いつもの散歩道の、不思議な出来事 2
向こう側に回った私は、驚きました。
なんと、黒猫さんは怪我をしていました!しかも腕に切り傷!動けないわけです!
悩んだものの、やはり、傷口に菌が入っては大変だと思い、病院に連れて行くことにしました。
勝手に抱き上げちゃって、ごめんなさい!
思って、抱き上げた瞬間でした。
なんと、一言も発していなかった猫さんが、
「ニャ〜ン」
と鳴いたのです!
「はわわ……鳴き声も可愛すぎます……じゃなくて!」
思わず声に出てました!恥ずかしい!
自分で自分にツッコみ、病院の方向へ歩き出しました。
すると、また猫さんが鳴き出しました。しかも、少し動いています!
「あっ、だめですよ!傷口が開きます!」
声をかけても動き続け、お腹を上にした体制になりました。ここまでは良かったんです。
なんと、腕をある方向にむけて、「ニャン」と鳴いたんです!
まるで、何かを示しているようで。
私は、その方向を見てみました。
ただの道でした。
な〜んだ。と思いながらも、なんとなく気になって、そちらの方に歩き出していました。
猫さんの策略にハマっていることに気づかずに。
○●○●○●○●
「こんなところに、森が……!」
そうつぶやかずにはいられませんでした。
黒猫さんの道案内で進んできた道は、なんと森の入口に繋がっていました。
知らない道に入ったり、何度も曲がったりして、もう帰れそうにありません!しかも、いつもの2倍ぐらい歩いてヘトヘトです!
しかも、いつの間にか周りに人がいなくなっていました。帰り道とか、聞こうと思っていたのに。少し怖くなってきます。
なのに、猫さんがまるですべてを知っているかのように感じて。猫さんがいれば大丈夫な気がして、そのまま来てしまいました。
しばらく驚きで立ち尽くしていると、突然、猫さんがピョンと跳んで私の足元に着地しました。
「えぇぇ、大丈夫なんですか!?傷は?」
思わず声を上げると、まるで大丈夫と言わんばかりに「ニャンッ」と鳴かれてしまい、何も言えなくなる。
そして、猫さんはゆうゆうとした足取りで森の中に入って行きました。
私が見守っていると、猫さんは振り返り、
「ニャ〜ン?(来ないの?)」
と言わんばかりに鳴いてきました。
そんな誘い(誘惑)を、(黒猫好きの)私が断れるはずがなくて。
「行きます!」
と、すぐ帰るつもりで、その森に足を踏み入れてしまったのでした。
それが、すべての始まりだったのです。




