外面如菩薩
地球側呼称《三尉/マメシバ/ハナコ》
現地側呼称《マメシバ卿》
?歳/女性
:陸上自衛隊三尉。国際連合軍独立教導旅団副官。キラキラネームの本名をかたくなに拒み「ハナコ」を自称。上官の元カノが勝手に「マメシバ」とあだ名をつけて呼んでいる。
とても優秀な将校でありながら、エキセントリックな元カノと付き合える逸材。本職は軍医で、現代科学と異世界魔法を統合した最先端医療の第一人者。
……である以前に、人間である以前に、恋愛至上原理主義過激派。
恋は地球より重く、愛は世界法則である。
筋が通り過ぎた恋愛論を実践的技術に昇華させ伝道する様は「一人イエズス会」と呼ばれている。
呼んだのは俺だが。
地球側呼称《元カノ/団長/だんちょー/一尉/一尉殿》
現地側呼称《青龍の女将軍/団長/主》
?歳/女性
:国際連合軍大尉/陸上自衛隊一尉。国際連合軍独立教導旅団団長。『俺』の元カノ。インドネシア軍ベテラン兵士の副長(褐色)、筋金入りの傭兵エルフ(白ローブ)。黒副、白副の二枚看板に支えられ、ドワーフやエルフに異世界人と地球人類が同じ戦列を組む、初の多世界複合部隊「黒旗団」指揮官。
将校というより将軍、武将に近い感覚の持ち主。
ASEAN諸国の雑多な兵士たちを怒鳴りつけ、ドワーフを蹴り飛ばしてエルフを〆落とし異世界人にコブラツイスト。
自分より個体戦闘力が圧倒的に高い男女を、いつの間にか心服させていた。
その秘密は国際連合安全保障理事会で研究中。
世が世ならクーデターを起こして独裁政権をつくるか、本能寺を襲っているタイプ。「一人関東軍」と呼ばれている。呼んだのは三佐。
んですからね。
女が考えないわけないですよ?
魅せてるに決まってるじゃないですか。
脚とか、乳とか、お尻とか、アウトラインに肌、香りとかとかとか。
わ・ざ・と♪
愛しい愛しい愛する人に♪
は?
他の男も見るじゃないか、っておっしゃる。
ふーむ。
愛しくない相手は、男じゃないんですよ。
じゃあ、なんだ、って言えば、アレ。
デコイ、撒き餌、踏み台、友釣りのアユ、おとり?
人って、周りの人に影響されますからね。
あの人の眼を惹くため、一番簡単な方法。
他のオマケの目をよせて、大切な眼を惹き付ける。
人の価値観って、周りの人の印象ですからね。
欲しい男に欲しがってもらうため、一番単純な方法。
他をサクラにして、イイ女って思わせる。
すべては、あの人に欲しがってもらうため。
すべてを、あの人へ捧げるため。
すべては、あの人を永久に誘い続けるため。
ずっとずっと、生涯続ける、愉しい楽しい追いかけられっこ♪
ずぇったいに、あの人の物になって、ずっ~~~~と、離させないんですよ?
【国際連合統治軍第13集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】
メンタルメディックと自称しようかな、俺?
シスターズ&Colorful。
傷は浅いぞしっかりしろ。
新兵科創設求む!
お嬢以外は大丈夫か。
俯きがちながら、チラチラ見上げてくるだけだから、きっと大丈夫。
この子たち特有の禁忌感。
シスターズ&Colorfulの肌を晒さないルール。
これは現代チック、西欧保守かイスラム保守っぽいな。
だから異世界全体とはかけ離れてるローカルルール。
春ともなれば普通に男女が外で水浴びしてるからね、この異世界。
内風呂なんかない時代だけどさ。
そこはまあ、多世界共通。
地球人類史上で見ても、裸体に禁忌を持たない地域や時代の方が多い。
してみると地球型惑星での人間型生物にとって、それが合理的なんだろうな。
服を着ないと環境に適応できない。
外皮外毛が乏しい毛無猿。
外部オプションである服は生体由来の洗浄機能が使えない。
むしろそれを阻害する。
着替えなきゃならないし、体を洗わないといけないし、服も洗わないと傷む。
無理やり宣教師に服を着せら裸体を禁じられた人々。
――――――――――疫病で絶滅。
そんな史実もあるくらい。
キリスト教全盛期のヨーロッパだけじゃないよ?
よって必然。
服を着るからこそ服を脱ぐ。
服を着るからこそ水浴の機会を逃がさない。
服を着るからこそ服を洗う。
生産量の少ない時代。
着替えが無い、少ない、じゃなくて概ね無い。
建築資材も乏しい時代。
わざわざ水浴のスペースを仕切ったりしない。
というか、出来ない。
だからなにもおかしくはない。
その宣伝力でしられた、西欧中世以降キリスト風や同時代イスラム模範系。
その影響力で、裸体は隠しなさいって主張が目立つけどね。
むしろそれは、隠すという意識が無い人々が多かったからこそ。
裸族の数と着衣主張の頻度は正比例します。
宣教師も大変だったろう。
別に頼んじゃいないが。
同情はする。
徒労はつらい。
んだから、剥かれてもいいのよ?
だめですかそうですか。
そこはまあ、個々人の嗜好ってことか。
誰にでもこだわりはあります。
こだわらないこだわりも含めて。
人それぞれだよねえ。
だからまあ、お嬢以外はセーフだった。
肌は隠れてたからね。
よほど近距離、触れ合う距離じゃないと見えないようにしてある服飾技術。
マメシバ・ギミック。
しかし。
だがしかし。
だから、お嬢だけがアウトだった。
完全に剥いてしまった、俺。
完全に剥かれてしまった、お嬢。
どこかの布地をなでたのか?
何処かのリボンを引いたのか?
それともボタンに当たったとか?
ワンプッシュオープン。
アホなマメシバ・ギミック。
脅威のアホな技術力!
マメシバ!
残念な娘!!!!!!!!!!
顔はい~のに。
顔はい~のに。
顔はい~のに。
児童虐待が産んだ悲劇である。
それが異世界童女に燃え移るとは。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これが悲劇の連鎖か。
児童虐待が児童虐待を産むという。
まさにその通り。
何もかも問題だな!
これって、国際連合統治軍(俺)の活動を阻害しているから戦争犯罪じゃないか?
マメシバの本名を付けたマメシバパパママを人道に対する罪で絞首刑にすることも、ワンチャン?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・止めよう。
親の処刑にマメシバが狂喜乱舞するマメシバ。
眼に見えるようだ。
さすがに悪い奴でもないのに、悪い目で見られるのはよろしくない。
善い奴であるとはとても言えないが。
ギリ、良い奴?
顔はい~のに。
マメシバは。
わんこ系で、表情豊かで、男向けの魅せ方を完全に把握している。
それこそ考えなくてもできるほどに。
しかもその効果を常に意識して楽しんでる。
そりゃモテるわ。
俺以外に。
残念な娘!!!!!!!!!!
本名は残念を通り越しているマメシバ(自称ハナコ)。
肢体だっていいんですよ。
ほんとに。
元カノみたいに制服越しではっきりと判るほどではないが。
むしろ適正サイズ。
極端なところが無いが、故にこそ適正値オーソドックス。
その辺り、色艶形はだいたいわかる。
一緒にお風呂へ入ったからね。
※第202話 <ねぇどんな気持ち?> より
俺が剥いて見たことはないが。
俺は剥いてみようとは思わないが。
見て触り追加すべく務める気もないが。
だってアレだし。
マメシバだし。
しっかりと一番そそる場所は隠して、なお一層滾るように工夫していたが。
だから見てはいるが完全には見ていない、マメシバボディ。
だけど、外から十分わかる。
別に相手がマメシバだから、ではない。
だれが相手でも、相応に判るのが服の中。
美嬌豊痩いろいろあるけれど。
例外は、ほとんどない。
つーか、判らないとナンパなんかできん。
慣れると偽装って見分けられるから。
肌の艶なら顔みりゃ見当がつくし。
物腰を見れば偽装はすぐわかるし。
ボディーラインも動作で読み取る。
たいてい、知らぬは当人ばかりなり、ってのが定番。
わざわざ伝える男もいないから。
もちろん、それはそれで。
非適正値平均値もアリです。
偽装だから悪いってわけじゃない。
むしろそれがいい時もある。
がんもどきは大好きです。
胸パットも悪くないと思います。
マーガリンが代用バターと呼ばれてたって、知ってる?
脚の長さを偽装する為にミニスカートが産まれたように。
カニカマなんか最高です。
事実が明かされた瞬間、その表情のように。
ことほど左様に、偽ることは善いことです。
それを、思いやりと呼んでもいい。
相手に自分を、良く魅せよう、と努力する。
これが思いでなくて何なんだ。
実にイイ!
俺が狙いだったら最高ですが。
それはそれとして、良い意味で頑張ってる娘は可愛い。
邪魔したくはないが、ついつい口説くのは悪気はありません。
男扱いされてないと近づきやすいよね、とか打算もありません。
あまり。
だから言いたい、マメシバに。
おまえは中身を偽装しろ!!!
そんな外面如菩薩内心如夜叉なアレ。
責任はヤツにとらせるとして。
そういう時に限って、居やがらないが。
後で痛い目に合わせてやる。
具体的にはまた明日。
責任問題と被害対処は同時進行。
お嬢、ダメージコントロール中。
それでも見たのが身内だけならよかったんだけどねぇ。
いやいや実際、身内(俺含む)だけしか見てない。
だからいいやんけ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・可能性に脅えたらしい。
知らん奴に見られる危険性があった、いや、無くもなかった。
無かったと思うが。
高速走行中の自動車車内を覗けるなんて、同走しないと見えまい。
同走の護衛車。
前車からはこの車両の運転席が邪魔で見えない。
後車からはこの車両の後席Colorfulが邪魔で見えない。
横に走る馬も車もなく、遠く居住区の壁に人影はなし。
お嬢は12歳で身長130cm以下かつ体格普通。
小さいことは良いことです。
狙撃兵からも目撃者からも見えません。
そもそも見ないよにされてるしね。
俺たち地球人と付き合いが長くなる。
すると自動車の音を聞いただけで物陰に隠れるようになる。
異世界住民の定型化された反応である。
付き合いが、深まるほどに遠ざかるものなーんだ?
悲しくありません。
それがこうして役に立つこともあるのだし。
かくして一人の女の子、そのなんかは守られたのであった。
「 ~~~~~~~~~~」
おーよしよし。
なんか言ってるが、なんかはどうでもよろしい。
混乱している人間の言葉は聞き流す。
事情を訊くのは落ち着かせた後。
聴く必要があればね。
ソレまでは何もかも受容。
ふか~~~~~~~~~~く頷く。
ぐ~~~~~~~~~~っと抱く。
ぐ~~~~~~~~いぐい撫でる。
む。
フヤフヤし始めた。
パーフェクット!
混乱している相手にも、言葉は無意味だ
――――――――――ボディランゲージこそ至高。
お嬢の頭を、ポンっと叩く。
顎元から顔を上げさせる。
ふかーく頷く俺。
俺しか見てないよ~。
神父は生きてる。
ということは、お嬢の肌を見ていない。
曹長が神父にガバメントを突き付けていた。
やらかしてりゃ撃っているだろう。
もんだいなし。
曹長は娘さんがいるからね。
性犯罪者には特に厳しいぞ。
基本が射殺で、応用が轢殺。
ご苦労曹長。
物理防御は任せた。
いつものことだが。
よって俺。
精神防御は任せろ。
子どもの不安を解消する場合。
状況によって抱きしめる側の性別を変えるといい。
緊張状態を続ける場合は男が。
緊張状態をほぐす場合は女が。
狩りをするヤツに聞いたんだけどね。
合衆国では子供にハンティングを教える親は多い。
子どもが男の子でも女の子でも。
当然、フィールドでは緊張を強いられる。
それは必要なことで、野生動物が多いところで銃を持ち、油断すれば死ぬ。
不安を解消しないと、これまた危ない。
とっさに動けなくなって怪我をしたり死んだりする。
その場合は父親か、指導の男性が抱きしめるそうだ。
危険な状態では、丈夫な盾を意識させることで安心して落ち着く。
そういう、機能的な話。
母親、もしくは女性が抱きしめると落ち着くのは同じ。
でもスコアが落ちる、と。
大抵は、帰りたがってしまい狩りにならないとか。
まったくもって、人間は機能的だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ということは。
この子たちが寝床でも風呂でも陸上でも空中でも俺の側に来るのは?
――――――――――――――――――――!
不安だからか~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!