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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十章「異世界の車窓から」
402/994

あま~いブドウ/Alópex kái staphylé.

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします



本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。

他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。


文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。

よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。


・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。

・【語る人間の居場所/誰視点】とします。

・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。

・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。


以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)




【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/たいちょー》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子/エルフっ娘》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。シスターズの姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳、白い肌。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/魔女っ娘/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちい姉さま/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。



【登場人物/三人称】


地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。


「伊曾保物語」に含まれる著名な寓話。

(要出典)




あるところに美味しそうな葡萄がなっていました。


そこに通りかかる子猫。

一目で魂を捧げてしまいました。


当然、子猫はそれをゲットすべくピョンピョンと跳ねまわります。


ところが届かない。

どうしても、いくら跳ねても届かない。

届かないから手が出せない。


小さいから当然です。


何処がとは言いませんが。

何処かとツッコむのは止めてあげましょう。

何処が小さくても気に入ってもらえたらいいじゃないですか。


しかしてなかなか手に入らない。


葡萄は魅力を湛えて滴り落とし、子猫は幻惑され眩惑され枉惑され横惑されすぎ、狂わんばかり。



悲憤慷慨。

慷慨悲歌。

慷慨憤激。

慷慨悲憤。


微妙に一周したところで悟りを開きました。


あの葡萄は美味しそうだが酸っぱいに違いない。

その味は自分のような幼いものにはわからない。

この身の未熟さを知って諦めるべきなのだろう。


すると通りすがりのキラキラネームが言いました。


「酸っぱいブドウはワインに最適なんですよね」


ワインと聞くと黙ってはいられません。

そもそも酒にしないと飲めない水の方が多いのです。


お酒は二十歳になってから。

未成年の飲酒は体に悪い。


酒を飲まないと渇き死ぬ。

世界の大半からしたら狂気の沙汰なんてものじゃありません。


葡萄の実。

いやそれよりも多くの水を飲料に変える事が出来ます。

命の水。


生か死かそれが問題です。


ウィスキーでなくても文字通りなワイン。

だてにとある聖人の血液扱いはされていないのです。


手に入れん。

然らずんば死すべし。


まだ見ているキラキラネームは言いました。


「高いところにあるなら低くしたら善いじゃないですか」


踏み台や梯子を使うという発想はありません。

木に登るなんて考えもしません。


自分が地面に転んだのではない。

地球が自分に倒れ掛かってきた。


相手が年上ならロリコンにしてしまえばいい。

自分のサイズが平坦なら相手をペドフィリアにすればいい。


そんな当たり前の真理をさらりと言いました。


かくして葡萄の木は見事に斬り倒され何もかも問題なくなりました。

ワインもきっとできたのかは知りません。


しかし葡萄は種から育てるより、挿し木にして育てることで多くてたわわに実ります。

人は素晴らしい葡萄の収穫を得て、葡萄は種の拡大と安定を得ることができました。


葡萄の栽培方法が確立した瞬間です。

真理に真っすぐ向かい続ければ、必ず世界は救われるということですね。



しかしてどうあれ子猫たちが幸せになったことだけは、皆様にお伝えしておきましょう。



※この記事は立証可能な参考情報や原典が全く示されていないか、不十分です。

資料を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。



編集

参加者‐会話

>背伸びしてピョンピョン跳ねてる子たちが目に浮かぶんだけど。

>葡萄の自覚を求めたい

>可愛いからいいじゃない

>葡萄のことじゃなく

>いつやるの?

>ついさっき。

>>>!





【国際連合統治軍第13集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】


なにをしでかすつもりやら。


俺も、知ってるよ?

三佐の目論見はね?

察している、かな?


アレなアレのことだから。


俺たちと彼ら。

あちらとこちら。

同じ様で非なるそれ。


何が起こるか知るために。

何か起こしてしまえばいい。



男と女を遭遇させれば、何も起こらないわけがない?



あの女らしいっていうか、その手のことに疎いというか。

間違っていることに、いつになったら気が付くのか。


気が付いたら気が付いたで、怖いことになるかマシになるか。

誰かがあの女(三佐)を口説かないと、始まらないんだろーな。

おもいっきりフッてフラれてすれば、すぐ理解するだろうに。


国家や歴史や人類と同衾してる女だし。

その寝床に踏み込める勇者は何処に在りや。

俺は頭が痛いから無理だけど。


外見はイーんですよ?


内心を知らなければイケるイケる。

中身は知らんけど、造ってないのは物腰で判る。

俺はお腹が痛いから無理だけど。


いや-ほんと、ざんねんだなー。

まったくうそじゃないけど、くやしいなー。

こころのそこからおもってるけど、もったいないなー。


愛とか恋とかいーから。

早く、気が付いてくれ。

すっごく簡単な、それ。



安全のために隔離する。

安全のために交流する。


それが両立できるとおもっていやがんのはどーなのか。


頭がいい奴の誤謬。

頭が正常な奴の諦観。

頭がおかしい奴の妄想。


頭がいい上司を持つ、常識的な部下は苦労するよ。

妄想患者なら適当にあしらえるのに。

まったく。


言っても聴こえないだろうね。

普段なら、言わないことまで聴いてるんだか。


地獄耳で詮索好きで諦めたことが無い万能女。

凡人(おれ)に判る程度のことが、絶対に解らない。



一般異世界女性。

魅力的なんだから文句ないだろ?


そーいう発想。

三佐。


そりゃそうですね。

前半は。


そもそも古着だけでコーディネートして、それぞれの魅力を引き出してる。

現代日本と違って、一般領民だとヴィンテージとかないし種類だって乏しいのに。


ヴィンテージものがあるのは氏族を組める上流階級ぐらい。


例えば、お嬢。

趣味の問題で一切使わないが、代々受け継がれているドレスや盛装がある。


日本の友達でもそーいうのあるけどね。

御祖父ちゃんのスーツを仕立て直してつかってる。

御祖母ちゃんの着物を仕立て直してつかってる。

そーいうの。


お嬢は自分から始めて代々受け継ぐ、受け継ぎたくなる物を造るってこと。


それは、お嬢の子々孫々が、マメシバ・ブランドの強い影響を受けて継承しまうのでは

・・・・・・・・・・・・・・・国連決議違反じゃね?


止めて止まるやつじゃないしな。


違反となると厄介だし。

自白剤だけの軍法会議なし死刑が標準。


誤魔化さないとな~。

死刑=捜査前に、周辺に確認が入るだろうし。


俺なら自白剤つかわれても、正直に証言を誘導できるしね。

意外に簡単です。

ロジックを知っていれば。

複数の異性とお付き合いしようとしていると、ロジックは自然と身につきます。




【聖都南端/白骨街道/らんどくるーざーの中/青龍の貴族の右隣/エルフっ娘】


あたしは、気にしてない。

本当に気にならない。


女たちは彼に注目してるんじゃない。

青龍の貴族に注意しているんだから。


それは女の目じゃない。

獣の目。


行商人たち。

女たちは見てはいない。

地に伏しているから見えない。


でも意識は向いている。

帝国騎士たちと、同じ方向。


らんどくるーざーと共に移動する彼に。



そしてそれらを視ていた青龍の貴族。


見慣れた帝国兵は無視。

居ないかのように扱う。


そしてもう、見てはいないけれど気にかけてる。


見慣れた領民たち。

見慣れない行動に、気を惹かれて。


女として、見てるわけじゃないわね。

今回は。

それは、わかる。


だから、気にはならないけれど。



うん。

腹が立つ。

もーすこし、特別扱いしてほしい。

あたしを。

どーしてほしいか、自分でもわからない。

それに。


言わないけど。

言えないけど。


わかってるんでしょう。

だから無視してるんでしょう。


彼。

青龍の貴族。


あたしを見ていない。

あたしを見透かしてる。


あたしに向けない視線で、あたしに問う。

あたしに対してだけ、問われるのが、わかる。


あれは何をしているのだ。


知らないわよ。




【国際連合統治軍第13集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】


俺をみつめる、エルフっ子の瞳。


緑色。

特別な視線。


まるで問われているみたいだ。

オマエは何者か、ってね。


男と女の子。

大人と子供。

人とエルフ。


違うってことは、そういうことで、とっても良くできている。



というわけで、俺でなくても異論はない。

異世界女性の魅力が誰にでも理解できる。


うん、すごい。

だけどマジ。


後半が問題なんですが。

そりゃそーでしょ。



文句は大いにあるわけで。

魅力的ではあるが、むぁ~ったく口説く気になれない地球の才女(さんさ)へ。

以下、文句。



俺が、俺たちが、異世界の女を、口説けるわけねーじゃん。

どれだけ口説きたくってもね。


相手に銃を突きつけたままポーカーができるか?

褒めることしか許されない場所で称賛されて嬉しいか?

独りで鏡張りの部屋へ閉じこもってなんになる?


出来る。

嬉しい。

なんかなる。


そう思うやつは、医者を紹介する。

立派な病名が付くのは間違いない。

ご家族と話をしないといけないな。



力に憧れる?

アホなこと言うな。

怯えられるだけだっての。


優れていれば好かれる?

バカが言っちゃいけない。

逃げ出されるだけだってさ。


勝利は称賛される?

誰が言いだしたんだよ。

共感されるわけねーだろよ。


実際、太守領の住民たちを見ればいい。

敵意すら成立してないじゃないか。

ましてやここにおいてや。


異世界の女でも男でもいい。


彼等にとって、俺たちは、なんだ?

ソレだ。


つまりそーいうこと。


強さとは、暴力だ。

ただそこに居るだけで、より弱い相手を傷つける。

存在自体が悪であり罪であり恐怖でしかない。


不愉快なことに。

愉快なことに。


なにをどーしたって、口説いて口説かれてなんて成り立たない。

おかしなことが溢れている。



百年後かねぇ。

俺が異世界でナンパできるようになるのは。


だからまあ。

よーく眺めて、心を慰めるのだよ。

帰国後の楽しみに。

今まではね。



太守府では。


んが。

ここ、第十三集積地を往来する異世界の女たち。

見ていて楽しくない。


此処の女たちは、あくまでもここの、は、だ。

大事なことなので二回以下略。


要はあれだ。

平伏されて楽しいわけがあるか。



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