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【完結】悪役令嬢は引きこもりたい  作者: MURASAKI
ゲーム序盤
18/92

親密度上げがキツくて引きこもりたい②

 占いのブースに案内されると、真っ暗な部屋一面に星座が描かれていた。

 プラネタリウムの機械が中央に設置されていて、そこから投影されているみたい。床は透明なガラスで出来ていて、360度すべてに星が輝いているように見える。

 まるで宇宙の中に居るみたいな感覚になる。



「わあ、まるで宇宙そのもの。ハルは本当にセンスがいいね」


「ふふ、まるでクロエさんは宇宙を知っているみたいだね」


「一応ね。自分の目で見たことはないけど」


「では、占いを始めるからそこにある椅子に座ってくれる? 寝そべる感じで……そう」



 ゆったりとしたリラックスチェアに背中を預けると、ハルの占いが始まった。



「クロエさん、あなたは遠いところから来たみたいだね。

 ボクたちの文明より遥かに発達している場所だ。そう、我々の神と同じ次元のよう。

 何か、大切なことを忘れているみたいだね……そのことでとても焦っている。違いますか?」


「ええ~!? すごい! 全部当たってる! そう、私、自分の誕生日が思い出せなくて」


「なるほど。それなら、クロエさんのご両親か仲の良いお友達に聞けば解決すると思うけど……」


「はっ! 確かにそれはそうかも? でも、なんかちょっとおかしいと思われないかな?」


「それなら…………うん、クローゼットの右奥にある箱の中にヒントがあるみたいだね。一度確認してみて」


「ありがとう、そうしてみる! でも、力のある人には私のことなんてお見通しなのが、ちょっと恥ずかしいかも」


「いいえ、クロエさんからは何かとてつもない力を感じていたから。でも神と同等の力を持っているなんて驚いたよ」


「私にはそんな力はないけど……魔法系の能力はチートだから、似たようなものかもしれないかな?」


「ボクらにはわからないような言葉を使ったりするところも、神って感じ!」


「そ、そう? このことは二人の秘密でお願いしたいんだけど……」


「勿論! クライアントの秘密は絶対守ります! これでもプロだからね」



 まかせて!と胸を張るハル。二人で顔を見合わせて、ふふふっと笑い合う。

 秘密を共有できて、違う意味で心を許せる人ができたことが嬉しく思う。

 占いの部屋から店舗に戻ると、私はハルにプレゼントを渡していないことを思い出した。



「なんだかハルとは気が合うね。あ、そうだ。これを来る途中でハルへのプレゼントにと思って」



 プレゼントを渡すと、ハルは包みを開けて、ただでさえ大きな目を丸くする。



「待って! クロエさん! 何でこれをボクが欲しがってたって知ってるの? 昨日はじめて会ったばかりだよね?」


「え? ええ。商店で見つけて、ハルに似合うなーって。喜んでもらえて良かった!」


「喜ぶなんてもんじゃないよ!! これ、ずっと欲しいと思ってて、でもボクには似合わないかっこいいデザインだからって諦めてたんだ! いいの? 貰っても?」



 か、かわいい。ハルがクロエより年上とは思えないくらいに。



「ええ、ぜひ貰って! そうじゃないと選んだ甲斐がないし。凄くハルに似合うと思うんだけどなあ」


「ありがとう! 早速使わせてもらうね!」



 時間が切り取られたようにフリーズし、キラキラの背景に花が飛んでいる。

 ハルの一枚目のスチルが発動した。

 スチルで切り取られた時間が元に戻ると、今にもジャンプしそうな勢いでハルは家の鍵を新しいキーホルダーに移し替えている。

 本当に欲しかったんだろうなと、母親の気分でそれを見守ってしまった。

 こうして、ハルとの時間は楽しいものになった。

 これはきっと目標の親密度250を軽く超えちゃっているかもしれない!


 家に戻って、ワクワクしながらステータスをチェックする。



『ステータスはこちらになります』


--------------------------------

 クロエ・スカーレット(17歳)

      Lv.20


属性:火・地・風・闇


HP(体力)…………… 91

MP(魔力)…………… 5000

ATK(物理攻撃力) … 47

MAT(魔法攻撃力) … 1500

DEF(物理防御力) … 21

MDF(魔法防御力) … 2000

LUK(運の強さ) …… 130


親密度

アメリア(幼馴染)…… 420/500

クロム(婚約者)……… 502/999

ナイル(婚約者の弟)… 448/500

ガイウス(執事|暗殺者) 523/999

ハル(占い師)………… 185/500

???…………………… 000/500

???…………………… 000/500

???…………………… 000/500


特別スキル

スチル耐性……………… 100

虫の知らせ……………… 30


--------------------------------


「……え? ウエンディさん? ハルの親密度の上がり方、おかしくないですか?」


『ハル・アプリコット様とは、相性が20%です。親密度は上がりにくい設定となっております』


「ええ!? ってことは、毎日ハルに会わないと……」


『ハイ。毎日ご機嫌を取っていち早く親密度250を目指してください』


「ひえええ!!!」



 ここにきて、相性のハードルがどーん!と立ちはだかる。

 相性が悪い相手の親密度上げるの本当にシンドイのよ、このゲームは!

 LUKが落ちるのなんて気にしない! もう言っちゃう!!



 やっぱり、このまま引きこもってていいですか?

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次話は8時更新予定です。

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