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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十二章「男と女と大人と子ども」
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笑い/ 呵い/嗤い

【登場人物/三人称】


地球側呼称《マッチョ爺さん/インドネシアの老人》

現地側呼称《副長/黒副/おじいさん》

?歳/男性

:インドネシア国家戦略予備軍特務軍曹。国際連合軍少尉。国際連合軍独立教導旅団副長。真面目で善良で人類愛と正義感に満ち満ちた高潔な老人。

その若かりし頃の正しい行いは第35話「素晴らしき哉!人生!!」他、本編各所に掲載。



『合衆国大統領』

:駐日大使、国連大使兼任。

女性初の合衆国軍統合参謀本部議長で次期大統領候補と目されていたが、祖父以来の縁がある日本へ大使として赴任。その際に家族も連れてきている。

異世界転移後、緊急時の継承順位に従い大統領に就任し在日米軍並び領域の軍を掌握。在日合衆国市民の統率者となる。

代々続く軍人の家系。



日本人でなければ、解らなくとも致し方ない。



「誉」

それは

「ただ独り、行いを持って示す」

もの。


では、貴き行いは何だろうか?


何かを得るために行うのではない。

何かを誇示するためでもない。

何も意味がないことであらねばな。


すなわち是。



「馬鹿を嗤う事」


――――――――――殺さずに――――――――――




長靴半島の賢者(マキャベリ)は言う。


「笑うくらいなら殺せ」


とな。

まったく素直な、人間的な考えだ。


ならばこそ嗤う。


相手が銃を持っていればなおいい。

こちらが丸腰なら最高だ。

顔が見えるところで。


なぜ?


馬鹿はただ嗤われるために産まれてきたのだ。

馬鹿が縊死なく生きてきた故はそこにある。

馬鹿は踏みにじられるために来た。


全うさせてあげよう。


悪党が正義に討たれるために。

劣等種が正義に摘まれるために。

愚者が正義のため首をくくる様に。


悪の、劣者の、愚物の、そして馬鹿を寛大な心で受け入れてあげよう。


馬鹿を馬鹿として遇すること。

それはとても勇気が居ることだ。

馬鹿を相手にせねばならない。


その苦痛、「馬鹿を見る」とはそういうことだ。


君が観ずして、誰が観る。

弱き人々に任せようがあるまい。

生じてしまえば戻すのみ。



人として、敢えて行わねば、なるまいよ。



《黒旗団副長/インドネシア国家戦略予備軍下士官/国際連合将校による現地協力者への講話》




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿内/正面入り口直ぐ/青龍の貴族】


気合はいんねぇ~~~~~~~~~~~~~~~!


俺の上。

大質量。

良い感じに不純物が混じった炭酸カルシウム塊。

その岩石。

ヤな感じに耐久力は自重を支えるほどではない。


そして子どもの頭と岩の間にある物は。


とりあえず頭を撫でるふり。

クンクン鼻を鳴らしている娘たち。

掌一つじゃ防御力ゼロだよ。


一応、ブルーメットは背中や腰に下げているが。

自衛隊作業用ヘルメットの国際連合バージョン。

重量的に、小中高程度女子が常に被るのは無理。


旧式の88式鉄帽で、プロテクター全盛の今は旧式。

常に被ると重くて首が痛くなるあたり、まあ旧式だ。

プロテクターは、外殻に支えられてるから平気。


付け方だけ教えて、一番負担にならないもたせ方。

車両内屋内では外させますよ、もちろん。

どーせ破片避け程度にしかならん。


死ぬな。


もちろん俺は余裕に満ち満ちた姿勢で何一つ気に留めることが無いように表情筋を操作し全身全霊をあげた自然な動作で歩き続ける。


でっかい岩の下を。


こういう時は、えーと、あれだ。

国際連合軍の誰もが知ってる非公式最高司令官の言葉から勇気をいただこう。



――――――――――戦って死ね――――――――――

※合衆国大統領閣下の兵士に向けたありがたいお言葉。



遠慮します。

ダメじゃん!!!!!!!!!!

そーいう人だったよ、いう、じゃなくて、言う、人だったよね!!!!!!!!

言われた兵士が感涙に咽びながら鉄拳で気合いを入れられるっていう、ね

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんのプレイ??????????


生還を期せ、とか寝言ふいちゃう自衛隊幹部教育初日の返品新人よりマシだけど。

・・・・・・・・・・・・・・・実在するが、蹴りだした教官により緘口令。

いや、そんな将校モドキがいるなんて、国外に知られたらヤバいからね。


作戦行動前にハブられる。

味方殺しのバカと疑われて。

死なせないで殺せるかっての。


ではなく。

合衆国大統領の御言葉。

あれで俺が知る限り、一番実戦経験が多い。


実戦?

実践?

じっせん??


いやいや妙に迫力がある年齢不詳の美老女に20代筋肉マッチョガイが殴られて昇天する性癖はさて置き。


――――――――自衛隊にはそんな嗜好の隊員は居ません――――――――――

たぶん。

おそらく。

三佐の回りは除外。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺は常に気合が入っているから問題なし。


気合を入れていただかなくて結構です。

拳とか、精神注入棒とか、平手は在りかも知れないと考えたのは気の迷いです。


女の前で気合が入らない男がいるだろうか?

いる?

それ男じゃないから一緒にしないでくれる?


もーちょっと、参考になる、ありがたーい、お言葉はないか。


〈リスクはコストに過ぎない。ゼロにできてもしてやらん〉

〈リスクを負わないのは死体だけだ

 ――――――――――殺してやるぼど優しいと思うな〉

〈喜んで死ぬ価値がない世界に生きるんじゃない〉

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えーと。


性格の不一致が検出されました。

どーします?


俺の周り。

バンザーイしそうなほど動作が大きい、ちびっ子二人。


魔女っ娘は俺の制服、その裾を掴みながら。

上、左右、前。

首を傾げ、後ずさりして、前のめりになり、肢体を左右に傾けて。

はて?

―――――――――――――――――――――――――――――何もない空間を、繰り返し繰り返し。


なんか。

あれ。

あるじゃん。


猫や犬が人に見えないモノに反応するような仕草。



お嬢は俺の手の、人差し指を握りしめ。

左右、上、そして下。

外周の壁柱、天井の平面、跳び退いて足元の石面。

ん?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんか紋様が刻まれてるのか、浮き出てるのか。


これは。

うん。

隠し彫りかな。


大理石自体の模様に重ねがけしてある意図的な細工。


設計者の、癖なのかな。

隠していながら、目立つように、判りやすく、隠している。

様々なギミック。


ちびっこ二人に先導されて、Colorfulや帝国女騎士も周りを見回している。

エルフっ娘はドヤ顔可愛い。


ここ大神殿、まるで静的なアミューズメントパークだね、こりゃ。

探せばいろいろ出てきそうだ。

UNESCOの調査レポートにも、なんか載ってるんだろうなきっと。


そこまで読んでないが。

沿革と地形形状をつまみ読み。

あえてそこらはシャットアウト。


まあ、老後の楽しみにとって置こう。


俺は皆がはしゃぐのに任せる。

子どもがはしゃぐのは良いことです。

俺が皆とはしゃいでも絵にならんけど。


これはもしかしたら万能薬になるのではないだろうか。

ちょっと見せて?


紅い瞳。

緑の瞳。

青い瞳。


魔女っ娘の頬を挟んで向き合う。

エルフっ娘の首筋に手を添えて向き合う。

お嬢の唇に挟まれたがそのまま。


おい!


とりあえず踏みとどまったエルフっ娘とともに、崩れ落ちる二人を支えつつ、朱白翠碧橙の順にColorfulの頭を、撫でようかと思ったらそーいう気分でなかったらしく、差し出された顎から頬を撫でる。


よし回復したよ俺。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/隊列中央/青龍の貴族の右前/魔女っ娘】


は!


わたし、なにをしていたんでしょうか?

またとちゅうでこと切れていましたか?

今いる場所は屋内のような屋外ですか?


いえ、ご主人様のお召しなら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?


わたしは前、右、左、と見まわして、また前。

ご主人様の掌で背中を支えていただきました。

恥ずかしながら、のけぞってしまったみたい。


前。

右。

左。


大神殿の中。

おおきなおおきな。

ひろいひろい。


ご主人様の手を取り、気を取り直します。


深呼吸。

深呼吸。

そなえて。


すっご~~~~~~~~~~い!!!!!!!!!!

すごい♪

すごい♪

おっき~~~~~~~~~~い!!!!!!!!!!

おっきい♪

おっきい♪

ひっろ~~~~~~~~~~い!!!!!!!!!!

ひろい♪

ひろい♪

たかっ~~~~~~~~~~い!!!!!!!!!!

たっかい♪

たっかい♪


わたしはこんなおっきいのを観たのは初めてです。


外から眺めるのは、中に入るとはぜんぜん違います。

たか~~~~~~~~~~い天井。

ひろ~~~~~~~~~~い場所。

おっき~~~~~~~~~い建物。


なんだか、そう、ご主人様の、青い龍の世界みたい♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


幻術で

――――――――――たぶん幻ですよね――――――――――

垣間見ることを許された、青龍の世界。


天を突く塔が建ち並ぶ都市。

無数の網目を重ねた街。

大地を覆う器械仕掛。


大きい。

広い。

高い。

たくさん。


そして今。

わたしたち、でもないようなそうでもないような、青龍の世界でも赤龍の帝国でもない、そんなひとたちにも、つくれるんですね。


すごい人たちがいるんですね~~~~~~♪♪


わたしの上。

わたしの前。

わたしの背中。


青龍の世界、その中に入ったらこんな感じでしょうか?


ん。

んん?

ん~ん。


ちょっと、だいぶ、小さいです、か。


ご主人様の戻られる、故郷。

わたしが持ち帰られる場所。

ご主人様、わたしの(つい)乃住処。


明日?

明後日?

今日??


はっ!

今のうちに慣れておかなきゃいけません!




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿内/正面入り口直ぐ/青龍の貴族】


俺は反省した。


出会ったばかりの頃より良い笑顔。

何もかもどーでもよくなりますね。

写真にとって老後の自慢にしよう


将来の明るさに比べたら、今、頭上に広がる暗雲、ってか大質量物なんぞがどーだというのか。


誰がいったか素敵な言葉。


It’s not my business.

إن شاء الله

Deus vult.

我がことに非ず。


屋根のことは屋根に、建物の強度は建物に。


最長換算でも外部まで100mくらいではないか。

ちびっこ二人、俺とエルフっ娘で分担すればいい。

小学校低学年女子程度崩落前に持ち出して見せる。


※シスターズの小さい二人は10歳12歳なんですが……身長130cm以下。

※現代日本人小学三年生女児平均は身長127cm/体重26kg(文部科学省調べ)


崩落前提で考えることでもないが。


Colorfulはあれで体力も瞬発力もある。

奴隷牧場では広い屋内運動場が完備されているとか。

外部の目から隔絶させながら、学習と鍛錬にいそしむもの。


人類種平均の女性成長期ピークである15歳。


俺より脚速そうだよね。

運搬力は負けないけどね。

ちびっ子運びは無理として。


俺の後についてくるくらいは、問題なし。


中世の基準を超えた安定的栄養状態と隔離安全環境で育ったら、日本の中高生よりよっぽど元気で健康だろうな。


あれ?


俺の見知ってる例と比較すると、釈然としないな。

近所のガキどもの平均と比べても、奴隷の方が健康的って。

似たような目的で似たようなカリキュラムで隔絶された結果。


どうも日本の小中学校(どれいぼくじょう)は役に立ってない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・蓋をしておくべき問題か。


そう。


だいたい俺は俺だけじゃない。

俺には頼りになる部下がいる。

常に頼る曹長のことじゃない。


だいたい曹長に関しては、曹長の娘さんから釘を刺されている。


あんまりお父さんのことばかり話さないでほしい、と。

いやほんとうに、持ち上げるネタに尽きないお父様で。

そりゃ家族は心配するよね、俺の仕事全フリだよって。


そんなわけで、これ以上の任務をかぶせるのは心持遠慮しよう。


しかし俺には屈強な自衛隊員が10人ついている。

フル装備、の代わりに重り30kgを背負って30km無休憩行軍できる。

戦闘はともかく災害救助なら安心してお任せ可能。


ちっちゃい二人はフル装備より軽いのか、ってい、いやいや。


俺が戦闘について考えてどーする。

俺と君たち、男手は足りているし。

俺以外で十分すぎるほどですよね。


よし。

Colorful担いで脱出余裕。

解決。



征くぞ!

諸君!

任せた!




皆様いかがお過ごしでしょうか。


桜が綺麗なのに、悪天候ですぐ台無しになる。

風物詩と言えばそうなのですが。

腹立たしいですね。


呼吸器系の慢性疾患を抱えて衰弱した80歳以上の方はうっかり死なないように御注意を。

季節の変わり目ですからね。

お亡くなりになった遺体から無症状感染していたウイルスが検出されると、人一人の人生が終幕をデマに利用されてしまいます。


日々垂れ流される数字の、失笑するしかないレベル。

ググレカス、という言葉がふさわしいですね。

疾病扱いされるウィルスとしては史上まれに見る弱さ。


なお私の作品がエタることがあっても「コロナで死んだな」とはお考え有りませんように願います。


エタったのなら死んでるでしょうけど、コロナと思われるのは一族の恥。

惣領娘である姪に恥を背負わせるわけにはいきません。

兄のことはどーでもいいんですが。

ほんと。


では、この悪天候の中、おでかけしてまいります。

「飼われている自覚がない虫けら」

どものデマに従ったように見えては末代までの恥ですので。


いってきま~す。

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