なろう式エッセイ〜エルフとドワーフの会話から導き出す日本の時代遅れな考え方〜
私、あまり頭がよろしくないのでエッセイは積極的に書きたいとは思わないのですが、読む方は好きで、なろうだしこんなタイプのエッセイがもっとあってもいいんじゃないかなぁと思って書かせていただきました。
以下の例文は伝えたい内容以外はかなり違っております。それを考慮した上でお気をつけてお読みください。
設定
とある大陸。エルフやドワーフが台頭していた時代は終わりを見せ始め、代わりに人間が勢力を強めてきていた。そして人間の台頭に焦りを感じたドワーフとエルフが会談を設けた。ドワーフの長とエルフの長はそれぞれの勢力を担っている者たち数人と次代を担う若者を数人連れてきていた。
以下、風変わりなドワーフの次代とエルフの次代の会話
〜エルフのとある若者〜
私は我々エルフを治める族長様に連れられ、いけ好かないというドワーフとの会談に来ていた。
エルフとドワーフによる大まかな話し合いは終わり、族長様をはじめとする長衆は協定の細かな内容を詰めるとのことで我々次代を担う若者は残され、同じく残されたドワーフの若者との交流を図るようにと。
しかし、先程の話し合いを見るにドワーフはいい加減で粗野な連中でとても手を結ぶには向かないいけ好かない連中であった。私以外のこの場に残されたエルフたちもそう思っているようで、彼らを見る目は険しい。
どうやらそれは相手も同じらしく、彼らのこちらを見る目は険しい。その結果、私たちと彼らは正直に言って一触即発である。
さて、どうしたものだろうかと思った私だが、そこで目に入る。部屋の端の方で困ったように無言の対立をしている私たちを見ている覇気のないドワーフ。私にはその姿が自分は私たちとは違うのだと言っているようで、妙に癇に障った。
「おや、ドワーフにも気弱な者もいるんですね。あなた方ドワーフは皆が皆、勇猛果敢を謳っていたと思うのですが?」
沈黙が支配していた空間に、私の声は良く響いた。ドワーフ達の意識もこちらに向いたはずだが、緊張は一瞬高まりかけ、霧散した。
どうやらこのドワーフは同族にも良く思われていないらしい。
「……そうですね、僕は異端でしょう。他のドワーフのような勇猛果敢さを持ち合わせないし、豪快さもない。そして、そんな変わり者に一体何のご用で?」
体はズングリムックリのドワーフであるそれだが、心なしか他のドワーフよりも小さく感じる彼は、私の挑発に淡々とそう返した。そのドワーフらしからぬ様子に、私は興味が湧いた。
「先程は失礼を。ドワーフは皆が皆、私たちエルフが嫌いだと思っていたものですから、あなたの様子が珍しくてつい声をかけてしまいました」
彼は私の言葉に、おや、という表情を返して口を開いた。
「それは、ドワーフという種族がエルフという種族を嫌っているのではなく、あなた方エルフの方に多い性格が苦手な性格のドワーフが多いだけです」
あまりにドワーフらしくない言い回しだ。これは集団から孤立するだろう。
「では、あなたは多くのドワーフとは違う性格のドワーフだから別にエルフが嫌いではない、と」
「ええ、概ねその通りです。……そういう貴女も些か好奇心が強いみたいですが?」
確かに私は他のエルフに比べて好奇心が強いと自分でも思う。
「そう、ですね。しかし異端というほどではありません」
でも、異端ではない。彼が親近感を抱いているとしたら、それは間違いだ。
「そうですか。では、一つ質問をしてもいいですか?」
しかし、私の否定に対して、彼は全く気にした様子はない。
「……ええ、構いません」
「貴女は、どうして今、ドワーフとエルフが人間の勢力に負けていると────」
「負けてませんッ!」
気付けば口に出ていた。
「負けてなどいません。……我々エルフがあのような種族に負けている? そんなことはありえない! あなた方ドワーフならいざ知らず、我々エルフがあの者達に負けているなど断じてありえない! 今日の会談とて、念を入れてのことっ! 直ちに訂正しろっ!」
私だけじゃない。ドワーフもエルフも、皆が彼に敵意を向けていた。
しかし、彼が見せたのは怯みでも怒りでもなかった。
「そうですか、それは申し訳ありませんでした。私はこの場にはそぐわないようなので外に出ていますね」
失望した顔。心底期待外れだったとこちらを蔑む、そんな顔だ。
そういう態度だ。お前のその態度が私を苛つかせる。
「それだッ! その態度が、私を、周りを苛つかせるッ! あなたは、さも周りがあなたを理解してくれないように振る舞うが、あなたはそもそも理解させる気がないのでしょう!? あなたには、私に理解してもらおうとする義務があるッ! あなたがどう考えているのか、聞かせなさい!」
また、気付けば私は叫んでいた。そしてこちらを振り返った彼の顔は、初めて感情の揺らぎを見せていた。
「いいだろうっ! 話してやる、けれどさっきみたいに途中で突然遮るなッ! それが条件だ」
彼のその様に、私は自然、口の端を持ち上げていた。
彼は一度ゆっくりと息を吐くと話し始めた。
「まず、人間の特徴は何か。僕は人間の種族としての特徴とは特徴のないことだと思っている。……意味がわからないという顔をしているな。人間は種族としての特徴がない、それはつまり個人の特徴が強く出ているということ。僕は人間の強みはその多様性だと考えている。……なんだ?」
私は疑問が生まれたので、手を挙げてそれを示した。
「あいつらが台頭したのは最近だぞ。その多様性はここ最近身に付いたものではないだろう?」
「そうだ。まず、多様性には弱点がある。それは統制が取りにくいことだ。その点ドワーフやエルフは大多数の性格が一致している。多少の異端も、人数差から異端こそがおかしいと否定されるから問題ない。そういったことからドワーフとエルフは統制が取りやすかった。そのため我々が覇権を握ったのだ」
ずいぶんと分かりやすい内容だが、異端あたりに思うところはありそうだ。
「しかし、頭打ちが来てしまった。同じような性格だけじゃ出来ることに限界がある。だが、少数の別の性格の者は異端だと矯正、抑えつけられてしまっている。そうしてドワーフもエルフも長らく停滞していた。
そうしているうちに追いつかれてしまったんだよ。多様性にね。多様性溢れる人間はまだまだ伸びる。そうすれば置いていかれた我々は彼らに勝つ事が出来なくなるだろう、永遠にな」
言わんとしていることはわかるが、それは要するにもっと自分を認めろってことではないのか?
「それは異端を認めろってことだろうか?」
「それもあるが、間に合わんだろう。必要なのは相手の強みを逆手に取ることだ。それは────…………」
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はい。なろうっぽい例文を用意してみました。エルフとドワーフが日本、人間がその他諸国ですが、前述した通り、立場も状況も丸っと違いますね。この例文が表したい本命は、何故かいつまでも続く日本人の周りと同じスキーな考え方です。
日本は追い上げる側から、追い上げられる側へ、そして今追い抜かれています。量産型社会人による統制力による成長は頭打ちです。いい加減、出る杭は打たれるのをやめて欲しい。むしろ出る杭と伸び合ってデッドヒートするくらいの社会になって欲しいです!
と、まあ、ありふれた陳腐な訴えですが、こんな感じの小説っぽい例文付きのエッセイとか好きなので増えないかなぁと思っております。まあ扱う議題次第では適しませんが、普段エッセイを読まない方たちが読んでくれるようになるんじゃないかなぁ、という希望的観測を抱いております。
エッセイを書かれる際は是非ともご検討ください。
お読みいただきありがとうございました。