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いざ、自宅訪問!

「美術部休みになったので連れて来たよー!男子ー。」

 とか言いながら、乙葉が家に入る。

「お、お邪魔します。」

 と言いながら、俺も家に入る。

 そうすると、奥の方からおかえりーと声が聞こえて来た。娘が男子を家に連れて来たことにはノーコメント。双子の兄がいるとそう言うものなのかもしれない。

「あ、うちはセーラー服着替えてくるから、日向は居間で待ってて。」

 そう言われて、俺は居間でぼーっとしていた。

「うわ!何突っ立ってんの?そこらへんに座ってテレビでも見てればいいのに。」

「いや、座るのはそうかも知んないけど、テレビを勝手につけるのはちょっと…。」

「ふーん?」

 そう言いながら、乙葉はジュースを置く。乙葉はピンクの半袖Tシャツにジャージという格好だった。ピンクというのは少し意外なような気もしたが、なんだか男だということを意識はしてないんだろうなという感じがした。完全に同性に接する感じだ。

 乙葉が座り、座布団を出してくれたので俺も座る。

「アニメでも見る?」

「あーうん。」

「この中で、男子が好きそうなのはーこれかなー?」

 乙葉が録画してあるものからギャグコメディ系のアニメを選び、見せてくれる。

 なかなか面白かった。下ネタもあったが、別に気まずい雰囲気にはならない。むしろ乙葉も大笑いしていた。

「面白かった。」

「でしょ?今期のアニメの中でダントツだよ。」

「乙葉はアニメが好きなの?」

「うん!大好き!」

 アニメの話なのに緩んだ口元に不覚にもどきりとしてしまう。

「アニメ、見終わっちゃったね。うちの部屋、くる?」

「お、おう。」

 俺はキョドった。

「男みたいな部屋だから、気にしなくて大丈夫だよ。」

 乙葉はそう言って笑った。

「今年から兄貴とは、違う部屋になったんだ。前までカーテンに仕切りとかしてたんだけど。余ってる部屋もあるし。」

「ふーん。」

 来て見ると、そこは確かに女子らしさはあまりなかった。よく整理されていたが、本棚に置いてある漫画は少年漫画だったし、ただカーテンの柄は可愛らしかった。

「この子、可愛いっしょ?」

 そう言って、乙葉は、ペットの虹色のトカゲを見せてくれた。

 帰るとき、乙葉はわざわざ玄関まで見送りに来てくれた。

「まあ、転校したばっかだし、これから大変なこともあるかもだけどさ、うちは応援してるよ。もしなんかあったら、うちに来ればいいし、兄貴もいるしな!」

 そう言って微笑む。気を使ってくれたんだなと思った。

 帰り道、家に帰る途中らしいあおきにあった。

「俺の妹、男みたいだろ?」

 青木は苦笑してそう言ったが、俺は首を傾げた。

「そうか?」

 案外女性らしい気遣いができる優しい子だと思うのだが。

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