森の中での出来事 1
「なぁ、お前はいったい何者なんだ?」
なんでしょうか、この状況。
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黒猫さんに案内されて、森に入った私ですが、大変なことに気づいてしまいました。
私、散歩の途中でした!
多分、誰かがこの場にいたら、「今頃気づくの!?」と逆に驚かれたと思います。
だって、しょうがないじゃないですか!この短い間にいろいろありすぎて、頭に余裕がなかったんです!
今は黒猫さんについて歩いてるだけなので、少し余裕があるんです。
しかし、本当に困りました。家族にさらに心配をかけてしまうなんて、もってのほかです!
ここは、すごく名残惜しいですが、猫さんに謝り、帰りましょう。
そう思い、ふと後ろを振り返ったときでした。
道が、ない?
正確に言うと、森に入った道からはあるのですが、それまでに通ってきたコンクリートの人工の道が見当たりません。
猫さんに合わせてゆったり歩いて来たので、まだ見える範囲にいると思ったのですが……。思ったより歩いていたのでしょうか。
いや、それにしてはさっきと疲れ具合があまり変わっていません。
じゃあ、ここは、どこなんでしょう?
立ち止まって後ろを向いたまま、何故か冷静に考えていたときでした。
「どこ見てるの?まさか、帰るつもり?」
いきなり、凛とした声が響きました。
「………えっ?」
今の、誰の声でしょうか。
だって、今ここには私と黒猫さんしかいないはずじゃないですか。
それ以外に、誰かいる感じは今のところありません。
まさか、木が喋った?いやいや、現実世界でそれはありません。完全ファンタジーです。
一つの確実な選択肢を、何故か認めたくなくて、見ないふりして、ひとりで脳内ボケツッコミして現実逃避していた私に、
「いつまでも何やってるの?とりあえず、こっち向きなさいよ。」
現実は、降ってきました。
もう無理だと悟った私は、諦めて、そろりそろりと前を向きました。
「なに?」
すると、やっぱり、凛とした声で喋る、黒猫さんがいたのでした。




