食卓に相応しい会話。
【用語】
『豚』
:内臓が人間に酷似している。移植用臓器の培養保存に使われているくらい。歯や歯茎に関節などは一見して見分けが付かない。血肉や焼けた臭いも人体と変わらない。全体として価格か安く屠殺時の廃棄率も高い為に戦場での適応訓練の材料に良く使われる。
異世界種族を十数万人を破砕した後で丹念に一つ〃銃剣刺突作業をする刻など、一人も見逃さない作業に役立った。
いいか~。
飯だ。
米じゃないぞ。
肉ばかりだ。
これじゃないこれじゃない。
食うのはレーション。
悪くなかろ。
今日はな。
これは臓物。
人体に一番近い奴な。
食卓の飾り。
まだ腐ってないだろ。
次、順番〃。
大丈夫。
もったいなくない。
食えない部分だけだから。
だから、メシとは別だ。
メシは単なるレーション。
食え食え。
その上に座れ。
離れるな。
鼻がバカになるだろ。
血の臭い。
肉の臭い。
骨の臭い。
脂の臭い。
糞尿の臭い。
屠殺したこともあるまいが。
死体ってのは、こんな物だ。
貴様らが観たことがあるのは、浄めた者。
その為に葬儀屋さんが居る。
気にしろ。
覚えてろ。
嗅ぎ分けろ。
腐っていたら敵がいる。
獣じゃないぞ。
殺人者がいる。
犯とは限らん。
獣に殺られるのも含め、自然死なら腐らない。
新鮮なうちに獣が食う。
腐っているってことは。
生態処理を超えたこと。
本来あり得なかった死体量が、突然発生した。
ってことだ。
殺しが起きた。
そういうことだ。
自分以外の殺人者が居る、と知らなきゃ敵だ。
おい。
食事刻だぞ。
含め。
味わえ
良く噛め。
舐めとれ。
いや、レーションな。
吐くな!
吐くな!
吐くな!
飲み込めば腹が膨らみ力に為る。
レーションをな。
飛沫を含むなよ。
地球産だがな。
腐っていくぞ。
日毎に変わる。
毎食ここで食う。
一巡じゃ足りんが、経験だ。
思い出すから。
何日目って。
慣れるなよ。
いつも新鮮な気持ちでいろ。
でないと見落とす。
地球の腐肉と違うんだな、って感じられたらまあまあ。
いや、これは地球の血肉さ。
これから造る異世界の血肉には、手足も目玉も頭髪もついてるぞ。
原型が残りやすいからな。
ほら。
食え。
飲め。
眺めろ。
異世界の血肉からの防疫手順とは、別のことだ。
《一般的海兵隊訓練に準じた異世界派遣訓練/再録》
【異世界大陸東北部/占領地域/軍政主府/軍政司令部/軍政司令官私室/青龍の貴族】
俺の私室は、こう呼ばれている。
「正しい女体盛りは女体に盛らせるんだってわかりますよね」
そうなんか。
「やらせてるまだヤってないのにやらせてるのはさて置いて」
ヤるのはこれからやらせてない。
「こっちみんな特に部分々魅てます狙ってます絶対逃がさないアピールすなやスルー推奨」
着衣越しでも肌の造形が魅て獲れるのだ色艶も。
「魅せたことあるのは私服着衣で隠さない処」
バスタオル一枚で皆一緒に入浴した己が不覚よ。
「戻して。部屋かハレムの正式名称に戻して」
王の間、と。
「今も」
まあ、二百年続いた施設名だし。
「せやろか?」
広く考えれば私室全体が食卓。
台所と寝室は一体で風呂は別。
ワンルームと言うには広いな。
「普通の家が入るサイズ」
俺の2K自宅が幾つ入るやら。
まあ町全体が自宅も同然だし。
日本古来の都市文化なんだが。
「児童虐待も無いですわ」
自宅は自室、飲食店は食卓で。
スーパーは冷蔵庫と物置兼用。
公園が庭で隣人と家族は同じ。
「密室は名探偵ホイホイ」
易きに流れるのが人の性だな。
悪事をし易いならやるだろう。
善悪を問わねば原因はわかる。
「密室に強者と弱者を閉じ込めりゃ」
仲良くして喧嘩して干渉せず。
行き過ぎ足りずにやり直して。
常に調整続けることが最適解。
「家庭無くして密室なし」
日本では知られてないけどね。
だから狭い異世界お城住まい。
町一つに比べたらたかがだな。
「一心同体の人口密度が極端に偏ってるだけじゃないんだなぁ」
軍政司令官私室への出入り物。
運び込まれる物は、それなり。
ここから運び出される物多数。
「ソフトウェアは通信ですけど、ハードウェアは十代の見目麗しさで邦中から選ばれた女手ばかり」
王城勤めのメイドさんのこと。
地球人類ゲストを含む十数人。
魔女っ娘料理を堪能する選民。
「女の美味しい料理で女も釣るって嫉妬が半分
――――――――――ハイハイ大丈夫大丈夫」
えらく重いから、普通に運ぶなら執事だか、男子禁制エリアを通るからメイドさん。
「男女比と関心の女男方向が更に傾いてますよ
・・・・・・・・・・ハイハイだいじょうぶだいじょうぶ」
魔女っ娘の厨房は軍政司令官私室。
うちの娘たちは特権階級。
だから男を寄せない。
「子供を造る相手にしたい男にだけはマイナス距離なんですよ聴いた話では血族社会の彼女らは自分の血統を継ぎたい習慣が強いですから必要なんです産みたいと感じさせられる優秀な男だけが」
軍政司令官私室専任メイドさんら。
メイド五人衆は犯罪被害者。
だから男を寄らせない。
「特権階級傍だから禁忌があり、特別な禁忌を、禁忌だからこそ狙われる辺りは先進国一般と一部共通ながら欲求不満ぐ無いから悪意100%かよ」
やっぱり生き埋め棺桶にすべきだったよなぁ~呼吸だけ最小限に確保して土の臭いいっぱいにしてトラウマいっぱいの~即死ミンチじゃなくてさぁ~南部密林で吊るし小型虫の餌でもいいけど。
「焼かない埋設処理はNG」
いや5m以上掘って3mに石を並べるから地表に出て来ない大丈夫。
「それ発覚しなかった頃の連続殺人犯の手順ですよね」
ちゃんとスコップでやりました。
「重機使えや」
女子どもは無理しないように。
「衛生兵の基本は穴掘りですから大丈夫です焼却穴を掘って焼いて埋めるのは手当より先に覚えます治療は最後に戦後か後方でしか出来ないし」
陸海空普通科衛生科所属問わずに行進と穴掘りは兵隊隊員の基本だから。
「ミリオタが知らない世界」
件の殺人犯も兵隊上がりだったんだろうな。
「旧軍なら簡単でしょうねぇ独りで掘削地固め埋設も陣地造りの要領」
そんなもん自衛隊だって簡単だよ。
「治癒魔法で永久に回復させるとかサイコー」
異世界の俺まわりが女の娘ばかりになろうというもの。
「日本では違うみたいなことを」
なにゆえマメシバは俺のプライバシーに詳しいのか。
俺のプライベートに詳しいマメシバ。
元カノは自慢をしても説明しないし。
女の関わらないエピソードは聴けん。
「女か女の子の関わらないエピソードがあるのかという」
男子禁制エリアなんて俺の生活圏に無いからな?
――――――――――異世界だけの特殊事情。
「特定の男が女の子たちと睦あってる処に踏み込む男の子はいないと思われ結果として女ばっか」
いやいや女とセックスしてる最中ならばむしろ踏み込むだろう、俺ならやるしやられたし。
「たいちょーが女と始めたのを確認してから三佐がたいちょーの近所の女の子たちを連れて踏み込んで来たせいでドS二人以外は新しい扉を開いてしまったとかいうアレでは」
近所の兄ちゃん姉ちゃんの最中にタイミングを測り踏み込んだのは悪いことだったと反省した瞬間。
「反省したから善いよねって繰り返して大人になるからこんな男になれたんですよ」
マメシバ。
・・・・・・・・・・いや、剥いたこと、ないな。
「断言がムカつく」
声をかけた女は皆、憶えているし。
観掛けたなら佳い肢体は忘れない。
知り合ってるなら処女な訳がない。
「成功率は延べ1%では?」
いやいや俺が口説けてるとは限らないが、口説かれてこそ男を意識するから、必ず誰かが口説いてる。
「男に口説かれるのはむかしっから日常なんですけど」
下心ってキモくない?
「キモいキモい♪︎ウケるウケる♪︎♪︎」
鴨がネギ背負ったらハンティングじゃないんだよ。
「先進国男性を全否定」
先進国の女には相応だろ。
「人跡未踏の地でガールハントするハンターって生態系のバランス壊す奴」
まな板の上で跳ねる鯉を嗤っている女
――――――――――おまえが処女な理由。
「スポーツフィッシングもレジャーハンティングも嫌いなんで」
真面目な奴。
「!?」
だから女の子の見本には出来ない。
三人。
八人。
十三人。
メイド長は、未成年、かな?
間違いなく女は元カノ、マメシバしか比較見本に使えない。
間違って突っ込み煽る元カノ、マメシバは倣う見本に使えない。
女二人。
ダメな二人。
俺か女以外は嫌がる娘たち。
俺が居ればなんとかなるんだが。
・・・・・・・・・・一気に増え過ぎ分担が追い付かなかった。
普段であれば、造れる。
おっきい子から、ちっちゃい子へのライン。
俺は曳いたり弛めたり。
子どもサイクルで解消される、お手伝い心。
はい。
時間が無かった。
娘どもたちサークル形成、中心が俺。
――――――――――集中、ってか執着。
いや、異世界の娘たちが大人び過ぎているのも、あるんだが。
「二人以外は成長期終了してるんだから肢体も大人で心が大人びてたら、それ大人でしょ普段から日常的に肢体を弄んでるのは女!」
などと大人気ない女しかいないから俺に集まる、お手伝い。
「スルーか!女を無視するの慣れ過ぎ!話を聞いた上でスルー!しかもスルーしてるとアピール!スルーじゃないやん!そ~いうとこ!話を聞いて真っ正面から踏みつけるから女に囲まれるんですからね!」
甘やかされて、どうする。
うっかり甘んじてたからね。
甘やかしかたが足りなかった。
娘どもたちの御手伝い心を満たす為に、なんでもいいからなんかやらせる。
「盃とか左手とか右手とか」
解説はマメシバ。
「料理のメインが器ってのは良くありますが」
魔女っ娘料理は常にメイン。
「とはいえ盃の工夫もスゴい」
飲んでないのに良く判るな。
「女が女から口移しされてたまるか百合って女からしたら気持ち悪いなんてもんじゃないですからね男から観たBL並みに気色悪いです性欲だけ人並み外れて強いのに異性と繋がる力がマイナスに吹っ切れた結果に産まれるキチガイ」
雰囲気は解った。
黙々と食べ続ける。
「皆、話す余裕ないし」
会話はマメシバと。
「一人で話すスタイル」
読まれてるからね。
「独り言とは思われず」
口は食べるに集中。
「おっき過ぎますから」
美味しいからね。
言葉は不要。
「たいちょーに弄られっぱなしの皆は会話どころじゃ」
俺が料理を楽しんでるのを解って、その自慢が魔女っ娘のドや顔。
「褒められなくて不満って人は、不味いと言われない幸福に気がついてないんですよねぇ」
造ってあげてるのに、って輩もな。
「あげてるってレベルか自覚出来ない辺り五感が麻痺してるんですよ貧乏飯しか知らない」
もちろん魔女っ娘は疑い様がない。
俺を観れば自分の料理が解る。
もちろん、皆も一緒に食べている。
皆を観れば、美味しいと判る。
正常な五感があれば、当たり前。
他人からの評価も。
己の立ち位置も。
身の程さえ知れば誰もが幸せ。
・・・・・・・・・・世間に幸せが溢れている訳。




