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Lost・World

ヒ ト リ ゴ ト

人間の抱く【欲】とは恐ろしいものだ。




望むモノを我が物にする為ならば、人は何だってしてしまう。何だって犠牲にしてしまう。


【それ】が大きければ大きいほど。手の届きようのないモノほど、人はそれを強く望み、意地でも己のモノにしようと、馬鹿みたいに足掻く。


その過程で、友人、家族、世界、そして自分がどうなろうとも、まるで飢えて狂った者のように、ただただ手を伸ばす。




例えば、戦争だってそうだ。


人を、土地を、権力を。全てを手中に収めたいが為に、人を殺し、国を殺し、秩序を壊し、世界を壊す。その果てに待っているのは破滅と自壊しかないと分かっていても、全てを手にしたいという【欲】に逆らえず、ただ傲慢に口を開き、全てを呑み込んでいく。




例えば、愛だってそうだ。


好きな人への愛。親子の愛。仲間内の愛。どんな愛だろうが、それを失った途端に、人は狂ったように泣き叫び、狂ったように、またそれを求め彷徨い歩く。そして時が経つにつれそれは大きくなり、強すぎた【愛】は、やがて自分自身を壊していく。




結末は皆、最初から分かっている筈なのに。


強すぎる【欲】の先に何が待つのか、そんな事目に見えている筈なのに。


それでも人は馬鹿みたいにそれを望み、赤子のように手を伸ばし、掴み取ろうと無駄に足掻き、そしてやがて堕ちていく。





そんな彼らの様子を見るたびに思う。

あぁ、やはり人間とは馬鹿な生き物だ、と。


哀しいくらいに馬鹿で、それが逆に嗤えてきてしまう位に、人間というものは馬鹿で面白い生き物だ。




そんな彼らに、願いを叶えられるだけの力を与えたら、一体どうなるのだろう?


己の願いを叶えるだけの力は、使い方を誤れば、己を破滅の道に追いやるという。


その力に溺れて、その先に待つ絶望に身を浸した時、哀しいくらいに馬鹿な彼らは、どんな素顔を僕達に見せてくれるのだろうか。


きっと、暇潰しになる程度には面白いものを、僕達に見せてくれるに違いない。


だから、試しに与えてみる事にした。


強い願いを抱える馬鹿な人間に、願いを叶えるだけの力を。






彼らが、与えられたその力をどのように使い、どのように受け止め、どのような道を選んで歩んでいくのか。


馬鹿な人間どもの足掻く姿を、僕はここから静かに、嗤いながら傍観している事にしよう。



Lost・Worldの番外編です。

連載し始めたばかりの現段階では意味不明と思われるかも知れませんが、あえて分からないようにしてあります。

ストーリーが進むにつれて、分かるかも知れないのでその時までお待ちを。

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