小さな家の中での出来事 1
か、覚悟って、どのように聞き出すつもりなんでしょうか!?
「さぁ、とりあえず最初から話してもら…………」
へっ?突然黙ってこっちを凝視してきたのですが……?
「お前、まさか、あい?」
なんで、わたしの名前を知ってるんでしょうか。
まだ猫さんにも話していないのに。
そして、なぜ、そんなに驚いているんでしょうか?
「やっぱりな。あいつ、そこまで考えてて、それで連れてきたっていうわけか。もうあいつの考えの底がわかんねーよ。」
「な、なんで、わたしの名前を知ってるんですか?」
「あー、そういや、記憶ないんだっけか。」
記憶がない?私はただの人間だし、事故に巻き込まれたこともないし、小さい頃から普通に過ごしてきた記憶しかないんですが?なにも抜けなんてありませんよ?
「とりあえず、その話は置いとく。聞きたいこと、俺もあるし、お前もあるんだろ?」
私は迷わずうなずきました。置いとかれたのは納得いきませんが、とりあえずしたがっておきましょう。
「まず、俺から聞く。お前はあいつ……あの黒猫とどこで会った?」
「この森に入る前の普通の道です。猫さんは道の真ん中の方に怪我をして倒れてました。それで、病院に連れて行こうとしたら道案内されて、ここについたんです。」
「ここに覚えはないか?」
「初めてのはずですが、なんとなく知ってるような、知らないような……あっ、森の中がなんとなく心地よくて、すぐに体力が回復しました。」
そうして、何個か思ったより丁寧に質問されて、少し落ち着いて返すことができました。グッジョブ私。
「そっちは質問、何だ?」
「あっ、えーと、私も何個か。まず、普通の人間はここにいられないって、どういうことですか?」
「この場所には、魔素って呼ばれる、目に見えない魔法の元になるものが濃く満ちてるんだよ。だから、魔法を使うやつにとっては、それこそお前みたいに好影響だけど、魔法が使えないやつにとっては体が魔素を弾くように作用して、体調悪くなったり、とにかく悪影響になるってわけ。」
ということは、つまり、私は魔法が使える?まさかまさか、そんなわけないですよね。
「猫さんいわく、私はここからもう帰れないって言ってたんですけど……」
「…………帰れないわけではないかもしれないが、今はここにいたほうがいい。」
「そうなんですか!?なら、とりあえずここにいます。」
最初の間が気になりますが……まぁ、帰れるのなら帰りたいですもんね。大人しくしておきましょう。
そんな感じで、こちらも何個か質問したあと。
「もう終わりか?」
「あっ、あと、最後に1つだけ。あなたの名前はなんですか?」
「…………ジュン。」
「ジュンさんですね!わかりました。」
「……紛らわしいから、さん付けしなくていい。好きなように呼べ。」
あれ?意外と優しい?やっぱりこの人のことはまだよくわかりません。
「じゃあ、ジュンくんで!
改めまして、私は笠根あいといいます!しばらくよろしくおねがいしますね。」
「……ああ、よろしく。」
そんなこんなで、私はしばらくこの家にいることになったのでした。




