9話 初めてのテンプレブレイク
朝、場所は芳樹の家の前
『おせぇよ来夢!!遅刻すんだろ!!』
『それは絵梨に言ってよね…僕30分は待たされたんだけど』
『ごめん!本当にごめん。まさか家中の目覚ましが全滅するとは…』
慌ただしい入学式の朝である。当初の予定通り僕と芳樹と絵梨の3人での登校。芳樹は入学式から女子2人はべらせてるんだから先輩方からの印象相当悪いだろうなぁ…
いたって普通の朝だ。この前の神社騒ぎからはや1週間。ククリの言うように、普通の生活を送る権利が僕にはある。因みにククリは日中いろんなところをフラフラしている。あれで結構ちゃんとカミサマしているらしく、正直この物語をファンタジー系に持っていくつもりは毛頭ないようだった。あ、これは言っちゃダメなやつや…
『クラスどうなるかねぇ…』
『いっしょのクラスだといいね!!』
『だな!』
『そんなことあるかなぁ…』
そう、何故か同じクラスになるというテンプレートはもう読者の方々もよく目にしていることであろう。そしてこの流れは明らかに同じクラスパターンだ。やだねぇこのギャルゲー。
ギャルゲーと例えたのは言うまでもない。まず間違いなく芳樹はクラス内にハーレムを形成する。持ち前のイケメンさと中学からの経験からほぼ100パーの確率だ。問題はそこに僕が入ってしまう可能性。て、お約束的にほぼ決まったも同然だが………
故にこの結果は少々驚いた
『あー、俺と絵梨が1組、来夢は2組か…』
『うー!!来夢も一緒がよかったなあ…』
『はは、まじか……まぁ体育とか移動教室、行事とかも基本1組と合同が多いらしいから…あんま落ち込まぬ…』
ここにきてまさかのテンプレブレイク!!しかし若干近いことに悪意を感じる。高校スタートのボッチエンドは回避したいものね。
しかしさっきから色んな人にジロジロと見られる。そんなに変わった服装かな?一応校則に則った服装の筈なんだけど。
『みろよあのポニテの子!やっべぇめっちゃ可愛い!流石ひまりヶ丘高校だな』
『となりの子も可なり可愛くね?』
『美少女って居るんだなぁ…その隣のイケメンはもしかして彼氏か??クソっ羨ましい』
『はぁ、はぁ、是非あの子を僕のものに…ペロペロペロ』
『俺決めた、あいつのことオトすわ!!』
『あの子超可愛くない!?顔ちっちゃい!!』
『高校の癒しが早速出来た……』
『踏まれたい…ハァハァ』
うん、遠くて何も聞こえないな、本当だよ?
『あら、貴方可愛いわね…私可愛い女の子が大好きなの。今度生徒会室までいらっしゃい、色んなこと教えてあげるわ』
『………………うぇ……あれ??もしかして生徒会長さん?みたいな?』
目の前に佇む黒髪ロングの美人おっぱい。こんなのが生徒会長ってど定番通り越してすごく古く感じる。しかも百合属性…
『そうよ、貴方名前は、、?』
新手のナンパか何かかな??だとしたら助けて欲しい。僕はホモじゃないが百合でもないんだよね。
『ちょっと俺の友達ナンパするのやめてくださいよ』
と芳樹が会長と僕との間を遮って入ってくる。までは良かったのだが………
『ちょっと邪魔しな……あら、かっこいい子ね…彼氏さん??』
『チゲェよ友達だ!』
『貴方みたいな子結構好きよ??真っ直ぐでお馬鹿なところが』
『な!!!今はそんな事どうでも、あっ』
鮮やかな瞬間だった。芳樹が前に転んだかと思うとその手は会長のスカートへ。そのままスカートを引き摺り下ろし………
『いてて……あれ??何これ……』
『あら、そんなにパンツが見たかったのかしら??貴方可愛いわね……気に入ったわぁ。おっぱいも揉んでみる??』
『あああ、ごめんなさいごめんなさい!!全然そんなつもりじゃ…』
『いいのよ、大胆な子嫌いじゃないわ。貴方こそいつでも生徒会にいらっしゃい。色んな事教えてあ、げ、る♡』
『は、はぁ……』
なんでもかんでも色んな人に教えるって貴方は何様なんですかね本当。しかしすごいな。明らかに百合属性だった生徒会長を確信的ラッキースケベによってノーマルに引き戻すとは…流石はギャルゲーの主人公。
まぁ取り敢えず色んな男子がチラチラ見てるからスカートを履きなさいよ…
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入学式はつつがなく……しかし色んな人からの目線がすごい中で過ぎていった。
『うわ1年にめっちゃ可愛い子いる!』
『ほら、2組のとこ、前の方』
『今年の美人5人衆は賑わいそうだな』
なんなん美人5人衆…そんなの決めてんの??
『前の子可愛い…』
『折角同じクラスなんだし仲良くなりなよ?』
『隣からいい匂いがするでござる…』
『斜めのやつレベル高えなぁ』
こうあまり見世物みたいにされるのも癪なんだけどね。早くおわんないかな…………ん?ござる!?
『じゃあ私たちここで、』
『じゃ、頑張れよ来夢!』
『うん、頑張る』
緊張の瞬間。教室のドアを開ける。うんわぁ視線が痛い!!!!
『あ、あの子だ。確か青海川さん…』
『うわぁ肌綺麗!』
『怠そうなのもまた可愛いでござる』
なんか早くもクラスが団結してる気がする…除け者にしないで!!!
取り敢えず、席確認。ああ、1列目の前から4番目ね。ちなみにこのクラス35人でっす。
さて、視線が痛いんだけど何かやらかしたかな?もしかして生徒会長信者?
「アンタ私の生徒会長に近づいたから虐めるわよ?」
みたいな感じかな。でも残念あの生徒会長いづれ芳樹ハーレムに加わるだろうから諦めなさい早いうちに。早すぎるぞ芳樹ハーレム…
寝るか………やることないし
『青海川さんっ』
『??』
身体を起こして目を開けるとそこには少しぽっちゃり目な女の子。ぽっちゃりだが、その笑顔がなんとも可愛らしく優しさが伝わってくるような子だ。
『私、黒崎 真知。これから一年よろしくね!!』
『う、うん、よろ、、しく??』
『ちょっ、真知!!抜け駆けずるい!私も!!』
『そーだよ!!真知ちゃん!』
『よろしくね青海川さん!』
『え、あ、うん、よろしく』
成る程自己紹介前に友達ができている制度ってこういうことか…。どうりで世の中からぼっちがいなくならない訳だ。
ガラッ
勢いよく音を立てて入ってきたのは、なんと
『え、金髪!?!?』
『え、やば、あの子も可愛くね?』
『金髪黄眼の美少女キタァァァ!』
『でもなんかツンツンしてね?お嬢様感すごい』
そう、ツンツンしてそうな金髪の美少女。いいのかこんな美少女インフレ起こして…いや、アニメとかでよく見るクラス全員美男美女みたいな状態ではないだけまだマシか…まぁ言ってしまえば悪いがちゃんとその辺調整されている。
さて、そんなお嬢様は誰にも目もくれず席を確認すると仏頂面のまま席に座って頬杖ついて本を読み始めた。これは関わりづらい………
『こんにちわ〜青海川さん…だっけ?』
おおぅ突然どうした……ってうわ、可愛い!栗色の髪をボブカットにした活発女子って感じの子だ。この子あれだな……クラスの中心女子ってやつだな
『アタシいちご!吉田 苺!苺でいいよ?宜しくですっ!』
うん、語尾にきゃるんって擬音語が飛びそうなあざとい敬礼どうも…
『うん、宜しく。僕は青海川 来夢。来夢でいいよ?』
『ぼ、僕!?へぇ〜来夢ってこーんな可愛いのにボクっ娘なんだぁ!アハッ☆面白〜い!』
くっ、この手の女子は反応をみておちょくるタイプ。つまり冷静沈着に対処すれば何の問題もない。
『(ジト目)苺ちゃん元気だね…』
『あはは〜ごめんごめん!教室入ったら、可愛い子見つけてつい…。これから宜しくっ!あ、そうだ、ついさっき友達になった子紹介しまーす!』
早くないですか女の子の友達作り…
後ろから出てきたのはなんか染めた金髪ドリルつり目かつ長身の怖めな雰囲気の子、そして黒髪ツインテの小柄の子だった。
『こっちの金髪の子が山古志 林檎、ツインテの子が妙高 桜っ!』
『よろしくね…』ポチポチ
おい金髪、スマホいじりながら挨拶するな…怖いよ
『よーろーぴっ!』
おお、なにそのポーズ…可愛いねツインテ…
まぁいわゆる可愛い子同士でグループを作ろうと言う魂胆だろう。そんでもって僕は様子見というところなのか?うーん、あの子達の中で上手くやれるか不安で仕方ないが…。しかし、さきほどの金髪黄眼のお嬢様に声をかけないあたり、やはり人は選んでいるのだろう。中学の時は考えもしなかった友達選び…それは入学時からスタートしていたのだ。やだなぁ…女子怖いなあ…
『おーーい、席につけー。ホームルーム始めんぞー』
『あー、せんせ来た…まったねー来夢!』
『う、うん、バイバイ…』
助かった……。しかし、だいぶ若い先生だな。新任か?それにしてはやる気なさげなんですけど
『おっし、俺が2組の担任の江南 新だ。よろしくなー。んじゃさっそく自己紹介すっかー』
きました自己紹介タイム。これによって一年間どころか三年間の運命が決まるといっても過言ではない代物。さぁて何をいうべきか…
『んじゃ1番からいってくかー』
『あ、はい、そ、そ、そ、その、、せ、拙者は阿賀 吾郎でござる。好きなものはギャルゲーとラノベでござるぅ』
はいやらかしたな!君はこれから三年間キモオタの称号を与えられて高校生活を送らなければならないのだ。悲しい世の中だな高校とは。しかしござるって……あ、さっきのやつか
しかし次の瞬間、僕は驚愕することとなる。何故かって?それは……
『大神中学から来ました、出雲崎 東夜……です。趣味は…まぁ、楽器と読書です。1年間、宜しくお願いします』
立ち上がったのはあの、溺れていた僕を助けてくれた、あの綺麗な少年だったのだから…




