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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第五章「征西/冊封体制」

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おそれるべきもの

【用語】


『太守府』:帝国の行政区分をそのまま国連軍が引き継いだ呼び名。領地全体の呼び名と中枢が置かれる首府の呼び名を兼ねる。帝国ではおおむね直径60km程度を目安に社会的経済的につながりが深い地域で構成する。南北が森林、西は山脈、東は大海で大陸のほかの地域からは孤立している。ただし、穀倉地帯であり海路につながっているために領地としての価値は高い。10年前までは古い王国があり帝国に滅ぼされた。


『西の山々』:太守領の西方。大陸内陸側に広がる山脈の始まり。居住圏の西端であり、そこから先は過疎/無人地帯。この邦で産出される鉱物資源の大半はこの地域に在る鉱山から採取される。国連軍侵攻前、海上交易路が機能していた時点でもこの邦で鉱物の輸入は、ほとんどない。鉱石の品位が高く、ドワーフによる安定供給があったためと思われる。


『ドワーフ』:異世界の種族。基本形態は人と同じく四肢がある。手足指の数は同じ。全体に縦横サイズが同じで厚みがある体つき。背丈は平均160cm前後と低めだが横幅も同じくらいあるので小さい印象はない。体毛が濃いが獣のように全身を覆っているわけではなく、厚くごついが皮膚も露出している。全身が筋骨隆々としており腕力持久力耐久力が強い。服装装備もごつごつしたものを好む。力仕事も得意だが、細やかな細工や彫金、合金精製など器用さこそ最大の特徴。世界を支配していた帝国においては貴族たる騎竜民族に魔法使い、その資源扱いの領民(エルフを除く異世界全種族)、絶滅指定のエルフなどとは別のカテゴリーとして、優遇されている。


『ゾンビ』:ロメロ型ゾンビ(国連命名)。一言でいえば「初期ホラー映画のゾンビ」。走らない、跳ばない、人並みのパワーを持つ死体。最新作のように走ったり飛んだり変形したり別な怪物になったりしない。生死の定義によっては「死体に見える生物」とみなすべきかもしれないが、増殖はしても繁殖はしない。ゾンビ化以後の時間経過と環境により肉体の腐敗が進み、死後硬直から白骨ミイラ化までバリエーションが広い。いずれも劣化した関節を生前準拠の力で動かそうとしているため、のろく鈍く不器用。ゾンビ化前にカテゴライズされていた種族の生体に食欲を感じるらしく、盲目的に不眠不休で追ってきて食らいつく。食べ残しがあるとそれもゾンビになる。地球人にも食いついてくることから、異世界人と地球人はゾンビ判断で同カテゴリーらしい。地球人がゾンビ化するかどうかは試されていない。



ちょっとまて。寄るな帰るなソコにいろ。


――――――――――異世界川柳、詠み人、第七師団長。





「ばかな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・負ける、だと」


はい。

誰でも出来るゾンビ退治の時間です。


「バカ!近づけないでよ!汚い!」


ドラゴンハントと違って、なにも面白くありません。安全で簡単でなーんにも得られないからです。


「うわーエンガチョ!」


ゾンビとは何か。

はい、死体です。


死体は死なない?

死体を撃っても刺しても殴っても無駄?

ゆえに無敵、に、近い。


アッハッハ、え、棒読み?

ばーか、って言わないだけましですよ。


「言ってる言ってる」


ゾンビは、死体、たかが、死体です。


人体の防弾能力はかなり高いです。土嚢くらいのストッピングパワーを期待出来ます。つまり、弾頭が当たるんです。

スケルトンとちがって、隙間はありません。しかも弾頭の威力を柔らかな体が吸収します。弾頭が止まるということはつまり、その運動エネルギーを吸収するということなんですね。


脆弱な腐肉が、です。



「弾弾~」

「殴ってろ」

「銃が汚れるから!M-14の台尻は木製だよ?臭い付きそーじゃん!!!!」


64用意しましょうか?


「エンガチョ」

「鈍器で戦うって疲れますよ」

「金属バットを所望」


はい。

ほっときましょう。

弾頭、軍用7.62mm弾がどんなものか、夢に生きるマニアは知らないかもしれません。大半の弾頭は人体を貫通しません。


弾頭の質量と速度。


「フルスイング!」

「ワンヒット・・・・・・あ、二撃目までもたないか」


人体の質量と速度。

弾頭はひしゃげて砕けて死体の中で小爆発に近い状態になります。ダムダム弾にしておかなくても、です。つまり体に大穴が空きます。筋肉や骨を砕きます。


死体でも同じです。海外の警察では、弾道検査の為に出来立ての死体に事件と同じ銃と弾丸で発砲したりするくらいです。


ましてや腐りかけの死体なら、楽勝です。

今のところ、手足が千切れて、千切れかけてなお歩いてつかみかかった、ゾンビは発見されていません。

当たり前ですね。

物理的に存在しないパーツを武器に出来るなら、ゾンビである必要はありません。

肩や腰を駆使して転がることは出来ますが。


「踏め踏め」

「犬のウ○コの方がマシだ!」


腐りかけ死体に限らず、人体の胸部なんか弱いもんです。地面に寝ているところに膝を落とすだけで、肋骨を抜けます。

脳を狙うなら、口からいってもいいでしょう。

頭をつぶしただけで死ぬ、っていいますか、行動不能になるのはお約束ですし。


「蹴れ蹴れ」

「スティックないの~」


噛まれるとゾンビになる?


どーやったら噛まれますか。

牙もなければ、顎も弱い人の死体ですよ。


ジーンズやシューズを、一噛みで破れる方は挙手

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言って見ただけです。


よほど運か頭が悪くない限り、対ゾンビ戦で噛まれることはありえません。タンクトップにホットパンツでゾンビにセクシーアピールしなければ。


頭を潰せば死ぬわ、動きは遅いわ、死体は脆いわ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アマチュア野球のレギュラーが揃えばゾンビ100体に楽勝です。


ゾンビは数ですか?

ゾンビに限りませんが。


もし、瞬間的に都民全員がゾンビかしたら?

練馬連隊だけで始末して見せますよ。


「え?手作業?」

「一年かかるぞ」

「過重ろーどー」


つまり、考えない相手は、人類の敵じゃないんです。

10mの巨体で炎を吹いても、ね。


「ドラゴンのことか」

「ドラゴンのことだろ」

「トラウマだからやめて!!」


ドラゴンイーターが何を言ってるんですか。


「「「ヤメ!!!!!」」」


通りすがりの野生ドラゴンを狩って、


「狩ってない!」

「敵だと思ったんだよ!!」

「進撃路にいたらそう思うでしょう!!!」


敵じゃないから人食いじゃない、と確認してから食べ


「肉は食べたないし卵しか食べてないし!!!」

「捨てとくと腐っちまうから!!!」

「もったいないだろ!」


連隊から追放された中隊のみなさん。


「分派されただけだ!」

「ちょっとはぶられてるだけだし!!」

「あんたが派遣命令したんじゃないのよ!!」



さて、おわりましたね。

頭以外に取り柄のない人間の、劣化人体なんか考慮に値しません。

雑談しながら楽勝です。


中世の騎士がが千人もいれば、練馬連隊が瞬殺ですけどね。

考えられる相手ですから。


「横田か厚木まで逃げて見せるし!弾薬と武器借りたらお礼参りするし!」

「今は正解解ってるからな」

「とっさに思いつくの無理だろ」

「あんなにため込んでるなんてな」

「ウチらなんか、演習すらロクに弾がないのに」

「西部開拓時代から連綿と続くMOTTAINAI精神!」

「バカにし過ぎ。おかげで戦争できんだから」

「俺たちの先祖が300年ぬるま湯に浸っている時に、死にながら原住民と奪いあいをしていたイナゴみたいな先祖を」

「帰っていいか」



というわけで、帝国軍すら、嫌がらせのブービートラップ程度にしか考えていないゾンビ2000体始末タイムトライアルを終了します。

お客さんすら着てませんし、撤収してお風呂入ってください。

装備を洗ってから。



「ゾンビ物ってさ~ゾンビと戦うの最初だけじゃない?」

「あるある。人間が一番怖かった、的な?」

「それゾンビじゃねーよ、ってクリーチャー出したり」

「人間が仲間割れできるほど弱けりゃ、そもそも仲間割れするほど追い詰められねーよな」

「発生から殲滅まで一週間」

「以後は指定保護獣として」

「完全ゾンビマニュアル知ってる?」


で、アレは。

何やら呆然とゾンビ叩きをみてましたが。


「ファンタジー脳でロメロ初期型ゾンビに夢を見ていたバカだ」

「ファンタジーなんだから、映画もマンガも割り切って楽しめばいいのに」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自衛隊隊員でしょう?


「隊員に夢を見るバカ」

「ツジ参謀!まったまった!牟田口中尉二尉!謝れ謝れ」

「逃げてー」


《戦場点景》




【太守領西部/西の山/その麓で一番風光明媚な隠しスポット】


俺はホクホクしていた。


お弁当。

この光り輝く魔法の回復アイテム。

今なら世界平和が成り立つ気がする。



いやいやいや、平和のための努力を忘れてはいませんよ?

なぜか怒ってる、よそのドワーフたちを接待中。


必殺技炸裂!

最強コマンド。


一緒に飯を食う

――――――――――――――――――――発動中。



この手段の何がいいってね。


楽なんだ。

言葉なんかいらない。

駆け引きも必要ない。

常識だけがあればいい。


美味しいものは人を幸せにする。

――――――――――――――――――――口の中以外どーでもよくなって、怒り、なんて些末なことは気にならない。


マズくても互いに共感できる。

――――――――――――――――――――一時的な不幸は、同じ体験をしたみんなを結束させる。



実際、ビジネスから政治外交まで、多用されている手段だ。



いやいやいや。

マズいわけはないけどね。


俺たち地球人の体質に合うあわないはあるだろうけれど。

そこはマメシバ三尉が確認済。


初めてを捧げるんですから!!

死なせることだけは阻止して見せますよ!!!

―――――――――――――――――――――――――――――――――などと供述しており。



味も大丈夫に決まっている。

シスターズ&Colorful、おもに調理はシスターズの小さい二人。


シスターズは日常的お料理をしている魔女っ子が主導した。

しばらく前から俺の食事はこの子が見てくれている。



俺たちの食事を異世界人に提供するのは、相変わらず禁止。

限定的に許可が出ている黒旗団の場合でも、慎重にアレルギーや食材のタブーを見極めている。

・・・・・・・・・・・・実質、モルモット。



だが、現地の食事を俺たち日本人がとる分には問題ない。

兵站の負担も減らせるしね。

輸送についてだけだけど。

在庫自体は余ってるから。



食料が余ってるのが不思議かな?


古くから鎖国ネタで日本は孤立したらやっていけないと連呼されているから。

俺が知る限り、孤立しても何にも心配はありません、と資料を駆使して証明してそれをネタにしていた小説家は独りしかいない。


名前を出すのははばかるが、日本最高峰のSFってーか、ポリティカルパニック小説の第一人者。

唯一者、かな?

日本が沈没したり東京が消滅する作品を書かせたら、前後左右に誰もいなくなる御大。

の、短編にあったくいらいだ。



まあねえ。

考えたらねぇ。

歴史的に鎖国、できた、国だし。

つまり、耕地面積が広く、気候が温暖で安定しており、資源産出量が多いってこと。



そうではない、ってことにされてはいるが。


物資の欠乏により分配権を握ることで権威を手に入れた皆様方。

どんなに不安をあおっても、責任を負わない特権階級。

いわゆる、戦時体制を続けたい、試験貴族のお偉方。


戦争が終わってほしくないから、愚かなカモに吹き込み続ける。


貧しさを。

乏しさを。

特異さを。


嘘も百万回言えば真実になる。

ソレを唯一実現できた理想郷

――――――――――――――――――――――――――――みんなではない誰かの。


ま、俺だって、陰謀だなんて思っちゃいない。


誰か。

生活を護りたくて、よりよい生活がしたくて、都合がいい数字ばかりに注目して、まず自分をだまし、結果として他人をだまし、目に映る範囲で偽り続けていくと

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・信仰になる。


天が下に新しきことなし。


カトリック教会からリーマンブラザーズまで。

古今東西、あらゆる組織的不祥事の、典型的なパターン。

たまたまうちの国の場合、明治以降ずっとそのアレな方々が中枢を握り続けているだけで。


・・・・・・・普通の国だと、滅ぼされた拍子に根こそぎにされるんだけどね、物理的に、何故か生き残ってるけど、物質的に。




地球表面の大半で、特異でない平凡な、リアル。


種をまいても何も育たない。

酒にしないと水は飲めない。

人間は生存できても生活できない。



日本列島は、地上の例外、なのだ。




異世界転移後。

食料自体は日本列島に山ほど余っている。

もともとが飽食列島などと言われていた先進国。外食産業が政府統制下に置かれ、高齢者向けの食糧配給には同じく統制下におかれたコンビニが使われている。

結果、食品廃棄がほぼゼロ。

ようは、無駄な消費がほとんどなくなったのだ。


余る余る。


余った食品の保存は?

冷凍して冷蔵して真空化して。


一番余ってるのが、電気だからね。

原発全部止めて、核燃料を安定化させるために無駄電力を消費し続けてなお、発電余力は余っている。

世界の工場サービス業、日本列島の全産業が停止したのだ。全力で夜を照らし出していた商業活動も半減以下。


そりゃ、発電する必要はないよね。



火力発電所もほとんど止まっている、けど、別に生活に影響はない。

家庭への電力供給は有権者サービスに必死な議員が止めさせやしないし、その必要はない。夜になれば街灯もついているし、大幅に減ったとはいえ深夜営業の店舗もある。

TVは時間帯制限がついているし、新聞はムダ紙を削減する為に店頭販売のみにされたが、別に問題もない。

そもそも、広告収入がゼロになっているから、廃業間近とか政府買取になると言われている。

いや、転移前からそうでしたよね?

21世紀からこっち、先進国全体で新聞やTVは利益を出せなくなった。

いや、それが表面化した。

紙媒体廃止なんて珍しくもないし、記事や番組作成を完全に外注化している例も多い。日本はいつも通り、周回遅れで後を追っていたのだが。


そりゃそうだ。

視聴購読の絶対数が減少する一方なのに視聴率に代表される相対率を示しても意味がない。TV新聞に夢を持つ世代が引退していくに従い、当たり前に見放される。

日本だけじゃないが、日本だけの珍現象もあるけれど。


交通安全、防犯呼びかけ、政府っていうより官庁の政策宣伝

・・・・・・・などなど。


絶対数が減る一方とはいえ、無作為な対象に選択させずに情報を送り込める。そこにだけは価値があるといえなくもない。


もっとも仮にもジャーナリストを標榜する企業が、公共広告で赤字を補てんしてもらってるのは日本だけ。

普通の先進国の、普通のジャーナリストなら店じまいを選ぶだろう。


WikiLeaksに無視されるのも当然だね!

報道を考えるなら人民日報や今は亡きタス通信同然の宣伝機関に情報提供なんかするわけがない。


便乗倒産&国営化キメるつもり満々!!



まあ、当事者以外には関係ないことではある。

ジャーナリストとちがって、マスメディアは社会の必需品じゃないしね。


異世界転移後も、ネットやラジオは使える。

ニュースに映画やドラマや音楽や異世界などコンテンツ配信の中心はそちらになった。

著作権的な問題が非常事態法制でクリアされたのが大きいだろう。さらにやっぱり選挙目当てなのか、ドラマ映画アニメ音楽ニュース異世界などなどコンテンツ作成と配信は、再生結果次第で政府から報酬が支給される法律が可決。

ネットが国内ネットに再編成され、IPアドレスまで国連が管理しているあたりで、偽装再生の心配はないだろう。


そんなこんなで電力は有り余らないように発電していないから、チヌークが飛び回る燃料も十分あるわけだが。

いまはね。


まあ、穀物なんかは冷暗所程度で年単位保存できるし。


食料備蓄は万全で更に生産面も問題ない。

工業生産がほぼゼロとはいえ、生鮮食料品、特に野菜類は普通に栽培収穫されている。それほど気候に変化も見られないために収穫も落ちていない。



野菜の自給率はもともと高く、価格面で輸入を優先していたものこそあれど、輸入に頼っていたモノはない。

一部例外な珍味や香辛料などは、考慮すらされていない。でもまあ、ないと寂しいというわけで、民間では実験が進んでいるらしい。

栽培だけじゃなくて、クローン化とか何とかまで踏み込んでいるのが、いやはやなんとも。



水耕栽培で屋内工業プラントを作って野菜生産を!


という、転移直後からの夢と希望は不必要

・・・・・・・・・・・・・・・・・・とはいえ、将来的な気候サイクルが解るまではテストしようということにはなった。


需要稀少植物の生産もかねて、選挙民へのアピールもかねて、特別法が通過したらしい。


ただ、気候は異世界転移で心配なことの筆頭だろう。

国連軍が侵略先で略奪しまくった文献や老人、地層地勢植生解析で、大きな気候変動はないと確認されている。

でも、未だに略奪、いや、資料収集は続いているが。確認じゃなくて、収集のための収集になっているのかもしれない。


俺たちが異世界から得られる唯一にして至高のモノが、知識だからな。

そんな認識は、異世界に派遣された者の中で徐々に浸透しつつあるし、本土にもフィードバックされている。

全産業ほぼ停止で時間が空いた日本人が、ネットにかじりついているのは暇だから。

―――――――――――――だけじゃあるまい。



趣味は別として、近い将来の懸念自体は、されている。


当たり前だが、大陸にほど近くに、日本列島なんてデカ物が地殻ごと出現したのだ。大陸海岸から約800kmなんて地球サイズの惑星上で見れば近い近い。



・・・・・・・・・・・・・・・お互いに気がつかないくらい静かにさりげなく出現したので、地殻変動などは起きなかったが。

いや、落下したんだったら、惑星全表面が塗り替えられるようなインパクト。

そうなってれば、地球人も異世界人も生き残ってないけどね?



だが、影響がないわけがない。

異世界惑星の海洋海流がとてつもなく乱されているのは決定的。

異常気象位起きてもおかしくはない。


異常に暖かくなるのか寒くなるのか。

長く続くか一時的なモノか。

メリットデメリット。


どちらに転ぶかわからない。



まあ、現代文明があれば対応できる範囲ではある。

・・・・・・・・・・・・・・中世文明の異世界人が対応できるかどうか?


国連は地球人類にしか責任を負わない。

――――――――――――――――――――――――――――――考慮すらしていない。


だが、地球人には責任を負う。



地球の楽園が鉢植えのように、異世界に移動した。

しかも、傘もシートも温室がない。


大問題である。


枯れたらどーする!!!!




というわけで、余っている食料に海を越えさせるのもいいが、現地調達してもいいよね。


実験しようぜ!

お前モルモットな!!

と、軍事的にアレな、兵糧現地調達が最近始まった。


・・・・・・・いや、まあ、帝国軍百万オーバーの数年分の兵站物資が手に入ったからね?


軍事的にアレにはならないですんだけどね?

俺たちの代わりに、帝国軍が現地住民から略奪しておいてくれたから、恨まれるのは帝国だよね?

略奪者から略奪してウハウハなのは、道義的にいえばおんなじだよね?

気づかれなけりゃいいってどうなの?



・・・・・・・・・なんて、心の声、は黙殺。



さすがにコレが無ければ、やってみろ、と言い出さなかったんじゃないかな?



ちょっと占領してきて。

―――――――――――――――――はパシリの範囲。


ちょっと略奪してきて、一人も生かしておかないで。

―――――――――――――――――は限度を超えている。



ないよね

・・・・・・・・・・・・・・・・・たぶん。



さて、気分が明るくなったところで。



現地食材を導入するためには、現地料理人に任せるのが一番だ。

王城を離れて部隊行動をしている間は当然、王城の料理人とは離れていた。


美味しかったから残念だ。この世界の料理人って、メイドと連携して俺の顔色を見て好評不評を把握、何も言わないうちに味付けを工夫してくるんだよね。


メイド長に教えてもらうまで気がつかなかったハイスペック。

当然、遠征中はお預け。



ま、ソレは仕方ないし、レーションで我慢するつもりだった。旨いは旨いけど、工夫はすごいけど、やっぱり舌に慣れないってのはどうにもならない。


日本食が食べたかったんです!!

―――――――――――――――――から、残念だが、必ずしも悪くはなかった。




だがっ!

ここで!!

魔女っ子降臨!!!

お嬢もきたよ!!!


専属料理人&お茶職人、誕生。


確かに異世界料理ではあるが、宮廷料理より馴染みやすい魔女っ子料理。

奇をてらい、一転してマメシバ三尉からねだりとった日本茶を入れてきて俺を驚かせる、お嬢流茶道。


その二人が、エルフっ子や元カノ、Colorfulにメイドさんたち、王城料理人にマメシバ三尉の監修まで入れた逸品。



お弁当である!!!!!!!




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