心理テストしよう!〜気になるあの子の心の中〜
その時、前の席の女子が振り返った。
「私は言ノ葉夜。2年。副部長。ねえ、心理テストしない?」
その人は小柄で大きな黒目が特徴的な少しだけぽっちゃりした色黒の肌のボブカットの少女だった。俺の頭に巨乳ロリという言葉が浮かぶ。
「し、心理テスト?」
「みんなでイラスト描くついでにやってたの。ねぇ、いいでしょ?まず、木と山を描いて後、川と家それに蛇とハート。蛇は舌出してる方が可愛いかも。」
俺は言われるままに描いた。こんなにグイグイ来られると少し戸惑うけど、かえってありがたいなどと考えながら。
「あ、うまーい!心理テストだからそんなに真剣にならなくても良いのに。あ、ちなみに蛇に舌描く人はエロいんだって。キャハハ!」
「えっ!」
舌をかけみたいなことを言ったのはそっちじゃないか。
「家が他に比べて適当だなー。家庭的でない。ハートが小さいから、冷たい人間?あとはー。」
なんだか、ちょっとショックな心理テストの答えを聞いてると日誌を書いてたらしい、春野先輩が声をかけて来た。
「何やってるか知らないけど、あんまり日向くんをいじめちゃダメだよー。」
「いじめてないですよー。あっ春野先輩はまだ心理テストやってませんでしたよね。やってください。」
そう言って言ノ葉が春野先輩に先程と同じ指示を出す。しかし、蛇の舌云々は言わなかった。春野先輩はニコニコしながらそれに従う。俺も春野先輩の心の中は気になる。
しかし、春野先輩の絵を見ていた言ノ葉が不思議そうな顔をする。
「あ、そこに木を描くんですか!?蛇が道みたいになってますけど、っていうか、川...。ああ、つまりこの世界は水の中なんですね??」
俺も春野先輩の絵を見せてもらったが特徴的な絵だった。まず木が1番上に書かれいて、そのすぐ下に道があり、その道の先端がやたらリアルな蛇になっている。山と家は普通だが、川を描けと言われたのに最初に書いた木以外はほぼ水に浸かっていて、家や山の周りには魚まで泳いでいる。絵は上手いし、神秘的な世界観でイラストとして見れば名作だろう。しかし、これは心理テストだ。
俺は困惑気味に言ノ葉に聞いた。
「で、心理テストの結果は?」
「わ、分からない。」
俺の隣で言ノ葉も戸惑っていた。
言ノ葉夜2年の副部長 器用で特に官能的なイラストが得意。ややメンヘラ。