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25話 自然教室3 生活指導が来るまで

透き通るような肌。水の滴る銀の髪。白の綺麗なタオルを丁寧に折りたたんで頭に乗せたその子は、ふぅ、とため息を一つ吐いて気持ちよさそうにお湯に浸かる。なぜ胸元を抑える、なぜそんなにも色気たっぷり?なぜ、、、


男なんだかなぁ………






男子風呂は常に混沌に包まれている。男子たちはさっそくシャワーの掛け合いを始め、それが飛び火…いや飛び湯して容赦無く俺の前髪にかかる。あ〜悪い悪いじゃねぇよ!!

適当に空いたところのシャワーに駆け込み、時間をかけずに体と頭を洗って湯船に浸かる。あいつらコケて骨折しねぇかな……


そこで話は冒頭へ。お湯が熱いからなのか、俺の顔は今ゆでダコのようになっているかもしれない。お湯のせいだな、お湯のせいだろ……40度……。お湯のせいじゃないな。

『いいお湯だね〜東夜』

『お、おう………』

まずい………首から下を隠したら本当に女の子にしか見えない。俺が実は見逃していただけで実は女の子なんじゃないかと疑ってしまう。

『ん?きになる……のかな?』

『は?いや、いや、そんなことは……』

ありますね……

『ふふふ、東夜って男の子が好きなの〜?』

『ち、ちげぇよ……冗談よしてくれ』

小悪魔のように笑う翠花の顔は、北國美人を彷彿させるような美少女顔。それによって俺の中の温度はまた上昇してしまう。心の溶鉱炉に次々と石炭が追加されて、燃え上がるかのように心拍数が上がる。

『…………翠花って、、本当にオトコ…だよな?』

『……さぁ?どうだろうね〜?』

『やめろその意味深な言い方…』

『ふふっ、東夜って本当に面白いね〜』

初めて言われたなそんなこと。面白いって言うのはそうだな、例えばあそこにいる越路敦とかだろうか。浣○シャワーとかアホなこと言ってるあいつが、世間一般では面白いやつなのだろう。では、小国翠花の面白いの基準とはなんなのであろうか。それはおそらく……

『俺の反応………めっちゃ童○だもんな…』

『そこがいいんじゃん♪大事だよ、初志貫徹♪』

『その状況において使って欲しくない言葉だ』

『…そろそろ上がろっか!』

上がるときについ確認してしまう。あっ!白いモヤがぁ!!クソ死ねご都合主義がぁぁ!!おいどけモヤ、お陰で確認できないじゃないか!


……


…………

1組男子がたむろする脱衣所で、扇風機に当たったのち、髪を整える。伸びてきたな…

『東夜ってやっぱり美形だよね〜。前髪、ちゃんと整えたら?勿体無いよ?』

そう言って翠花は俺前髪に触れようとする。取り出したのは可愛らしいクローバーの柄がついた髪留めのピン。椅子に座らさせられて、髪を整えてもらう。どうも手馴れているようだった。

『出来た、ほら!カッコいいって!』

ほう、髪型一つで人の印象とはここまで変わるものなのか。その大きな鏡には部分的にはいつも通りの俺の顔だが、雑誌とかでお目にかかるような髪型の少年がいた。整えられた顔を見ると、いかに今まで自分の髪型が酷かったかがよく分かる。

『やべぇ!東夜かっけくね!?明日ワックスべたべた塗ってやるしかないっしょ!』

『びっくりした……。上がったならはよパンツ履け』

テメェのイチモツとか見たくねぇよ。おかしいな、風呂場での出来事を忘れたのか俺。


……


…………

『おやすみ〜』

「おやす〜」

「しゃっ!モンドラやろうぜ!」

「ランク今なんだよ?」

「つかスマホってバスの中で没収だったろ?」

「は?がらけー渡しときゃいんだよそんなの」

「生活指導まじで甘ぇよな〜」

「お前ケツとかに入れてたんじゃねぇだろうな?」

ぎゃはははははははは!という不快な声が響く。そろそろ生活指導の先生が怒鳴り込みに来るだろう。やだなぁ、なんでとばっちりうけなきゃいかんのか……

どうやら川西達矢のいるこの部屋がクラスの男子の中心メンバーが集まる部屋らしい。当の川西達矢はゴリラのような顔でイチゴ味のポッキーを貪っているが…………乙女かっ!!

『やー、クラスの女子可愛かったわ〜〜』

『おい敦よ!見に行っていたのか!?俺も連れて行ってくれたら良かったのに!!』

『達矢ってそういうん興味ないと思ってたわぁ〜メンゴピー』

『では、1日目の日誌もみな書いたであろうし、男子会でもやるか!!』

『『『うぇーーーーい』』』

『う、うぇい……』

のれねぇなこのノリは……



『2組の可愛い女子ランキングぅぅ!!』

「誰だと思う?」

「は!?青海川一択だろ?他の奴らみんな相川にもう夢中だもんな」

「いや、月潟もまだ毒牙にかかってねぇだろ!あいつもめっちゃ可愛いじゃん!」

「青海川といる時の月潟の顔は恋する乙女って感じで微笑ましいぜ」

「俺は桜ちゃんかな〜ぶひひ…」

「うわ、妙高桜信者きもっ」

「じゃぁ投票結果早く出せよ〜」

『お待たせだわ〜!第1位は〜青海川 来夢で7票!第2位は月潟アリア4票!第3位は妙高桜3票!』

それ以外の2票どうしたんだよ……

『東夜東夜!』

『ん?どした?』

翠花がツンツンと突いて来る。なんで翠花に投票できないの?ねぇなんで?

『東夜は誰に投票したの?』

『………………秘密…』

『えぇ!?いいじゃん別にぃ〜!むぅぅ!』

なにそのむぅ〜〜ってあざと可愛い!

「やっぱ青海川さんだわ〜。さっきの私服みた?やばくね?」

坂戸(さかと)〜お前は女子が出て来るとこ覗いてんのバレてたよな〜まじでウケるんだけど!!』

「ガチ!?あー終わったな坂戸(さかと)〜』

分水(ぶんすい)は誰に投票したん?」

『ああ、俺はやっぱり来夢かな。あのクールな感じがたまらないね』

「hoooooo!!」

「ガチモデルからの熱い告白ぅ!」

「敦〜〜なんで青海川さんサッカー部に入れなかったんだよ〜〜」

『しゃーないじゃん、相川芳樹と部活見学してたんだぜ?無理無理〜〜』

「運動部も見に行ったって行ってたぞ?あの時にうまく誘えてればなぁ」

……やっぱり相川と仲良いんだなあいつ。何故か少し、心におかしな間が生まれる。なんだろうか、、まさか嫉妬とかではないだろうな?ないないない。


『達矢はどうしたん?』

「俺は……………その、、黒崎さんに……」


一瞬の間が生まれる。そして……


『真知ちゃん!?まじで!?応援するわぁ!』

「まじかよ!超応援するわ〜〜!家庭的でいい子だよなぁ」

「ちょっとぽっちゃりなのがポイント高いわ〜」

意外すぎるな……まさか川西が黒崎真知(くろさきまち)に気があったなんて…。てかまだ入学して日も浅いのに……

『ああ、実は中学が同じなんだ……。あの時は、勇気が足りなくて告白できなかった。だが、今は違う』

「そうだやったれ達矢〜!」

「俺たちがついてるぜ!」

「へぃ!たーつやっ!たーつやっ!たーつやっ!hoooooo!!!」

う、うるせぇ………障子が震えてんぞ。

『つか、来夢も月潟も新聞部入ったんしょ?東夜も新聞部なんだって?』

「おいおいまじかよナニを取材しちゃうんだよっ!」

「俺のアソコはいつでもバッチコイだぜぇ?」

「てかまじかよ出雲崎!!お前羨ましすぎんだろ!」

「なんかイケメンになっちまってよ!!なんだよ暗かったから全然気づかなかったぜ!」

おいやめろこっちに話題を振るなアホ敦…。コミュ症は全体での会話に向いてないんだよ。

取り敢えず宣伝だけでも……

『活動は5月からだから、その、、まぁ、その時は、取材とか、頼…………』

「おっしゃぁ!青海川さんとお近づきになるゼェェ!!」

「俺もやっぱ告って来るわぁ!!」

「ほら見ろよ吉田のラインから青海川さんの私服の写真きたぜ!!撮られてることに気づいてちょっと慌ててる姿が萌えるぜぇ!!」

「こんな可愛い子を相川の毒牙にかけちゃいけねぇ!!」

あ、無視ですか、はい、そうですか……骨折しろ…


『よっしゃみんな!!相川芳樹なんかに負けねぇぞぉぉ!!えいえい〜〜〜』


『『『hoooooooooooo!!!』』』










『うるせぇぞテメェラぁぁ!!!もう寝ろぉ!!!』




生活指導の先生はよく今まで我慢してたわ……


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