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プロローグ
初投稿です!
深い、水の中にいた。
水底も水面もない、深い、深い、水の中。
息はできる。
指一本、動かせないけれど。
(なぜ、こんなところにいるんだろう。どうして、動けないんだろう。)
考えることはあった。けれど、頭が働かない。
何も、考えられない。
どこかで、なにか聞こえる気がする。
それに目を向けることもできない。
何故か悲しい気持ちのまま、ただ、水の中を漂っていた………
○●○●○●○●
どうして、こんなことになってしまったんだろう。
巻き込むつもりなど、一切なかった。
むしろ、助けるつもりだったのに。
「起きてくれよ、あい……!」
こんがらかった頭では、何も考えられなくて。
ただ、声をかけることしかできないなんて。
悲しさと悔しさ、虚しさに襲われながら、ただひたすらに、声をかけ続けた………。