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12☆World  作者: おしゃかしゃまま
2112年7月6日(水) ポーション☆クサリ槍☆友情
36/85

第34☆

 「えー……2000年代の……中国などの低賃金労働者による……このデフレとインフレの境目になった………を暗黒の谷といい……私達超高性能人工知能、AIが開発されるまで続きました。これにより資本主義は終わり、今の……主義へと……」

 

 と世界史を教えてくれる、人工AIを搭載したロボット教師、レキシン先生が眠くなる授業をしている。


 今は5時間目。

 お昼ごはんを、壮絶な学食戦争に参加出来ずに困っていた1年生と食べた僕は、机に伏せている。

 昼飯を食べた後の授業を起きていられるだろうか? 

 いや、いられない。


 僕と同じ考えを持つ同志達は全員机に伏せている。


 歴史の人間の先生である……えー……と、なんだっけ? 

 名前が思い出せない。

 この先生に教えて貰った事ないしな。

 とにかくそのハゲた先生も教室の後ろで寝ている。


 (……この糞爺!!  こんなんだから、日本は遅れているんだよ!  やる事無いならさっさと教師止めちまえ! 無理やり仕事をしようとするな!)


 とかどうでもいい悪態を心の中で吐きつつ。

 今日聞いたクラスメイトからの12☆Worldの情報でも整理しようかな。


 クラスに12☆Worldを購入していた人は僕を除いて3人いた。

 予約していたけど届かなかった人もいて、おおよそ半分のクラスメイトは夏休みまでにプレイするらしい。


 一応、12☆Worldの初出荷本数は200万本だが、その人気からドンドン生産しているらしく、12億という賞金もあって、今予約しても手に入る頃には夏休みは終わっているらしい。


 そう言えば、賞金ってどうなるんだろう? 

 プレイ人数×600円だから、とんでもない事になるんじゃなかろうか?


 まぁ、僕には関係ないことだが。手に入れれないだろうし。


 とにかく、今はマキのためにB稼ぎの情報整理だ。

 テクニック的な話もあったけど、その検証は実際にプレイしてからだ。


 昨日からプレイ出来ていた人たちの声を盗み聞きしていると(ちなみに、購入している奴らは、女の子を除き、僕の苦手なタイプだった。1人は暴走族に所属しているという噂の奴。ロンリーウルフとかいうギルドで盾役をしているらしい。もう1人の男はロリコンだった。女の子、金田(かねだ) 凛華(りんか)に情報を聞こうとしたが、話しかけると慌てて逃げて行ってしまった……チクショウ)


 子守の森にいるモンスターを1体倒すと、だいたい5B。

 それで、剥ぎ取ったアイテムを売ると10B稼げるとの事だ。


 うーん。どちらにしろ、マキから西の島に行くことは禁止されているので関係ないが、モンスターを倒してのB稼ぎは厳しそうだ。

 やはりここは正統に行こう。


 ロリコン男も

 「昨日栽培していた薬草を朝収穫してポーションに変えたんだが、一つ300Bで売れた。付加価値を付ければまだ値段も上がるし、序盤の金稼ぎはやっぱりポーションだな!」

 と言っていた。


 うむ、やはりポーションか。

 お決まりだしな。

 ロリコン男と同じ方法をとるのは正直嫌だが、可愛い妹のために我慢しよう。


 今日、12☆World内でポーションを作って売る!

 一つ300B。

 100万Bを稼ぐには3千本くらいか。

 3千本のポーションだ。

 ポーションを作る為には……

 そして作ったポーションを売る為には……

 とポーションを作って売るイメージトレーニングをしながら夢うつつになっていると、


 「秀早紀さん! コレについてアナタはどうしたら良いと思いますか?」

 とレキシン先生に当てられてしまった。


 レキシン先生が示している電子黒板には、

 【今の日本を過去のような経済大国にするにはどうすれば良いか?】

 という壮大なテーマが書かれていた。


 半分寝かけていた僕はこの質問に


 「ポーションを作って売ります」


 と答えたのだった。


 一応注意!

 今回のお話で資本主義が終わったって言っていますけど、じゃあこの世界が共産主義かというと、違いますからね。


 ルーズ「資本主義? 共産主義? なんニャ? それ?」


 中学生から勉強し直してください。


 ルーズ「ニャー! 猫だから勉強なんて無いニャー!」


 いや、お前……


 ルーズ「ニャ?」


 ……なんでもないです。


 まぁ、この世界の経済体系は色々と作者の妄想が混ざっていますので、そこまでお気になさらずに。

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