少女が来たときの出来事
ジュン視点です。書きたかったところ……!
その日、俺はなんとなく不思議な予感がして、早く家に帰っていた。
この家には、もともと2人で住んでいた。
もうひとりは、今はいないけれど。
しばらくすると、あの猫が森に入ってくる気配がした。予感はあいつか?と思ったが、いや、なにか違う予感がした。
もっと、大きな何かの予感が。
あの猫が近づいてくる。俺はめんどくさいとは思ったが、予感を確かめたくて、わざわざ出ていった。
その時だった。あの、少女の気配を感じたのは。
嘘だ。ここに自然に入って来られるのは俺を含めて2人しかいないはずなのに。
まさか。そんなわけがないよな。ここにあいつがいるわけがない。
俺は、馬鹿馬鹿しい考えを捨てると、猫に向かい合った。
「何だ、お前か。紛らわしいんだよ。不用意にこの家の周りウロウロすんな。」
「あんたにお前と呼ばれる筋合いはないわ。でも、さすがね。あんたの気配感知。」
「そりゃどうも。お前に比べたらまだまだだけどな。」
驚きを隠すため、少女(と思しき人物)が見つかっていることがバレないようにするために軽口を叩きあい、その間に魔法をかける。
この猫も相当焦っているらしい。かけられたことにまだ気づかない。
それを利用して、少女に近づいていく。喚いている猫に適当に返事をしながら、更に近づく。
そして、少女が隠れている木陰を覗き込んだ。案の定怯えていたから、カマをかけて身元を探ろうとした。が、やはり、ここではやりづらいと思い、家の中にいれた。
●○●○●○●○
座らせて、一応逃げないように魔法をかけながら、話を聞いた。
この猫は、単身であの世界に行ってきたらしい。
そんな無茶なことを何故するんだ……と思いながら、話を聞いていった。
あの猫、突然どこかに行ってしまった。
話の真っ最中に逃げ出すやつがいるか??
と思ったが、どうせ無駄だなと考え直し、少女の方を向いた。
半分脅し、半分冗談のつもりで、
「全部聞き出してやるから、覚悟しろよな。」
と言ったが、言った側から無駄になった。
少女の心臓の中を覗くようにして、魔力量をはかった、その時だった。
一瞬、思考が止まった。魔力量があいつと同じ、むしろ多くなっている。
間違いはなかった。
「お前、まさか、あい?」
少女の顔が、驚いた顔に変わる。
だめだ。ここで俺の驚きを悟られてはいけない。
こいつの記憶を消したのは、他でもない俺だから。
今はまだ、この思いは外に出してはだめだ。
こいつを、守るために。




