森の中での出来事 4
とりあえず、黒猫さんについていった私ですが。
もう限界です!疲れました!歩けません!
……ということで、木陰で休憩中です。
今までめちゃくちゃ歩いたの忘れてました……。
これ以上歩いたら足が2〜3日動かなくなるレベルです。
それに、この森の空気、なぜだかすごく心地良いんです。
疲れがすぅっと消えていくような、そんな感じがして。不思議ですね。
そんな私を見て、隣で待っていてくれている(?)猫さんが少し目を細めた……様な気がしましたが、きっと気のせいでしょう。
そうして、不思議なことに数分で全回復した私は、再び猫さんと歩き始めたのでした。
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またしばらく歩くと、何かうっすらと建物が見えてきました。
大きな巨木の下にある、木でできた1階建ての小さめの家。
なんだか、見たことあるようなないような……?
これも気のせいですよね。
はっきり見えるぐらいまで近づいた、そのとき。
「止まって!」
「えっ?」
急に、猫さんが焦った声で私を止めました。
「やばい、あいつがいる。いつもはいないから、中にいて驚かせてやろうと思ったのに。」
「へっ!?」
今度は一体、何事でしょうか。
「チッ、あいつもう出てくる。今見つかったらほんとにやばいから、あんたは隠れてなさい。絶対に、ここから動かないで、声を出さないで。」
「わ、わかりました!」
何がなんだかよくわかりませんが、猫さんがそう言うなら隠れてたほうがよさそうです。
私はサッと木の陰にしゃがんで身を隠しました。
どうしてそんなに猫さんを信頼しているかって?私が黒猫大好きだからに決まってるじゃないですか。いつから好きだかわからないぐらい、ずぅ〜っと好きなんです。
私には、それ以上の理由はありません!
私が誰かわからない想像の人に話している間に、猫さんが「あいつ」と呼んでいたその人が出てきたのでした。