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15話 実際は男しかいない女子会

静かな教室で1人座って本を読んでいたのは黒髪の美少年、出雲崎東夜だった


『なんだ、もっと怖そうな猫が教室で待ち構えていると思った………注文もなしで奥の部屋まで来れちゃったね』






入口の張り紙を交えた軽口をかます。『注文の多い料理店』は今時どこの小学校の国語の授業でも取り扱うようなお話だ。流石に知らないとは言わせない。


『…………悪いことは言わん。逃げろ』


しかし、東夜から返ってきたのは意味不明な答えだった


『いや、何それ厨二病?』


『いや本当にやばいんだって……あ、遅かった…』


『だから何が……………』


う、後ろに…誰かいる………………






『あらぁぁあん!可愛い子発見♡入部希望なの?大歓迎よぉん!』


後ろを振り向くとそこには、、、オカマ……。ガタイがよく、高身長だが、とにかく化粧が濃い!!化粧を取れば、短髪黒髪のガタイのいいハンサムなのが見てわかるのだが、、しかも白衣着てる………


『あら?貴方青海川ちゃんじゃない?入学時から話題の子よね〜〜クールビューティな野良猫女子!!いいわ〜〜シビレちゃう♡』


『あ、あああ、え?ぇぇぇ………』


声が出ない……ただ目の前の180越えのバスボイスのオカマに、今日1番驚いたで賞をあげたい気持ちでいっぱいで賞。


『青海川……その人教師だ。こう見えて3年生の学年主任かつ教頭先生。名前は葛籠山(つづらやま) 蝦夷(えみし)先生…………もう一度言うぞ?教師だ』


名前ゴツっ!


『エミちゃん先生って呼んでね〜ウフッ♡』


『その姿でエミちゃん先生って呼ばにゃならんのですか………』


しかも3学年主任て………


『新聞部へようこそ!歓迎するわよ〜』


そこでようやく、この空間がなんなのかについての説明が入るのであった


……


…………


………………



『新聞部はね〜学校や街で起こるちょっとした事件とか出来事とかを調査して、新聞記事として発行するのよ〜〜例えば「アタシと一年教師江南新(こうなんあらた)先生との熱愛疑惑!?」とかねぇ〜!』


『知りたくなかったそんな真実……』


嘘だ…我らが担任江南先生の貞操が危ないっ


『安心しろ、嘘だ………多分…』


『新任教師が権力に屈して学年主任に身体を任せる………ありえない光景ではないような…』


『怖いこと言わないでくれ…』


『あら〜ん?2人とも仲良いのねぇ〜もしかしてコレとかぁん?』


といって小指のジェスチャー。そのジェスチャー古い!!


『そんな訳ないでしょう……その質問は青海川を不快にさせるだけですよ……』


『あら〜ん?そうかしらぁ?東夜ちゃんもアタシが今まで見てきたオトコ共のなかでも本当にカッコいいの部類よ〜?だから連れてきたんだからぁぁあん!』


そういって葛籠山先生は身体をくねくねさせてハートマークが飛び出そうな表情をする。う、これは辛い…。というかどうやら東夜はエミちゃん先生に無理やり連れてこられたらしい。南無三…


『まぁ、確かに東夜はカッコいいと思うよ?なんでそんな否定的なのかわかんないけど…』


そこでフォローを入れてやる。というか犠牲になって頂くとしよう…南無三


当然東夜は裏切ったな?という目でこちらをみる。うん、知らない〜僕知らない〜


『ああんもう!学生の恋愛って可愛いわぁ!!甘い思いっ!ぶつかり合う感情!でも、女の子をそんな風に睨んじゃうのは、アタシとしては頂けないわね〜』


その勢いで、東夜の顎をクイッと掴んで

『アタシがいじめちゃうわよっ?』


『ひぃぃいっ!』


椅子ガッシャン……あ、尻餅痛そう…


『冗談よぉ〜!青海川ちゃんから東夜ちゃん取ったりしないわよぉ〜』


『いや、もう本能的に生命の危機を感じた…』


唇奪われてたら、本当に東夜の表情は死んだまま3年間を過ごしていただろう。


『あぁ肝心なことを忘れてたわぁ!青海川来夢ちゃん、来夢ちゃんでいいかしらぁん?』


『え、あっはい!』


『新聞部に、興味ないかしら?』


………………先ほどの活動を聞いて、少し考えたことがある。街や学校の出来事や事件を調べる、つまりそれは、通り魔事件について調べるきっかけになるのではないか?危ないことはしたくない。けれどこの事件は、僕が向き合わなければならない事件だ。ククリとの約束もある。なにより、、出雲崎東夜という少年に、興味を持った。


『少し……ありますけど、』


『あらそぉ〜〜〜ぅ!!嬉しいわぁ!!今年はもう部員がいなくて廃部になるところだったのよぉ!80年以上の歴史がある、伝統的な部活なのよ??もったいなくてちょっと困ってたの〜』


『で、そこで俺が連れてこられた訳ですか……』


『た、大変だったね………』


『恐怖の二文字で表せるぞ30分前の出来事…』


『後で聞きたいかな……』


嫌そうな顔の東夜が見ていて面白い。きっと本当にトラウマレベルな出来事があったのだろう。私気になりますっ!


『ていうか、そもそも東夜はここにとどまる理由ないんじゃ……』


『もう強制だろ……さらば俺の輝かしい帰宅部人生…』


『夢しょうもな………引くわぁ…』


『ちょっと、露骨に嫌そうな顔で引かないで。美少女にドン引きされるとか、そっち系の趣味がない限りただの拷問……』


『え?び、美少女?ぼく……?』


う、うん。なんか意外……。東夜はなんか、あまりそういうこと考えてなさそうだったから。僕が動揺したのに気づいたのか、東夜も少し焦ったような顔をして目をそらす。



『……あーなんだ、その……まぁアホの子っぽくて残念度が勝りそうだけどな…』


は?


『だっ!誰がアホだっ!!勝負するか?課題テストの点数!!国語80 数学71 英語63!』


『国語92 数学80 英語67』


『ま、負けた………』


『勉強ばっかの陰キャぼっち舐めんな…』


因みにこの学校進学校なので、いろんな教科の平均点は結構低いです。具体的には国語69 数学60 英語53。


『東夜が陰キャぼっちとか本当の陰キャぼっちに土下座した方がいいよ?ただのイケメンの無駄遣いじゃん…』


『ほらほら夫婦喧嘩もいいけどぉっ!アタシのこと、忘れないでねっ♡』


『『そのネタは古い』』


『あらぁ息ぴったり!可愛いわぁ!あ、入部するならこの入部届けにサインをよろしくね♡』


入部届けを受け取り、サインする。女の子レッスンの結果なのか、いつの前にか字が丸く可愛らしい文字を書くようになっていた。春休みのこの特訓は正直地獄だった…


『おまえ、本当に入るのか?』


東夜の疑念の目。だけど、僕はこれから東夜と活動していく。いろんなことに挑戦して、色んなことを調べて回るのだから、始まりはとびきりの笑顔で



『うん、入ろうかなぁって。だから、



これから宜しくっ』


唇をキュッと結んで、笑ってみせる。そこでは、ただ呆然と立ち尽くす東夜とエミちゃん先生。何かおかしなこといったかな?


『あの、何か……?』



『ううん。来夢ちゃん、その笑顔は反則よぉ〜可愛すぎて東夜ちゃん固まってるわぁ〜』


『か、固まって………ねぇですよ』


『敬語は正しく使いなさ〜い!こちらこそよろしくね来夢ちゃん♬アタシといっぱいガールズトークしましょう!!』


お、おカマとTS娘のガールズトークって………男しかいない……なんか色々狂気じみてる…



『は、はい……お手柔らかに……』


『えぇっ♬楽しみねぇ〜』


怖いですぅ!!


『青海川、その、、宜しく……な』


『うん♬』


照れて目を背ける少年は、不器用ながらも挨拶を返す。これから、これからもっと、仲良くなっていければいいと思う。命の、恩人なのだから…



『さぁ!さっそく女子会しましょう!!アタシお茶入れるわねぇ〜〜!!』




うん、だから、、この部屋男しかいないから!





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