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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第五章「征西/冊封体制」

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UNESCO/なんやかんやありました

『国際連合三大暴力装置』

:国連軍ジョーク。


「最強の国連軍」

「最恐のWHO」

「最狂のUNESCO」

が認定されている。


この三組織は国際連合内で限られた常設の戦闘部隊を保有しており、国連軍は部隊総体を、WHOは防疫班を、UNESCOは調査団を指す。

この批評は実際に異世界を蹂躙している国連軍側から見て、であり異世界側から見ればまた別の評価があるかもしれない。


ただし少人数の戦闘要員に必要に応じて国連軍部隊をつけさせて戦闘部隊を編成することは、ほかの専門機関でも行っている。

例えばFAO(国際連合食糧農業機関)は異世界各地、国連軍勢力圏外にも種子試料採取のプラントハンターを派遣している。むろん、戦闘部隊同伴、ないし武装した戦闘員がサンプル確保に当たる。


UIT(国際電気通信連合)は復旧したインターネット回線を管理するために、日本の大手通信事業者の基幹施設に監理技術者を派遣しているが、警護部隊が随伴している。


IAEA(国際原子力機関)は日本議会(衆参両院決議)により、日本全国の原子力施設と電力会社の制御システム、通信回線の管理権移譲された。そのために制御要員と封鎖隔離部隊を必要な場所に常駐させている。

人類(日本列島)滅亡を避ける為に全原子炉は停止状態にあり、核燃料を安定させ続けるだけに無駄に電力を使っている状態。コストパフォーマンスが最初から考慮されていないので、平常運転というべきではある。

・・・・・・いや、「いつか立派な原子力爆弾に」と思って建設して置いた原子力発電所がいつの間にか目的化してしまい、「あれは隠れ蓑だ!」と言うに言えずに出鱈目なコスト試算を訂正もできずに利権化して暴走したんだから経済性が皆無なのは当たり前なのだが。


ただし国際連合の武力行使を含む日本国内の活動は、異世界転移後に国会で成立した国際協力特別法に基づいているのは言うまでもない。



ニートになりたい。

ニートになりたい。

ニートになりたい。


我に時間を与えよ!!!!!!!!!!!

百万が一千万、たとえ一億文字とて書けようぞ。


みていろグイン○サーガ!!!!!!!!!!

○ーダンシリーズを越えるのはオレだ!!!!!!!!!!



「誰が読むんですか」

「うちのオフクロ、死ぬまでに読み上げるってよ」

「福田二尉のファン!」

「いや、○ーダン・シリーズ」

「読者のライフワークかよ」

「アレ終わんの?」

「作者老衰につき」

「寿命とエピローグ、どちらが先か」

「死んだろ」

「どっちが」

「リレー式じゃなかった?」


いい加減にせんか!





ここは学問最先端。


想いを口からたぎらせる漢が一人。

それはつまり喚いているというのだが。


大丈夫。

正常だ。

3ヶ月前の診断書付。



彼と彼らは軍人ではない。

彼とはHMMWVの上で憤懣やるかたない男。彼らとはその周りに配置され銃器を構えている迷彩服多数。


え?

軍人?

戦闘服?

日の丸?

階級章?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは誤解だ。


軍隊じゃない。

今は違う。


最前線、じゃなくて、最先端。

作戦中ではなく作業中。



装備がナニなのは、彼を含む彼らは元いた組織の装備と指揮系統を引き継いでいるだけだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どこからどう考えても学術調査団だ。



彼らが軍隊から離れている証拠もある。


元いた場所では与えられなかった装備も与えられているのだ。

M-137とかMk19とかを積んだ車両。


そもそもHMMWVは自衛隊装備ではない。


自衛隊だから軍隊じゃない、ってことでもないけれども。

しかし間違いなく自衛隊は軍隊じゃない。


と、最高法規たる日本国憲法に定められた、国家の最高意志決定機関である国会が決めたのだ。

今も時々、そう決議している。

忘れそうになったのだろう。



そんな彼らは今まで軍人で軍隊に所属していたが、それは日本国憲法的真実とは矛盾しない。

単純に、軍隊ではない彼らが、軍隊に出向しただけだ。



国際連合軍は間違いなく軍隊であり、それは国連憲章が保証している。



日本の特別職国会公務員が、国際連合に出向する。


これはどのような立場から見ても憲法違反じゃない。

出向中に出向先の業務に従事するのも合法だ。

それが結果的に軍隊であり軍人であるだけ。



世界に冠たる、最近では異世界にも銃声砲声とともに鳴り響いている、偉大なる平和憲法を讃えよ!

今までもこれからも、平和主義が失われることはない!



・・・・・・・・・・・・・・・と言い張った方が来る参議院選挙に有利だ。

と、政権与党連合は判断しているのである。


人間は、動物一般は変化を嫌うからね~~~~仕方ないね~~。




さておき、大切な事なので繰り返そう。

平和主義は永遠に不滅で

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃなくて、いや、大切だが、そうじゃなく、彼らが学術調査団だということ。



それでも信じられない向きは彼らの背後を見れば納得だろう。


ユネスコのマークを付けた装甲トラック。


全身を作業用の繋ぎで固めた学生たち。

志願者多数から選抜された、学問の奴隷たち。


その動きの中心にはスーツから探検服、魔法使いのとんがり帽子まで、まちまちな学者たち。後者はバラバラなのが装備だけじゃなくて、人種も年齢も出身世界もだが。


統一して人間であり、男か女かその他か、共通点はあるから大丈夫。



彼らはこの街の城館、その正面に据えられた彫刻を調べている。

魔法使い曰く、彫像自体に魔力が含まれているらしい。


城館は帝国領主のモノであり、領主はとっくに撤退済み。城館は帝国基準で言えばこじんまりとしているが、日本で言えば地方の市役所か美術館くらいの規模。


頑丈な柵で囲まれながら、街の広場に面している。


人口数千程度、この程度の街に、領主が常駐するのは珍しい。近くに帝国が管理する地下迷宮があり、帝国に敵対的な山岳部族がいるからだろうか。


帝国の領民は一人残らず、家々に立てこもり姿を見せない。まあ、いつものことであり、国連関係者ならば歓迎する状態。


出会わなければ喧嘩にならない。

喧嘩にならなければ仕事が減る。

平和とは関わらないことと見つけたり。


まったくもって、日常的光景だ。



「前方500」


それでも信じられない向きは、軍服というより戦闘服を身にまとった彼と彼らの正面を見れば納得だろう。罵声を上げて迫りくる山岳部族の群れ。

まるでセールに群がる女性たちのようだ

――――――――――殺気が。


更に怒声、興奮まではまあ、同じか。


だが、手に手に獲物、棒やら鉈やら、中には槍を持っているものまでいる。魔法使いによれば魔法使いはいないらしい。


『投石か弓は』


組織的な投石か弓射のモーションがあれば、サイレンサー付のライフルで射殺。


射撃音が聴こえないように、慎重に配慮。

銃声で逃げ散られては面倒だ。


『狙撃暇でーす』


群集は何故怒り狂っているか?


『バラバラ、兵士じゃないな』

『なら』

『暴徒』


別に誰も気にしない。

生きてる者が気にしないなら、どうでも良いのだろう。


『100m』


もちろん、群集はゾンビじゃない

――――――――――じゃあ、生きてるじゃないかって?


『50、ダッシュ』


群集が走り出した。

ゆっくり距離を詰めて、一気に勢いをつけて、突進力でHMMWVを乗り越えるつもりだろう。別にHMMWVという名を知っているわけでもないし自動車とも戦闘車両とも思っていないだろうが。

単なる障害物と見れば、全力疾走で乗り越えられると考えるのは無理もない。

手慣れた暴徒っぷりだ。


『開始』


モーターの軽やかな音。

7.62mm弾の炸薬が弾ける轟音。

40mm擲弾の発射音は空気が抜けるような音、というのはやや乱暴か。


ミニガンの斉射はあたかも空間を切り裂くようだ。

密集した人体があるから、切り裂くさまが、そのように見える様子が確認しやすい。


右に左に切り裂かれた人体は、支えを失って地に落ちる。実りきった稲穂をコンバインが刈り取っていくようた。

まさに、薙払われていく。


HMMWVの側面、水平に設えられたM-137の銃座。

軽く左右に振られた銃口。

毎分3000発、一秒あたり50発。


だが、口径が7.62mmなら銃口でいい。砲口と呼ぶ境界線は12.7mmだろう。


だが威力からすれば人体がミンチになる。肉片が飛び散り、千切れた胴体から内蔵が抜け落ち、その上に降り積もるのは上半身と下半身。


真ん中が欠けているから、上下を足しても生前の身長には足りない。


上肢の上、顔には驚きも悲しみも、苦痛すらない。既に死んでいた時のように、実際に死んだ後も変わらない。

怒りの表情のまま、固まって人形になったような人体

――――――――――分割済み。



一人目を砕いた弾頭は、そのまま二人目を貫く。ひしゃげて、割れて、砕けて、跳ねて。十人目を何mか弾き飛ばす勢い。

11人目が前者の骨片に体を抉られて、10人目と融合する。


車に跳ねられた人体に、二重衝突されるようなモノ。

しかも、後ろから圧されている。


下がる余地がないために、弾かれた人体一人分の運動エネルギーをすべて受け止めてしまう。しかも後ろから続々と、次の10人がセットされる。


HMMWVの屋根に据えられたMK-19。

それが40mm破砕弾を連射しているからだ。曲線を描き、群集の後方上空で炸裂。断片に追われた人々は、必死にならざるを得ない。


前に出る。

前に出る。

後ろの死から逃れるために。

前の圧力は低いから、押し出される。

何しろ前方は元人体の肉片で舗装されている。

死体は押し返さないから群集は前に前にと押し出される。

みなが足元を埋める肉片を踏み越える。

肉片になる前ならば、だが。


ミニガンは、インターバルを置いて、幾度どなく軽やかに回り続けた。やはり発射速度が高いだけに、銃身にやさしくしないといけない。ある程度前に集まってから撃った方が効率もいい。


手間を抑えて楽をしよう。

人手がいないから工夫しよう。

学術調査団の弾薬割り当てへの配慮もある。


だからと言って、任務をおろそかにしたりはしない。


だからもちろん、調査にあたる学者学生は護られている

――――――――――ノイズからも、だ。



作業にあたる学者学生魔法使いに異世界の好事家たちの、耳を包む通信端末は外部マイク機能で音を拾える。


だからフィルタリング機能が充実。

無関係な轟音、悲鳴苦鳴などは拾わない。

しかも、悲鳴などほとんど生じない。


即死しているから肉と骨が砕かれ血肉がおちる音しかしないのだ。単純に肉の塊が石畳に落ちる音なので、大した音じゃない。

3分とたたずに銃声も収まったのだから、なおのこと。



――――――――――生きてる者が気にしないなら、どうでもいいことだ。




『ちゃっけ』

「いらん」


反射的に銃剣を付けようとした部下を止めた、福田二尉。


「UNFじゃなく、ユネスコ調査団だからな?俺たちは」



福田二尉の部下たちは、死体確認の癖に笑いあった。


よく考えれば、これだけの人数では、無理だ。

調査団の護衛は一個小隊しかいない。


広場を埋め尽くした、原型が怪しい三千余りの死体。

いちいち突き刺してはいられない。


『残存阻害要素、街を出ます』


近くの静寂、遠くの大声。

生き残った山岳部族の半分が、泣き喚いて逃げていく。


敵、と表現すると皆殺しにしないといけない。

だから障害物として、事務上は処理する。


広場を埋め尽くした元人体。

吹き飛ばした壁や、掘り返した残土や、切り崩した山肌と同じ。

今は家にこもっている帝国領民、国連軍にとって占領下住民、が後片付けしてくれるだろう。

これは異世界現地住民の自発的な協力であり、広く一般的な現象だ。


国連軍の戦場清掃と同じ。

死体からの剥ぎ取り品だけで現地住民にとっては十分な報酬。

生き残りがいれば、仲が良くない山岳部族が相手だけに、住民が殺しておいてくれる。

手間取るようならブルドーザー他の車両で支援してもいい。

ついでに燃やすことくらいは手伝ってもいい。


国連軍は人に優しい侵略戦争を目指しています。



上空を自動哨戒中の偵察ユニット。

その映像は、逃げ出す群集を追っていた。


大きな動きに反応して、二機が自動追尾。

残りは哨戒のまま。



――――――――――追撃するか、と言外に問う部下。


「いらん」


敵は逃がさず皆殺し

――――――――――これも、UNFの習慣だ。


ユネスコ調査団は、調査を円滑に進めるだけ。


聞き取り調査の為に、適切な異世界人を連行する。資料として書物や記録を掠奪する。資料として建物や土地を占拠する。

それを妨げる者に、妨げるかもしれない者に、妨げているのかもしれない者に、銃撃し砲撃し火炎放射器を使用する。

時として調査保存すべき場所から異世界人を追い出して、地雷と鉄条網で封鎖したりもする。



もちろん、常に力尽く、な訳がない。



時間をとる必要さえなければ、戦利品の帝国金貨で即決解決。交渉などしないので即決回答YES/NOだけだが。


連行した異世界人の大半は、解放されるから心配はあまりない。

身内が生きていれば再会だってできるだろう。

再会したい身内が、連行に抵抗していなければ。


ユネスコは平和的な武装集団なのである

――――――――――――――――――――根絶基本なUNFに比べて。




「引き続き、調査活動を支援する」


すでにUNFには通報済み。残敵掃討は、元同僚たちの役目だ。

いろいろと文句は言われるだろう。


集積、隔離、殲滅。

手間を惜しまず皆殺せ。


何故逃がしたのか?

何故もっと引き付けて置かなかった?

そもそも最初からUNFに通報しろ!!



(・・・・・・・・・・・・・・・・知ったことか)


そう、福田二尉は思う。

街の周りはすぐに林から森、そして山に至る。

逃げ出したのは、子供に至るまで山中生活に慣れた山岳部族。



ベトナム戦争以来進化した索敵装置は、民間人を盾にする以外のゲリラ戦を許容しない。


人間の生態から活動範囲は容易く特定される。

散布式の探査器と広範囲カバーする偵察機、偵察ユニット。

容易く感知される体温、移動音、体臭。

面制圧兵器はいかなる偽装も、隠れ潜んだ者ごと吹き飛ばしてしまう。


だが、それでも、生き残った半分が、その中の何人か、片手の指ほどの数が生き残れる

――――――――――かもしれない。


恨みを残さないために、恨む可能性があるすべてを殲滅する。

それはUNFのやり方。

そしてそれは、関係のないこと。

彼と彼らは今現在、UNESCO部隊所属なのだから。


第一、福田二尉は嫌いなのだ。

戦闘力がない敵をすりつぶす作業は。




早速、本業の執筆に戻る。


「読者に執筆環境を教えてやりたいですね」

「ちょっと!ヒヨリちゃんはカツヒコくんに告白すんですか?」

「あれだけフラグを立てておきながら、カイ君とくっつかないとか!!」

「なんだかんだ言って、福田二尉の作品読み込んでるのな・・・・・・・・・・・・・」


UNESCO調査団は今日も平和です。






半包囲殲滅で済ませ、福田二尉は気が付いていなかった。


UNFが一人の運命も手放す気が無いことを。


大部隊が近くにいるわけではなかった。

配置されていたのはCOIN機、少数小火力のゲリラ向けの対地攻撃機。

それで十分に広範囲を包囲できる方法を、どこかの誰かが考えていた

それは単純なナパームやロケット弾を積んではいなかった。



マスタードガスに代表される糜爛性ガス。

散布された帯域は、対化学戦装備なしに通過不可能だ。ほんの10m幅の封鎖線を引くのは、航空機を使えば極めて容易い作業だった。


空から外周に化学の線が引かれて、くるりと輪を描いた。その線に近づくと、皮膚が解けただれ骨まで腐食して、生き腐れた死体となって長く長く苦しんで死ぬ。


デッドラインに囲まれた幾千の人々。

偵察ユニットとCOIN機が後ろから生存可能範囲を狭めていく。



彼らは助け合い、庇い合い、必死に全力で進む。UNFが用意したゴールに向けて。その過程は記録されており、極めて低コストで入手された貴重なデータとして生かされる。


デッドストックでしかない旧式化学兵器を捨てて、大規模な水源に無関係な森林を汚染する。

今後も何度となく利用出来る方法

――――――――――まったく、安いものじゃないか。



とはいえ、軍事参謀委員会もそれだけで済ませたりはしない。



福田二尉が物語の山場に悩むように、軍事参謀委員会も悩む。

急場しのぎの思い付きが、十分な戦果を生んだ。ならばこの手法を完成させなければならない。そのためには失敗から学ぶ必要がある。比較検証しやすいように状況を整えて、テストを繰り返そう。因果関係を解析し、完成度を高める為に、繰り返し、繰り返し、繰り返し・・・・・・。




「オレは文壇に復讐してやるんだ~~~~~~~~~~」

「せめてデビューしてから言ってください」



《戦場点景》



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