説明なんかありません。

風聞はありますが


……新型とやらいうコロナについては「らしい」「ようだ」「と言われている」ばかりでしたね、そう言えば。


最新型か何型か知らねど「前のより重症にならないようだ」そうで。


どのコロナ?

常に変異し続けるコロナ型ウィルスの中のどれ?

そも最初っから全数把握なんか推計すら不可能なのに新型新新型他の何を比べるって?


訊くだけ野暮ってだけは判るけど、野暮なんて言葉を馬鹿は知らないから訊かなきゃ。


コロナ対策撤廃が決まりさえすれば、追及の時間だ!

せいぜいコロナ馬鹿と追従者を嗤ってあげないと!

また馬鹿を繰り返すんでしょうけど馬鹿だから!


だからこそ、嘲ってあげないといけません。


めんどくさいけど、馬鹿自身の為に「お前は馬鹿だからマスクなんかしてんだぞ」って教えてあげましょう。


もちろん日本語は通じません。

頭が悪いですから。

たから観せてあげるんですね。

頭が悪いですから。

馬鹿に馬鹿だと自覚させる為。


間違いを糺すためには、正しさを観せること。


正せませんよ?

頭が悪い奴に間違い以外の振る舞いは出来ません。

糺すだけです。


ここ何年かの日常。


致し方なくコロナ対策を破って邪魔して出歩きます。

彼らが産まれてしまったことに気がつけるように。

呼吸してしまっていることが判るように。


……猿には出来ても馬鹿には反省は無理なので、ちゃんと止めないでしょうが。


そんな訳で忙しく、更新が遅れます。


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