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【完結】悪役令嬢は引きこもりたい  作者: MURASAKI
ゲーム中盤
53/92

ご都合展開で引きこも…れない④

 お店に着くと、今度はハルのエスコートで店内に入る。

 私の後ろにはガイウスが控えてついてきて、個室に入ると椅子を引いてくれたりと執事の仕事を済ませると、気を遣ったのか部屋の外で待つみたい。


 しばらくすると、頼んでもらったコースが次々と運ばれてきた。



「これ……! この料理……」


「どうかした?」


「このメイン料理、ボクの故郷の料理。まさか、こんなところで食べられるなんて」



 ハルの目が懐かしさでウルんでいる。

 感動しているハルを見ると、ガイウスが色々手を尽くしたのがわかる。ハルが居なければガイウスのピンチに気が付けなかったのだから……やっぱりガイウスなりに、相当感謝をしているんだろうな。



「実は、今日のコース料理はガイウスに一任していたの。ハルのピークカードのおかげでガイウスは命を拾えたのだから、彼なりに考えたんだと思う。

 何度でも言わせてください、ハル。本当にあの時はありがとうございました」


「ええ!? とんでもない! でも、ボクの力が助けになって良かった」



 ハルは謙遜するけど、本当にハルのおかげだから感謝しかない。

 故郷の味を堪能し、ハルはかなり満足したようで見ているこっちも顔がニンマリしてしまう。和やかな雰囲気のままディナーは終了し、ハルを家まで送る。道中、ハルは故郷の味を楽しめたことが嬉しくて、ガイウスにものすごくお礼を言っていた。

 これは、ガイウスとハルの親密度もかなり上がっていそうな予感。


 馬車から降りてハルを見送っていると、木の影から誰かが様子を伺っていることに気付いたガイウスが、私に耳打ちをしてきた。



「クロエ様、あそこに誰か居ます。こちらの様子を伺っているようですが、どうされますか?」


「え? 本当? 薄暗くて全然わからないですわ。危険な感じはするかしら?」


「いえ、少々敵意を感じますが……ハル様のファンかもしれません。排除しますか?」


「ううん、大丈夫です。今日はこのまま帰りましょう。少し疲れました」


「かしこまりました」



 できるだけガイウスとのやり取りを避けつつ、部屋に戻るとステータスをオープンさせる。



--------------------------------

 クロエ・スカーレット(17歳)

      Lv.23


属性:火・地・風・闇・光


HP(体力)…………… 150

MP(魔力)…………… 6500

ATK(物理攻撃力) … 100

MAT(魔法攻撃力) … 3000

DEF(物理防御力) … 70

MDF(魔法防御力) … 3000

LUK(運の強さ) …… 750


親密度

アメリア(幼馴染)…… 450/500

クロム(婚約者)……… 650/999

ナイル(婚約者の弟)… 700/999

ガイウス(執事|暗殺者) 863/999

ハル(占い師)………… 490/500

ルカ(魔法局長)……… 550/999

ジーン(用心棒)……… 501/999

シモン(近衛師団長)… 545/999


特別スキル

スチル耐性……………… 700

虫の知らせ……………… 825


--------------------------------



「あー、やっぱりハルは食事だけでは500超えないかー。それよりもウエンディ、どうしてLUK減ってるの? 私なんかダメなワード言ったっけ? アメリアの親密度も激落ちしてるんだけど」


「ハイ、LUKが下がった原因はアメリア様にあります」


「えっ? アメリアがなんで?」


「ハル様と一緒に居る所を目撃されております。夕方からは、ガイウス様との親密度が上昇しない方にクロエ様の意識が向いておりましたので、それ以外に作用するラッキーが薄れてしまい、アメリア様と遭遇してしまいました」


「アメリアと遭遇したら何かマズかったの?」


「ハイ、現在アメリア様の攻略対象ターゲットがハル様です」


「えええええええ!!!? 私、本人達は否定したけど……アメリアはナイルのことが好きなんだと本気で思ってたー! それは……間違いなく誤解させちゃうよね? はあぁ……」


「その通りでございます。ガイウス様との親密度は気を張られていたおかげで微増で済みましたが、アメリア様との親密度が下がりLUKも下がりました」


「誤解、解かなきゃだ」


「そうでございますね」



 最後の最後で、落とし穴にハマってしまった気分になる。久しぶりに引きこもれないこと以外で落ち込んだかも。

アメリアの誤解を解きつつ、ハルとの残り10を埋めるって難しくない?


 やっぱり私は引きこもっていた方がいいんじゃないかなと言いかけて、更にLUKが減ってしまうかもと口を閉じた。

 明日、アメリアと学び舎で会うのちょっと気が重いなあ。

 どうすれば良いか思案しながら、私はベッドに横になった。


 いいことが沢山起きた反動で気分の落ち込み方もハンパない。

 明日がこのまま来なければいいのにーっ!

ここまで読んでくださってありがとうございます。

ゲリララッシュにお付き合いいただき、ありがとうございました。

次話は7時更新予定です。

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