絆創膏
唇噛み締めて涙を堪えた もうこれで何度目だっけ
良かった時なんて あったかどうかも怪しくて
いつまでもここにいる様な そんな気さえして
木枯らしが身体に鞭打つ度 心までもかじかむようで
いっその事 そうなってくれたらいいのに
心だけは一人前で 今日もまた唇を切る
晴れたって また曇っては 雨が振って
今日の痛みは小さくても 明日の傷が深くなる
作り笑いもできなくて でも泣いたら負けな気がして
何との勝負かも分からずに 傷だらけの右手を突き出した
逃げられなくて 逃げる勇気もなくて
近くの声が遠くて それでも何故か煩くて
全てが怖くて いつしか心は乾いていた―――
傷ついた指に巻かれた絆創膏 優しくなんてしないでほしい
微笑んだりしないでほしい 壊れてしまいそうになる
今だけのものだと 忘れてしまいそうになるの
抱き締めたりするから もう何もわからなくて
暴れたって解けてはくれなくて 寧ろ縺れるようで
伝わる鼓動に 私も生きてるって実感した
ずっと怖かった そう初めて言葉にする
頷いてくれるだけで 満たされていく気がした
見上げた夜空の星 流れてなんかいないけど
少しだけ変わりたい そう願った
絆創膏に秘めた温もりが 私を少し強くさせた
流れた涙は拭わずに行こう
それは明日笑う為の助走になるの
そう教えてくれたから