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クシャミ令嬢参上!

作者: satomi

数ある中よりこの小説を選んでいただき、うれしく思います。楽しく読んでいただけると嬉しいです。

(今日も我が家は朝から騒がしいわね……)

 我が家は公爵家。お父様は宰相を務めている。お兄様がその後を継ぐ予定。



「お嬢様はこちらのドレスがお似合いかと、あぁでもこちらも捨てがたい。どんな服も着こなしてしまうから。でも、スタイルは最高ですね」

 いつものようにドレス担当の侍女は言う。

「違います!お嬢様は女らしい体形に美しく成長なさりました。どんな服装も、お嬢様に着られるのです」

 鼻息も荒くおつきの侍女、マリアは言う。



(当然よ。私が今までどれだけの努力をしてきたと思ってるの?スタイルキープのためならって)

「御髪も美しく、ああ羨ましい。私なんて昨日の夜からどんな髪型にしようかと考えていましたもの」

(髪?美しくて当然。このプラチナブロンドの髪に傷をつけてなるものですか!)

 私は髪型も整えられて父上に呼ばれていたので、お父様の書斎へと行く。



「ああ、やっと来たか」

 女の支度には時間がかかるのです。お母様で学習しなかったのかしら?

「話はだな?今日の服装なら大丈夫だな。王太子主催のパーティーでお前の社交デビューが決まった」

「えーと、かいつまみますわ。そこで偶然私と出会った王太子様が恋に落ちるという話ですか?それで私が王太子妃、次期王妃になるわけですね?」

「まぁ、そうだ。くれぐれも、粗相のないように!特にお前はアレをしないようにな。社交会場は

埃だらけだろうから」

「そうですわね。わかりましたわ。未来の王妃に向けて!」



 マリアは興奮する。

「お嬢様、流石です!このマリア、一生仕えていきます!」

(マリアも結婚しなさいな)

「ありがとう。マリア。嬉しいわ」

(一生はないだろうなぁ)

「お嬢様、くれぐれもアレは社交会場で披露しないように気を付けて下さいまし」

「お父様にも言われたわ、アレばっかりはどうしようもないんだけど。気を付けるわ。としか言えないかしら?」

「そうですよね!でもでもお嬢様の美貌の前では殿方などイチコロですよ!私も男性で身分が高ければ……と思いますもん!」

(本当にアレが出ないことを祈る。どこの宗教にも属してないけど、全神々に祈る!)



社交会場にて

 マリアも随行していた。

「はぁー。すごいですねぇ。それにしてもお嬢様が一番キラキラしています!」

「ありがとう」

(今、この時のために生きてきたと言っても過言ではないわ。それにしても……埃っぽい。王城なのだからもっとしっかり清掃しなくてはならないのでは?)



 あら、男性がこちらに来るわ。ダンスのお誘いかしら?えーと、お父様?へ、お父様は王様と御歓談中ですか。どちらの方ともわからないのですけれど。ファーストダンス、この方でいいのかしら?


「申し遅れました。私、マルクス・コーデルと申します。美しいお嬢様、一曲踊ってくれませんか?」

 あ、この方が王太子様?意外と普通の方。王子様タイプではない感じ。お父様の若い頃の方が男前だわ。別にファザコンじゃないですけどっ!

「喜んで!」

(かなり、ガッカリー。イケメンの長身でできる男、THEハイスペックをイメージしてただけにダメージが大きいわ……)

 私はダンスなども淑女の基本として学びましたし、完璧です。

(周りが見てる。まぁ、当然よね。私のダンスは美しいもの)

 あ、やばい。こんな普通の男の前で……。公衆の面前で……。

 



 ふ、ぶへぇーくしょーいぃぃぃぃ!!!はぁ…。

 


 うん、流石にみんな引くよね。なにが起きたんだって感じだよね。そうです。完璧淑女の私がクシャミをしました。

(なーんでこんなに埃っぽいのよー!!)

 流石に会場全体に響いたようで、お父様が顔面蒼白で近づいてきた。

「即刻帰るぞ。お前は、奇病という事で」

「何よ、奇病ってー」

帰るのはいいんだけど、居た堪れないからさ。



 翌日、社交界で私のウワサは広がったようで、前日までは完璧淑女の才色兼備だったものが、クシャミひとつで『完璧なのにクシャミが残念淑女』ということになった。

 


私の人生計画が……そして家での侍女たちの対応も変わってしまった。残念淑女に仕えていたという前歴があってはとうちから勤め先を変える者が多数出てしまった。

 「なんなの!クシャミひとつじゃない!」とマリアに愚痴っても、「人のウワサというのは恐ろしいですからね。自分が見たもののみを信じればいいのに、ウワサを信じるなんてある意味滑稽ですよね」とフォローしてくれる。その心が痛い!

 

「あーもうっ」と私は机に突っ伏した。

(女性として社交界に出ていくのは無理があるなぁ。それなら、いっそのこと……)

「お父様!」

「旦那様は今日も書斎におられます」

「行くわよ」私はマリアを連れていった。



「お父様。私、今後宰相補佐として働きますわ」

「何を言ってるんだ?宰相補佐の座はお前の兄がしているだろう?」

(ふん。私より早く生まれただけじゃない。私は武術も算術も何でもできるのよ?お兄様なんてちっぽけよ)

「お兄様よりも私の方が優秀じゃない?」

「……ゔ。それはそうなんだがな……」

「それに、お兄様はこの家と爵位が手に入ればいいんでしょう?何も宰相補佐でなくても。というか宰相補佐が二人いてもいいじゃない?」

「それじゃあ、とりあえずの軽い試験だ。この書類。どう思う?」

「誤字・脱字はないですね。数値は暗算したところ問題はありません」

「だよなぁ。お前はできる子なんだよな。私は構わないぞ。兄と喧嘩するなよ?」

「武術にしても私の方が勝っています。ご心配なく」

「王様には私の方から伝えておこう。後日正式に任命されるだろう」

 やった。ヨユーね。お兄様、私より弱いし。口喧嘩でも負けないし。大丈夫。




(この人が王か……なるほどね。王太子が普通の容貌なわけわかるわ)

「そなたが、公爵家の令嬢、リリスか」

「はい」

「そなたに宰相補佐の任を命じる。尚、この人事はあまり例を見ないものであるからして。ゴッホン」

「外には口外しないように。ということですね?」

 王が首肯した。

「確かに承りました。詳しくは、父、いえ、宰相にお聞きしたいと思います。では御前失礼します」

(偉そうに。・・・・・・って偉いのか。でも宰相がいないと結構なんにもできないボンクラなのよねー)



「宰相閣下」

「あぁ、リリスか」

「補佐と呼んでください。私の仕事は何でしょう?」

「それなんだがなぁ?。奇しくも、王太子の仕事の調整だ」

 あのヘボ王太子のかぁ。どんな仕事してるんだ?

「王太子様だって王様の補佐の仕事をしてるんじゃ?」

「王太子ソロの仕事だってあるんだ」

(へぇー。王太子も結構面倒なもんだ。王族より貴族の方が楽かも)



「さっそく王太子様の仕事をチェックした」

(なにこれ?誤字脱字のオンパレードじゃないの?で、本人は今どうしようと?)

「王太子様は?」と私は王家の王太子付きの侍女に聞いた。

「最近婚約をした侯爵家の令嬢と観劇の予定です」

(はぁ?仕事しろって!侯爵令嬢も仕事ができる男の方がいいだろ?それとも王妃の座が欲しいのか?)

「直接交渉ですね……」

 面倒だなぁ。でも、仕事だし、私は頑張ろう!



 王城の庭で王太子を発見。侯爵令嬢と歓談中ですか?それはそうと……

「王太子様!仕事がまだ山のように残っています」

「あぁ、それやっといて」

(なんですか?その態度は!そこの侯爵令嬢!尻でも叩いて仕事をやらせなさいよ!)


「これは王太子様の仕事です」

「よく見ると、お前は『クシャミ令嬢』じゃないか?」

 侯爵令嬢は扇で顔を扇子で隠してせせら笑っているようだ。

(見えてるんだけど……)


「宰相補佐をしております。故にこのような事を王太子様に言うのです」

「そうだねー、私に勝負で勝てたらお前の言うとおりにしてやるよ。男の力に女が敵うかよ」

王太子はせせら笑うけど、正直余裕じゃない? 

(態度デカいなぁ。権力あるからこうなるのか……)

「いいでしょう。二言はないですね?私は各国の書物を読み知識を増やしていますが?」

「知識で力はつかねーよ」

(うーん、力をいなすとか利用するとかはできちゃうんだよなぁ)

「では、失礼します」

 

私は王太子様の袖口をつかんで投げ飛ばし、地に転がし跨り、その顔面に拳を突き付けた。


「えー、これで。私の勝ちでよろしいでしょうか?二言はないんですよね?」

 流石に王太子様は黙ってしまった。

 侯爵令嬢は「不敬罪ですわ」とか言ってるけど、これは双方がOK出したうえでの勝負だし。

「では、王太子様は執務室へ戻っていただきます。侯爵令嬢様、心配なさらずに。私はこのような貧弱な王太子様にはちっとも興味がございませんから。今の興味は如何に自分の仕事をこなすかですわ。失礼します」

 と、王太子様を執務室へ連行した。

 



誤字脱字がヒドイし、計算間違いもヒドイ。こんな文章にサインしろってのが無理ってもんだろう?王太子様のスケジュールも管理したいが、この仕事の悪さはないわー。

(どうしようか?この酷さは廃太子ものではないだろうか?ここまでだとちょっと手の施しようが……。これから今後教育しようにも、本人が女にウツツを抜かすようだし)

 


「宰相、王太子様ですが……」

「言わずともわかる。廃太子か?」

「確か第2皇子がいらっしゃいますよね?その方はいくつでいらっしゃいます?優秀でしょうか?どうも、今の王太子様が王様っていうのはちょっと無責任かと思います」

「お前も思ったか……。それなんだよなぁ。第2皇子は20才。王様になるような教育を施してはいるはずだが、実際の陛下はどのようにお考えなんだか……。実に胃が痛くなるような問題だ」

「今日は王太子様、書類に不備が多くてやり直しを思ったら、侯爵令嬢と観劇の予定と。そのうえ、本人から『やっといて』と言われました。このままではこの国が滅んでしまいます」

(思い返しただけで腹が立つ~!顔面あのまま殴ってやればよかったかしら?)

「お兄様は今までよくあの王太子のお世話をしてましたね」

「あぁ、それは感服するところだ。しかし、国を考えると良くない。甘やかしても良くないのだ」

「そんなだから、あんな王太子様になってしまったんじゃ……」

「そこは考えるな……。陛下には明日聞いてみる」




 翌日

「宰相からお前の素行の悪さ、仕事への態度の悪さなどを聞いた」

「父う……陛下!それは違います!この国を思ってるからこそ」

(どの口から言うかなぁ?)

 私もお父様もお兄様も傍にひかえている。

「仕事第一でないといけないというのに、お前は女にウツツを抜かしていると?」


「市井の様子を見てこようとしていました」

「恐れながら陛下、それは私が王太子様に仕事をしてくださいと言いに行った際ですね?詳しく言いますと……」

「『クシャミ令嬢』が口を挟むな」

「王太子よ、今何といった?彼女は宰相補佐であるぞ?そこらの令嬢とは違う。それはわかっているのか?」

「……」

「続けます。あまりにも王太子様の仕事の出来が悪くてもう一度やり直しをしていただきたく、婚約中の侯爵令嬢と観劇に行く前の王太子様にリテイクをお願いしました。すると、「やっといて」というような言葉が私に向かってきました」

「ほう、お前は自分のミスを他人にやらせるのか?そして自分は市井の様子を見てくるとな?」

(観劇中なんて。城と劇場の間は馬車だし、劇中のどこに市井の様子なんてあるのよ!)

 王太子様は黙ったままだし、このままどうなることやら。


「宰相、どう思う?」

「そうですね、今から王になるべく教育というのは不可能かと思います。王太子様がこのようなままで陛下になられるとおそらく国が滅びます」

 

うん、私も思う。早いところこの国を出て行こうってなる。

「だそうだ。王太子よ、お前はどうする?」

「私はどうすれば……」

(権力固執をやめれば?)

「わが国には運よく第2皇子がいる。そちらを王太子として迎えよう。つまり、お前は廃太子だ。王族に残れただけでもありがたく思え。他国に害をなしたわけでもないし、ただ王の器ではないということだ」

 うなだれてるけど、自業自得だろう?そして、今まで蝶よ花よと育たれてきたのか?どこの令嬢だよ?全く困ったもんだ。国を支えるって自覚が産まれおちた瞬間からあって然るべきなのに。

 ということは、私は今後第2皇子を王太子様として仕事のサポートをするわけね。どんな方だろう?

 

 翌日、王太子の廃太子が交付された。同時に王太子の婚約破棄も。

 (あの侯爵令嬢、どんだけ王妃になりたかったんだ?)

 翌々日、第2皇子の立太子の儀式が行われた。

 ついに第2皇子を見れるのかぁ。どんな方だろう?陛下と第1皇子を見ると希望はなくなるんだよね。王妃様に似てるといいなぁ。王妃様は美形でいらっしゃるから。

 恭しくも立太子の儀式をしている。けれど、私は第2皇子を見たいなぁと思い続けた。

(ウソっ目が合った。……けど、鼻で笑った?)

 


謁見の間で対面となった。

「王太子よ、こちらがそなたの補佐をする宰相補佐のリリスだ。私の補佐の宰相の娘だ」

「存じておりますよ。有名人ですから」

(そうでしょうね。『クシャミ令嬢』ですから!)

「初めまして、リリスと申します。これから補佐をさせていただきます」

「私の名前は、ウパク・コーデル。よろしく。それと、私は補佐が必要ないと思うけど?」

「私の仕事が減るのはいいことです。宰相補佐なので、ウパク様の補佐が少なくなった分は宰相の補佐をしますよ」

「頼もしいな、期待してるぞ。二人とも」

「「もったいなきお言葉です」」

 


うーん、ウパク様はどうやら王妃様に似ているようだなぁ。背も高いし、自称仕事ができるし、イケメンだし。なんで似てないかな?兄弟。


 さて、早速仕事をしますか!

「王太子様!この書類にサインをお願いします」

「もうしてない?」

 よく見ると、もうしてあった。

「申し訳ありませんでした」

「ところでさぁ、あんた『クシャミ令嬢』だよねぇ。それで有名人なんだけどさ。俺は別に気にしてないけど。それでさぁ、あんた俺の婚約者にならない?」

 はぁ?何考えてんの?今は仕事中なんですけど。

「俺は見てたんだよねー。クシャミだけじゃん。あとは完璧だし、こうして宰相補佐もできるし、兄貴にも勝てる」

 それも見てたのか……。

「仕事中は仕事をしてください」

「だってー、俺は仕事終わっちゃったんだもん」

 何ー?!と驚きたいけど、それならそれで……。

「私は宰相閣下の仕事の手伝いに行きます。失礼します」

(あまりの展開だけど、どうしたらいいもんか。とりあえず、宰相。お父様に相談しなきゃだろうな)



「お父様」

「仕事中は宰相と呼べと言っているだろう?」

 TPO的に“お父様”だろう?

「で、用件ですが。先ほど立太子をした王太子様より婚約者にならないかと言われました」

 さすがに動揺したようだ。椅子から立ち上がって、私を凝視した。

「それは早急に返事をしなくてはならない。というかうちにNOという選択肢はない」

 ですよねー。この国で、皇太子様に言われたらほぼ命令ですよねー。

「では、そのように返事をします」

(けっ、あのへぼ皇子に逆襲ってわけよ。ざまーみろだわ。向こうは廃太子。私は王太子妃よ!)



「王太子様、先ほど打診があった婚約の件、お受けしようと思います」

「そうだと思った。そうすれば、ヘボ兄貴ざまーみろってか?」

(なーんで兄弟、仲悪いんだろうか?事実だけど。言ってることすごいな。)

「まぁ、否定はしません。では、私は今後ウパク様の婚約者という事で構いませんか?」

「宰相補佐の仕事も続けて構わない。好きなように動け。俺を好きになる必要もない」

 そういいながらも、ウパク様は私の顎を持ち上げ顔を近づける。

(美形眼福!……じゃなくて、近い!近い!)

「なんだ、このくらいで赤面して可愛いとこあるじゃねーか。隙がない感じがしたのにな。これは楽しめそうだ」

(私はあなたのおもちゃじゃないのよ!……まぁ、美形は眼福だし、嫌?ではないけど……多分)


「親父には言っとくな」

「陛下とお呼びした方がよろしいかと思いますが?」

「お堅いな。二人きりだからいいじゃねーか?おまえもその猫かぶりをやめたら?」

(ウソっ。バレてる!屋敷の者にもバレてないのに。)



 翌日、ウパク様に呼ばれた。私も宰相補佐の仕事があったんだけど。

「親父もオッケーって」

(マジか?陛下はそんなに軽くないでしょう?)

「えーと、それでは今後よろしくお願いします。それとですね、これは宰相補佐の仕事です。この書類の意味わからないんですけど?」

「宰相補佐ともあろうお方がわからないとはいったい?」

(だってこの国の言語から遠く離れた国の言語で書かれているんだもの。)

「この国の近くの国の言語なら読み書きに不自由しませんけど、これはどこの国の言語ですか?」

「んー?俺が放浪して東の方に行ったときに覚えた言語。この国の言語に直す?」

「そうして頂かないと仕事が進みません。以後、この国の言語で書類を処理してください!」

(できる男も面倒臭い。自分はできるアピール?仕事は仕事としてきちんとしてほしいもの)


「えー、仕事から離れますね?何で東の方へ?」

「俺の名前、ウパクって変わってるだろ?この国とは違うんだよ、母親の故郷。あ、王妃は俺の実の母親じゃないからな。実の母親の故郷が東の方なんだよ。で、墓参りとか、どんなとこだろ?とかそんなんで東に行った。そして覚えた。わかったか?」

(うーん、ということはヘボ元王太子はただ王妃に似なかったという事か……)

「私は浮気な男性は好みませんよ?それと、次期王妃として王妃教育をしなくてはならないのでは?」

「しっかりしてるねぇ。あんたならちょっと勉強すればすぐできるだろ?宰相補佐も難なくできてるし」

「まぁ、そうですけど……」

 いいのでしょうか?陛下の意見は?



「陛下!私は王妃教育しなくていいのでしょうか?」

「だって、君はできるでしょ?ちょっとすれば。あと君が王妃となるために必要な事ってちょっとしかないし」

「そのちょっとが重要なんじゃないですか?」

「でも、だいたいできるから私は心配してないんだよ。大丈夫、大丈夫」

 ……ちょっと楽観的ですわよ。

「公表は早いほうがいいか。王太子に婚約者がいないのはちょっとなぁ。というわけで、今度の王太子の誕生日パーティーの時にでも発表しよう!」

「……陛下。お言葉ですが、それって明後日では?」

「そうだなぁ」

 陛下!顔が笑ってるって!なんかいたずら成功!……みたいな。

「王太子から早急にリリスにドレスを送るように手配をしよう。楽しみだなぁ」

 あぁ、楽しそうな陛下とはうらはらに私はこの親子に振り回されてるんですけど!

「そういえば、廃太子となられた第一皇子の母君の現王妃は?」

「同時にマルクスとどっかに行った。故に今、王妃の席が空いてるんだよ。困った。そこでだ!宰相補佐兼王太子の婚約者としてこの国の外交もやってほしい」

 随分突然の依頼だけど。陛下からのお願いは断れない。しかも絶対『困った』って嘘くさい。

「謹んでお受けします。私にできないこともあるでしょうけど、懸命にやらせていただきます」

「うん。そこは結構放浪してた皇太子も手伝ってくれるだろう」

(そうでしょうか?結構腹黒いことがわかってきたけど?)



 うーむ、私の考えとはうらはらに事は進んでいる気がするけど、まぁ結果オーライ?

 結果的に私は皇太子妃になるわけだし。

 東の国の言葉、私も覚えるべき……でしょうね。義理の母になるわけですし。

 いろいろ面倒だなぁ。

 ぜーんぶ、あのボンクラ前皇太子がもっとできる男だったらって話よね。そのとばっちりを私が受けてるみたいでちょっと不満。

 


 婚約発表は恙なく行われた。

(普通よね。またクシャミしたら変わったのかな?)

「おい、クシャミしたら……とか考えてるわけじゃないだろうな?」

(すごいな、テレパシー?でしょうか?)

「顔に出てるぞ。あのなぁ、俺はそんな些末なことにこだわるような器の小さい人間じゃない。それにだ!俺はずっとあの兄、尊敬してないがな、が羨ましかったぐらいだ。後々お前が手に入るんだからな」

(はい?)

「えーと、それは……?」

「所謂、愛の告白というやつだな。国を支えるにしても重要なパートナーだし、人物としても最高だ」

(褒められたこと……家の使用人にしかないからよくわからんが。褒められてんだろう)

「俺をどう思っているかは知らんが、俺はこんな感じだ」

(へぇ~)


 私は王太子をどう思っているか?難しい問題だなぁ。


 とにかく対外的には婚約発表もしたし、ボンクラにはおさらばよね。

 難しい問題はゆっくり考えるとしよう。

 私の復讐終わり!あとは問題を考える!































読了ありがとうございました。

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