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【完結】悪役令嬢は引きこもりたい  作者: MURASAKI
エンディング
91/92

【派生ルート】アメリアエンド

アメリアを選んだ場合のifエンディングストーリーです。

最後にキャラのイラスト付き初期設定(最初に作った設定なので本作の内容とは若干異なります)カードを掲載していますのでお楽しみください。

 ギイイイイイ…………

 お父様にエスコートされて庭に出ると、思った以上に豪華な会場が設置されていて、想像していたよりも沢山の人が集まってくれていた。

 中庭の中央に進むと、アメリアが私の横に駆け寄ってきた。



「わあ、素敵! クロエ、そのドレスとってもよく似合ってる!」



 私が選んだドレスの色は、アメリアの瞳と同じ深い青色のドレス。私の白い肌と赤い髪が映えてまるでガ〇ダ……ゲフン。



「アメリア、ありがとう。これ、アメリアの見立てでしょう?」


「うふふ、分かっちゃった? お揃いなの、私と」



 アメリアが身に着けているのはわたしの目と同じ色の緋色のドレス。なるほど、確かにドレスの形は同じみたい。

 隣に立つと双子コーデになって、とっても可愛いんじゃないかな?

 今日一日、アメリアとほとんど行動を共にしたんだけど、ものすごく心地いい。お互いの気遣いや距離感がちょうどいいし、本当に双子みたいな一体感があるからストレスを感じない。これって凄いことだと思う。



「アメリア、あなたと一緒に居ると本当に気兼ねが無く過ごせる」


「嬉しい! 私もクロエと一緒で気兼ねなくリラックスできるのが嬉しいの。今のクロエは昔のクロエに戻ったみたいだわ」



 今までアメリアに冷たく当たっていたことを思い出し、猛省する。



「アメリア、本当に今までごめんなさい。私、色々思い出してあなたへの嫉妬で色んな意地悪を……本当にごめんなさい」


「ううん! そんなに気にしないで。私だってクロエに嫉妬していたし。才能があってお勉強もできるから、勝手に劣等感を持っていたもの。でも、そんなの過去のことだわ。

 これからも、私とずっと仲良くいてくれる? クロエ」


「もちろん!」



 固い握手を交わして、今まで以上にアメリアとの距離が近づいた気がする。



「ところで」



 アメリアが神妙な面持ちで私に向かって何か言いたげなんだけど、少し躊躇してるみたい。



「アメリア、ここで話すのをためらうようなお話なら、休憩がてら庭を歩かない?」



 手入れされた庭園を二人でおしゃべりしながら歩く。噴水を眺めながら、アメリアが真剣な顔をして私に話し始める。



「ねえ、クロエ。あなたが絵を嗜んでいるのを私は知っているわ」


「えっ……!?」


「ふふ、以前にあなたが留守の時にたまたま部屋に通された日があって。机の上に……なんていうか男性と男性の裸の絵が……やだ、恥ずかしい」


「まさか、あれを見ました……の?」



 思わずお嬢様言葉が出てしまうほどの衝撃を受ける。アメリアは両手で顔を覆って、耳まで真っ赤になっている。

 申し訳ないけど、私の顔も耳どころか脳みそまで真っ赤になってると思う。

 私の描いていたBLをアメリアに見られてしまっていたのだから……穴があったら入って一生出てきたくない。既にエクトプラズムが半分出かかっている。



「その、ごめんなさい。見るつもりは無かったのよ? まさか(あるじ)不在の部屋に通されるなんて思っていなかったもの」


「ソウデスカ……デ、ソレガ・ナニカ?」



 思わず感情を乗せずに返事をしてしまったけど……でも、これは誰にも責められないと思う。秘密を知られてしまったのだから。

 私の秘密──BL(ボーイズ・ラブ)を。



「衝撃を受けたのは、本当よ? あんな男性同士のシーンなのに、背中がゾクゾクして興奮してしまって。その日はびっくりして逃げて帰っちゃったんだけど……また見せてくれないかしら? 親友のよしみで」


「へ?」


「すごくすごーく素敵で、あれ以来続きを読みたいと思ってウズウズしちゃうの。……だめ?」


「まさか、アメリアがBL漫画にハマってるなんて思いもしなかったわ」


「まんが……びーえる……?」



 まさかのアメリアの告白は、想像を超えていた。どうやらアメリアのBLスイッチを意図せず押してしまったらしい。

 しかも、続きを読みたいとまで言ってくれている。私の脳内はパニック状態からパーティータイムに切り替わった。アメリアの両手をがしっと掴むと、大きく何度も頷いた。



「イチからしっかり、教えてあげるね! 私も同好の士(なかま)が出来て最高に嬉しい!」



 アメリアに抱き付くと、時間がフリーズしてスチルが出現する。キャラクターボイスの声優が歌う友情エンディング曲「Colorful Friend」が流れ、脳内に今までの出来事が走馬灯のように流れる。


 曲が流れ終わると、アメリアが耳打ちをする。



「実は私、クロム様とシモン様の二人がちょっと怪しいと思ってるの。いくら主従とはいえ、あんなに忠誠できるものかしら?」


「なかなかやるわね、アメリア。話が弾みそうよ?」



 がしっと両手を握り合い、なぜか今日はアメリアが私の家に泊まることになった。

 今まで描き貯めたBLをアメリアに披露すると、口を押え顔を真っ赤にしたアメリアの、新たな扉が開く音がした。

 BL仲間も出来たし、私の引きこもりライフはこれからもっと楽しいものになりそう。




── アメリアエンド 完 ──


挿絵(By みてみん)

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。

他のエンディングもぜひお楽しみください。

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