森の中での出来事 5
その人は、少年のような見た目で、大きなフード付きのマントを着ていて、顔を隠していました。
まるで、顔を見られたくないと見せつけるかのように。
私は、嫌な感じがして、サッと目をそむけてしまいました。
「何だ、お前か。紛らわしいんだよ。不用意にこの家の周りウロウロすんな。」
「あんたにお前と呼ばれる筋合いはないわ。でも、さすがね。あんたの気配感知。」
「そりゃどうも。お前に比べたらまだまだだけどな。」
「謙遜しちゃって。ほんとは同じぐらいだってわかってるくせに。」
2人とも軽口を叩き合っていますが、猫さんの方は見えないところで冷や汗をかいているように思えます。
相当やばい相手なんでしょう。
私は、どうすればいいんでしょうか。
なんか、ここにいるのもだめな気がしてきたのですが。
だからって、動いたら確実にやばいのはわかります……。
「てっきり、2人いるのかと思ったんだけどなぁ。違ったのか?」
「あ、あんた何して……!」
「あぁ?動けないように魔法かけただけだけど?」
「なにやって……!ちょっと、そっちは……!」
あれ?
「ここにも誰かいるんだと思ったんだけどなぁ、な?」
ガサッ、と言う音とともに、光と影が差し込んできました。
これは、確実にやばい。
そろそろとそちらに顔を向けると。
案の定、そのフード少年がいたのでした。
「あ、あ………」
「なぁ、なんでお前はこんなとこにいるんだ?ふつうの人間はいられないはずだし……。しかも、こいつについてきてるし。」
ふつうの人間は、いられない?
「なぁ、お前は一体、何者なんだ?」




