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【完結】悪役令嬢は引きこもりたい  作者: MURASAKI
ゲーム序盤
10/92

効率が悪くて引きこもりたい①

 翌朝、ベッドの中でまだクロムショックから立ち直れない私は、布団を頭からかぶり悶絶していた。

 推し担が変わってしまうかもしれないという漠然とした不安と、今まで感じたことのないドキドキをどうしていいか分からずにいた。



『クロエ様、朝でございます。今日はお菓子を作らないのでしょうか? プレゼント作戦は成功していると思われますが、本日はどうされますか?』


「ウエンディ、私は今日は引きこもりたいの! 外には出たくない!」


『ただいまの発言により、LUKが5マイナスとなりました』


「へ!!? 5!? 1じゃないの?」


『ハイ、せっかく大幅に上がったLUKですので、もっと大事に扱っていただきたいです。ステータスを確認しますか?』


「うん、お願い」



 ウエンディのおかげで少し冷静さを取り戻した私は布団から起き上がり、ステータスを見る。


--------------------------------

 クロエ・スカーレット(17歳)

      Lv.20


属性:火・地・風・闇


HP(体力)…………… 31

MP(魔力)…………… 5000

ATK(物理攻撃力) … 17

MAT(魔法攻撃力) … 1500

DEF(物理防御力) … 11

MDF(魔法防御力) … 2000

LUK(運の強さ) …… 90


親密度

アメリア(幼馴染)…… 320/500

クロム(婚約者)……… 392/500

ナイル(婚約者の弟)… 348/500

ガイウス(執事|暗殺者) 440/500

???…………………… 000/500

???…………………… 000/500

???…………………… 000/500

???…………………… 000/500


--------------------------------



「え? 何かこのステータス、おかしくない? 特に親密度バグってますよ? ウエンディさん?」


『イイエ、バグっておりません。こちらは今朝更新した値となります』


「だって! クロムの親密度おかしくない? 昨日まで200もなかったのに、一気にプラス200も親密度が上がってない!!?」


『説明致します。クロム様とクロエ様の相性は99%です。そのため、元々親密度は上がりやすく設定されています。また、ガイウス様につきましては、昨日は何のアクションもおとりにならず、他の男性と親密にされている場面をご覧になられていますので微減しております』



 他の男性と親密にされている場面をご覧になられています……って、それどういうこと!!?

 やっぱり、あのナイスタイミングでの「コンコン」は、計られたタイミングだったということ!?

 は、恥ずかしい! 今後ガイウスと顔合わせられる? 私!!?


 思い出して、真っ赤になった顔を覆いながら、気になる部分があることに気が付いた。

 あれ? 私ってクロムと相性良かったっけ?


 ゲームプレイの初期設定で、自分の生年月日や血液型を入れて相性が設定されるのだけど、(わたし)のパーソナルデータでは、クロムとの相性は18%で親密度上げがかなり大変だった。

 毎日どこにいるかマップをチェックして、クロムの居る場所にまで出向いて挨拶をしたり、何かしらのプレゼントを送ったり……。

 他のキャラを同時進行で攻略しながら進めるのがセオリーの乙女ゲームで、クロムの場合はそれが容易にできないほど相性が悪かったはずだ。



「ウエンディ、私とクロムの相性が99%って本当?」


『ハイ、このように相性はバッチリでございます』



--------------------------------


     クロム(19)

      Lv.15



称号:親の決めた気になる婚約者


親密度……… 392/500

相性………… 99%

スチル……… 2/8

イベント…… 0/6

討伐回数……  0

プレゼント…  2


--------------------------------



 本当に相性は99%になっている。ということは、今の私(クロエ)の誕生日は公式通りで茜とは違うということになる。

 やば、クロエの誕生日っていつだっけ。

 あんまり気にしていなかった公式の誕生日を思い出そうとするが、すぐに思い出せない。

 まだクロエが十七歳で、ゲームの設定では十八歳だったことからすると……もうすぐ誕生日なのかな?

 そうなると誕生日イベントまでに攻略対象を全員出現させておきたい。


 これは、引きこもってなんていられないのでは?



「ウエンディ、念のため確認するけど……ネットとか攻略サイトとかって、無いよね?」


『それはどういった単語でしょうか。私は存じ上げません』


「知らないならいい。何となく察してたから」



 攻略サイトを見れば、クロエと攻略対象の相性も全員の出現条件も全部網羅できて、いかに効率よく動けばいいのかが分かるのに。


 そういえば、私ってば効率厨だったなあ。最短攻略で、とにかくスチルを全部出現させることにばかり夢中になっていた。

 とにかくキャラデザの奉夢先生のイラストがステキすぎなのよね!

 そう考えると攻略サイトって、本当に便利だったな。

 見たらすぐに情報が手に入るって凄いよね。


 よくよく考えたら、他にも便利じゃない部分が沢山ある。ゲームだったらマップ選択で簡単にその場所に即移動出来るのに、この世界では歩かなきゃ目的地に行けないし。

 当たり前だけど、今思うとゲームの操作って効率が良かったんだな。

 読み込みが遅いだの経由ナシで現地に直接飛べるようにしてだの、色々不満を言ってごめんなさい。


 運営(そら)に向かってごめんなさいと手を合わせると、ウエンディがボーナスのお知らせをしてきた。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次話は8時更新予定です。

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