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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第二章「東征/魔法戦争」

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51/996

異なる世界の同じ街

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします

一人称部分の視点変更時には【該当人物の位置】で区切ります。

最初の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。姉貴分。四日前から奴隷ではなくなった。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。人間種。魔法使い。太守府現地代表。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢》

現地側呼称《妹分/ちいねえ様》

12歳/女性

:異世界人。人間種。大商人の愛娘。



【登場人物/三人称】


地球側呼称《神父》

現地側呼称《道化》

?歳/男性

:合衆国海兵隊少尉。国連軍軍政監察官。カトリック神父。解放の神学を奉じる。



地球側呼称《曹長》

現地側呼称《騎士長》

?歳/男性

:国際連合軍/陸上自衛隊曹長。



地球側呼称《坊さん/係長》

現地側呼称《僧侶》

?歳/男性

:国際連合出向中地方公務員。得度した僧侶。浄土宗らしい。軍政司令部文官。



地球側呼称《元カノ/団長/だんちょー/一尉/一尉殿》

現地側呼称《青龍の女将軍/団長/主》

?歳/女性

:国際連合軍大尉/陸上自衛隊一尉。国際連合軍独立教導旅団団長。副官の三尉がキラキラネームの本名をかたくなに拒み「ハナコ」自称しているが勝手に「マメシバ」とあだ名をつけて呼んでいる。



地球側呼称《頭目/お母さん》

現地側呼称《頭目》

?歳/女性

:太守府の有力都市、港街の裏を取り仕切る盗賊ギルドのボス。昔エルフと恋に落ち、ハーフエルフの愛娘がいる。



【用語】


『青龍』:地球人に対する異世界人の呼び名。国際連合旗を見て「青地に白抜きでかたどった《星をのみほす龍の意匠》」と認識されたために生まれた呼称らしい。


『赤龍』『帝国』:地球人と戦う異世界の世界帝国。飛龍と土竜の竜騎兵と魔法使いを組み合わせた征服国家。70年ほどかけてユーラシア大陸に匹敵する面積を持つ大陸の東半分を征服した。特段差別的な国家ではないが、エルフという種族を絶滅させる政策を進めている。


『太守府』:帝国の行政区分をそのまま国連軍が引き継いだ呼び名。領地全体の呼び名と中枢が置かれる首府の呼び名を兼ねる。帝国ではおおむね直径60km程度を目安に社会的経済的につながりが深い地域で構成する。南北が森林、西は山脈、東は大海で大陸のほかの地域からは孤立している。ただし、穀倉地帯であり海路につながっているために領地としての価値は高い。10年前までは古い王国があり帝国に滅ぼされた。


『参事会』:太守府を実質的に支配する大商人たちの集まり。


『港街』:太守府の最大貿易港。領内で首府に匹敵する価値を持つ。盗賊ギルド、貿易商(船主)、参事会がしのぎを削る。


『盗賊ギルド』:港町の利権を牛耳る最大勢力。ヤクザ。


『シスターズ』:エルフっ子、お嬢、魔女っ子の血縁がない三姉妹をひとまとめにした呼称。頭目の愛娘を加えるときは「+1」とか「+α」などとつける。


『Colorful』:ハーフエルフの最高級愛玩奴隷たち。髪の色がいろいろなために神父により命名。前領主(帝国太守)が奴隷商人に発注し、引渡し前に戦争開始。占領軍の太守資産接収に伴い軍政司令官に引き渡された。軍属として雇用契約を結んでいるので日本の労働法が適用される。


『ハーフエルフ』:エルフと人間の間に生まれた混血種族。エルフに似た美しい容姿と不老、不妊、それ以外は人並みの種族。異世界全体として迫害される。




ファンタジーでは暴力描写がよくある。

別にそれについて何か言いたい訳じゃない。


だが、ファンタジー特有の表現ってあるよな?


まあ、いろいろあるだろう。

俺が真っ先に思いつくのは『女が男を殴る』パターンだ。


繰り返すが、現実についてじゃない。

DVドメスティックバイオレンスで男が殴り殺される、なんて話じゃなくて、あれだ、表現技法のヤツ。

無礼失礼への報復だったり、八つ当たりや照れ隠し。


まあ、痴話喧嘩の延長と笑って見るべきだろう。


よくあるパターンだと、

・・・・・・・・・いわゆるラッキースケベ、そして報復なんかだろうか。


だが、表現が行き過ぎやらなんやらで、嫌悪感を感じる向きもある、と聞く。


不可抗力へ謝罪を求めるどころかいきなり殴る、とかどうよ?

わかる。

もっともだ。

ファンタジーでも感情移入すれば嫌な気もするわな。


だが。だが。だがしかし。


俺はそれでいいと思う。

思った。


しのごの言わずに殴る。殴って終わりにする。

こういう男気に溢れた作法は、女から男でも有効にすべきじゃないだろうか?




【太守府/港湾都市/埠頭中央/軍政司令部/指揮軽装甲車上】


俺がいるのは書籍の前。

今、部隊大半は地元の皆さん(商人船主)の協力を得て『太守資産接収作戦』中。


作戦?

いや、作業なんだけど、公式文書にはそう書いてある。


作業は順調に進展。

まあ、初日だけに準備とテストで終わる。


地元協力者にスキャナーの使い方を教え、試してもらい、修正して、慣れる。


明日になれば、習熟した協力者から地元協力者の皆々様に指導を任せる過程を補佐する。

一~二日目が一番大変なのだ。

俺たちが。


いやこれは早いほう。

普通なら三~四日。完全に作業サイクルが回りだすのに一週間かな。

いずれにせよ大変なのはスタートダッシュ。


まあ、それ以降は管理にまわる俺たちより、ずっと大変な地元の皆さんがさらに大変なので、頭が下がる思い

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・実際には下げないよ。


禁止されている。


感謝と謝罪は必須だが、なんか、簡単に言うと『上から目線』が大切らしい。


三佐に言わせると


『それが出来ない奴は現地人と接触させない』


らしい。わからんけど。


わからないままやってるから『ありがと』って言いかけて、止め、一呼吸置いて言う羽目になる。

顔が強張る強張る。


『ありがとう』


を考えて言うのは初めてだよ。だが舐めてはかかれない。仕事だから。っていうか、任務だから。っていうか、命がけだから!


『現地人と友達感覚で接するバカは出島の収容所送り』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ


『勝手に接したあげく方針に反した』


じゃ軍法会議ものだが。



収容所は国連軍刑務所。

日本列島をパンデミック対策で隔離する為に、派遣軍内の犯罪者を本土送還する訳にはいかない。


もっと単純な非接触命令違反は不名誉除隊。

日本帰国許可まで軍属として出島限定労役。


なら、命無事じゃんって?


接触の形によってはWHO送り。

例によって例のごとく、火炎放射器とナパーム、化学戦(対化学戦じゃないからな?)装備に身を固めた


『治療を目的としない経験豊富な医師団』


・・・・・・・・・・・つまり、三佐の子飼いであり、国際連合軍事参謀委員会がWHOの看板でやりたいホ~だいな戦闘部隊に引き渡される。

もちろん、怖いのはそれだけじゃない。



まことしやかに囁かれるのは『平和に対する罪』で一個中隊が銃殺にされた、なんて話。


『平和に対する罪』

『人道に対する罪』


これは国連決議違反に対して国連総会、つまり人類の総意 (ということになっている)が定めた罪。

そんな免罪不能な罪を犯した経緯は簡単だ。



あるところに一個中隊がいた。彼らは犯罪を犯した。


襲われていた難民を救助。


はいっ!


『現地不介入』


を定めた


『国際連合第11回緊急特別総会8号決議』


違反当確。

撃退時に襲撃側を攻撃した事はどうなるか。


殺人罪:死刑又は無期若しくは5年以上の懲役

傷害罪:15年以下の懲役又は50万円以下の罰金

発射罪:拳銃等の発射 - 無期又は3年以上の有期懲役


当たり前だが、軍令違反時の行いはすべて刑法の対象になる。難民を救った中隊はさらに罪を

・・・・・そうって悪ければ犯罪を重ねた。


襲撃側が確保した元難民を救出すれば、強盗罪:5年以上の有期懲役。

現地の習慣で、対抗出来なかった被略奪側の身体資産は略奪側の所有物と見なされるため。


ちなみに、量刑は参考にもならない。

国際連合軍特別軍法では軍令違反が死刑しかない。

どれか一つで死刑確定。


結果。

全部含めて中隊全員処刑。



・・・・・・・・・・まあ


『彼らは国連活動に向いてなかったんだね』


としか言いようがない。


異世界転移前でも


『難民キャンプのゲートから1m先で虐殺が行われても手が出せないPKO部隊』

『暴動略奪中の街にいながら自衛以外出来ない(当然、暴徒は青いヘルメットには襲いかからない)』


なんて話は国連PKOあるあるネタ。


『民家を襲う野盗を撃退したと思ったら、武装勢力同士の戦闘で危うくPKFを破綻させかけた(もちろん撃退を指揮した将校は軍法会議で終身刑)』


はさすがに稀。

そこまで自制が効かない軍人は少数派だし、異世界転移前は派遣人員を各国とも精鋭でまとめられたからだ。



今は、そうはいかない。


『戦争は質より数だからしかたないわね(by三佐)』


なのでファンタスティックでドリーマーなそこらのニーチャンレベルな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えーと、兵隊に向かない自衛官も派遣されてるわけで。


国家から与えられた近代兵器を自分の力と勘違いしてしまうわけで。

義務教育を寝過ごしたから、アメリカナイズされた現代日本の倫理と良識が絶対と、妄想に閉じこもってしまう訳で。(一応、派遣前教育はあるが、素養的に身につかなかったんだろう)


運悪く訪れたヒーローチャンス、運悪く溢れた行動力、運悪く不在な常識的同僚部下。


可哀想ではある。


彼らの常識に従って動いたら突然殺された現地人。

助けた側に感謝され英雄気分でいたら、連行され糾弾され部下と共に処刑される自衛官、いや、軍籍剥奪済みで元自衛官、か。


ああ、もちろん、一番悲惨なのは助けられたように誤解させられた側。

皆殺しだ。


生かしておけば、国連軍が彼らの味方になってしまうから。

ただ追い出せば風聞を生むから、処分されるだろう。


『私たちは国連軍に助けられた!ありがとう!!』

なんぞと言わせるわけにはいかない。



戦争中の軍隊が全く関係ない争いに関与する訳がない。

戦争中じゃなくても是非やめて欲しいが。


援けた彼ら、助けられた彼ら、襲った彼ら。

一人残らず破滅した。



誰も彼もを破滅させた中隊長。


きっと悪い奴じゃないんだろう。

日本の外に出るのに向いていなかっただけ。


俺みたいに屁理屈をこね、現地の子どもをだまくらかして、代表としての責任を負わせた挙句、なんだかんだと現地に干渉する悪知恵がなかった。


まあ、関係ない俺から言えるのは


『その自衛官が派遣されたのがゴラン高原じゃなくて良かった』


とか。

ここが異世界じゃなきゃごまかしは効かない。


『日本が誰某の勢力に宣戦』


って瞬く間に世界中に知られる。

第X次中東戦争に日本が、俺が巻き込まれるところだ。


そのバカ・・・・・・・・・っていうのは可哀想だが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・哀れなる痴人のせいで。

可哀想って思えるのも、三佐や軍事参謀委員会が素早く始末して、俺に被害が回ってこないからこその余裕だ。


俺が、そいつと隣で肩を並べていたら、やらかす前に射殺してるだろうな。




【太守府/港湾都市/埠頭中央/青龍の土竜正面】


あたしが戻ってくると、まあ頭目もだけど、青龍の貴族は書物を読んでいた。


巻物じやなくて折本。


土竜の上で寝転がり、彼がいつも開いている『でぃすぷれい』ではなく、皮紙を綴った書物をめくっている。

紙なんて高級品を使ってないから、公文書や記録じゃ、ない?そーっと、近づいて、見上げる。


『白騎士物語』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・白騎士物語、ね。


いわゆる、御伽噺、というか、帝国以前の諸王国時代を舞台にした、なんというか、一人の身分不明な騎士が闘いと恋を重ね国を救い、英雄として何故か立ち去る・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・妹分が好きな御伽噺。


騎士を助ける職人の娘との恋が素敵なのだとか何とか。


あたしにはやたらと人物描写が細かく(賞賛と賛美が中心)、敵役が薄く(罵倒と不運が中心)、背景がない(場所を特定されたくないのかも)のが印象的だった。




【太守府/港湾都市/埠頭中央/軍政司令部/指揮軽装甲車上】


俺が気が付くと、エルフっ子と頭目が戻っていた。

特に用ではないらしい。


俺が身を起こして向き直る前に、軽装甲車(指揮車verで通信機能充実)に手をかける頭目。


手を貸して引き上げ抱き留める。

ちょっと無理している感じだな。

いや、高さや運動能力云々ではなく、軽装甲車自体を怖がっているような。

車やヘリはゴーレム扱いだったか。


エルフっ子はあっさりと跳び上がる。

ワンステップでドヤ顔。


なんか、可愛いな。はは。


どうした『くーるびゅーてぃ』!どうしたシスターズ最年長!こうしてみると年相応、って、256歳だったか。


半身を起こした俺の傍らに立つ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・のは、止めた方がいい。




【太守府/港湾都市/埠頭中央/青龍の土竜上/青龍の貴族正面】


あたしの目の前で頭目は青龍の貴族に抱きついた。

ううん、目の前じゃない方がダメだけど、決して良い訳じゃない。


青龍の貴族は、あたしにも目を向けた。

手を差し出される前に跳び上がった。


こういうのは人間に真似できないでしょう。

決して、青龍の貴族に手を貸されるのが嫌だった訳じゃない。


なのに、あの、なぜ、彼の手を取るのが嫌だったのかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そっか。


頭目を

・・・・・・・・・・・・頭目の胸を

・・・・・・・・・・・・・・抱き留めた手を見て、腹が立つ、って事も無いけど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっとだけ、思わず。


なによ?

頭目。


「愉しませるのは役目ではない、のだから、意志表示かしら?」


愉しいのは、あんただけでしょう!頭目!


「今夜は、私もドレスを披露いたしますわ。もちろん、肢体の内側もすべて」


ちょ――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――――――――――――


「アレでは足りませんでしょう?」


なにを指差してんのよ!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――あ。




【太守府/港湾都市/埠頭中央/軍政司令部/指揮軽装甲車上】


俺が悪いのかな~~~~~~~~~~いやね、判るよ?

紳士ならね、すぐに目を逸らすべきだったよ、うん。


ニュータイプなら見る前に顔を逸らす事が出来たかもしれない。

でもニュータイプじゃないし

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すいません、紳士じゃありませんでした。



赤いキャミソール、ミニドレス。

脚の付け根に迫る赤いロングブーツは絶対領域を形成。

半身を起こした俺の傍らで八頭身長身エルフ美少女が仁王立ち。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生涯忘れません。


忘れるべきでも忘れません。

あえて言います。

忘れられないんじゃなくて、忘れません。

俺の意志は変わりません。

ブレません。


断じて!!!!!!!!!!


たとえエルフっ子が女の子座りで耳が垂れ涙目で周りをキョロキョロ見回していようと俺が悪かった忘れます努力します調子にのってましたフィクションと違いパ○チラ(ちら?)だけでダメージを受ける女性がいらっしゃることを失念しておりました!!!!!!!!!!



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見えた?」


なにをいわせようとシテラッシャイマスカアナタ!!!!!!!!!!

オレノアタマハマッシロニナッタ。




【太守府/港湾都市/埠頭中央/青龍の土竜上/青龍の貴族正面】


「見た」


!!!!!!!!!!


「ご領主様、違いますわ」


??????????


「この娘は『見た?』ではなく『見えたか?』と怯えております」

「見えたが」


!!!!!!!!!!


「貴男様以外が見てしまっただろうか、貴男以外の男性が見ただろうか、と」


??????????


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見えてないな」


あたしは意識が真っ白だった。


「ここは陣形の中心だ。黒旗団は離れているし、神父もいない。ベレーのカメラは水平だ。近くにいるのは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・女の子ばかりだな」


だよね!!

女ばっかりだよね!!!

なんでかしらね!フンッ!!


ってか頭目!!

なに喜んでんの!!!

貴女は『女の子』じゃないから!!!!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――あれ?


頭目が睨んできた?にこやかに怒った!


「ご領主様だけは、ハッキリと御覧でしたね。いつでも思い出せるくらいに」

「そうだな」


何を聞いて何を答えてるのよ!!!!!!!!!!


「殿方にはお愉しいでしょう」


どこまでいく気!


「でもない」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――


「やはり、見るだけでは、と仰る?」

「言わないだけだ」


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




【太守府/港湾都市/埠頭中央/軍政司令部/指揮軽装甲車上】


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――俺。

なにを話してましたか???

腹話術人形状態????????


茹で蛸状態のエルフっ子。

頭目と一緒に大人のセクハラジョーク

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・純情な女の子(256歳)に致命傷。


『男の本音はセクハラに他ならない』


今更だけど!けどさ!!すううごく!オヤジネタでやらかしちゃったよ!!!いやね?これでも恰好をつけたいほうでね?見栄があるんだよ?大人の男にはいろいろね???

どうする!

考えろ!


エルフっ子は俺の上着を頭から被って震えてる

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ハイ!アウトーーー!!


ヤバいか?

え、大丈夫?

頭目が言うなら大丈夫か。

ここは戦略的転進・・・無理。


気まずいが、さりげなく移動も出来ん。


エルフっ子が俺のシャツ、その襟をつかんでいる。


えーと、まあ、移動はどっちにしろ出来ないが。


俺が女子校の引率状態な理由。

Colorfulは本来、事務作業を命じるつもりだった。


が、方針転換。


思った以上にハーフエルフの状況は危険だ。

保護者がいないと襲われるってどんな・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・あったね、地球でも、普通に。


見通しが効かない倉庫街で現地人に混ざって作業させる訳にはいかない。


その為のパレード、その為の青ベレー、その為の制服。


効果は広がっている、みたいだ。

だがしかし、まだ足りない。

少なくとも今日は。

誰かが常に側にいないと危険だ。


隊員達は接収作戦の主力で外せない。

指導と警戒を兼ね倉庫街で活動させる最低人数。

これを減らす事は出来ない。


曹長は隊員達を指揮しフォロー出来る唯一の人間。

外せる訳がない。


坊さんは役人のフォロー中だし、現地有力者と折衝中でソレどころじゃない。


神父は論外。

あのテロリストの方が危険だ。

Colorfulみたいな子どもを預けられる訳がない。


かくして、俺。


特に走り回る必要がなく(仕事が無い訳じゃない)、

むしろ一カ所にいて問題なく(デスクワークなだけ)、

彼女たちの面倒に集中出来る(暇なのは手順が決まっているから)、


つまり俺。


まあ、アレだよ。

軍隊ってね、予備戦力が死命を決するからね?


司令官が常に問題に対処できるって大切だよね?


いや

『そんな豆腐メンタルでニートが務まるか!!!!!!!!!!』

って?


それな。

やっぱり、俺も思ったよ。


男が偉業に挑む時!必ず邪魔になるのは女だ!かっこつけちゃうんだよ!これが!特に女の子は拙い!男の格好付けと大人の見栄が止まらない!!!


だが!まだ終わらんよ!まだ!




【太守府/港湾都市/埠頭中央/青龍の土竜正面】


わたくしたちは、とてもとても大切な会合を終えました。


そして戻ってくると・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・ねえ様?何をしてますの?


ご領主様の服に包まれて、幸せそうな・・・・・・・・・??

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人前で!

それはちょっと!!

人知れず深呼吸するくらいに!!!

お気をしっかり!!


わたくしたちみたいに遠慮なくご領主様に抱きついていらっしゃれば!!!!

こんな事には!!!!!

どうしましょう?ねえ様だって、わたくしたちにこの姿を見せたいはずが・・・・・・・・・・・・・・・


いえいえ、ここは声をかけるよりも優先すべきことが


「ねえ様?どうしましたか?」


あの娘を止められませんでした!!!!!

不出来な妹をお赦しください!!!



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