表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編・詩 全般

絆創膏

作者: 些稚 絃羽

唇噛み締めて涙を堪えた もうこれで何度目だっけ

良かった時なんて あったかどうかも怪しくて 

いつまでもここにいる様な そんな気さえして


木枯らしが身体に鞭打つ度 心までもかじかむようで

いっその事 そうなってくれたらいいのに

心だけは一人前で 今日もまた唇を切る


晴れたって また曇っては 雨が振って

今日の痛みは小さくても 明日の傷が深くなる

作り笑いもできなくて でも泣いたら負けな気がして

何との勝負かも分からずに 傷だらけの右手を突き出した


逃げられなくて 逃げる勇気もなくて

近くの声が遠くて それでも何故か煩くて

全てが怖くて いつしか心は乾いていた―――



傷ついた指に巻かれた絆創膏 優しくなんてしないでほしい

微笑んだりしないでほしい 壊れてしまいそうになる

今だけのものだと 忘れてしまいそうになるの


抱き締めたりするから もう何もわからなくて

暴れたって解けてはくれなくて 寧ろ縺れるようで

伝わる鼓動に 私も生きてるって実感した

ずっと怖かった そう初めて言葉にする

頷いてくれるだけで 満たされていく気がした


見上げた夜空の星 流れてなんかいないけど

少しだけ変わりたい そう願った

絆創膏に秘めた温もりが 私を少し強くさせた


流れた涙は拭わずに行こう

それは明日笑う為の助走になるの

そう教えてくれたから


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ