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道化上等!  作者: 本間 甲介
第一章
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玄関先にて

「あ、木城くん! おっはよー!」


 玄関口で靴を履き替えていたところに、馬鹿みたいに元気な声が聞こえてきた。ここで本日第二号か。


「おはよう波照間さん」


「おはよう……」


「おう、おはよう! 今日も可愛いな!」


 白のシャツに、黒のスパッツ。少しばかり日に焼けた体はスタイル抜群かつ、エロい……。俺たちは同級生、波照間由利にあいさつを返す。


「おはよ、木城くん、八原さん! ……くん!」


「まさかの『くん』だけ!?」


 八原のごとく存在を忘れられなかった分まだいいが、地味にひどい! 波照間は快活に笑って、俺のツッコミを流し、巧に話し始めていた。


「そういえば今週の土曜日に大会らしいね」


「うん! 今年は百メートルだけじゃなくて、中距離と長距離にも出るんだ!」


「それはすごいね! 使う筋肉が違うって聞くのに」


「えへへ! 頑張ったから! ……ねえ、もしよかったらさ――」


「巧~そろそろ行こうぜ」


 いつまでも長話させては、お互いに不利益を生じさせる。そう思った俺は二人の会話を中断させた。決して「羨ましい!」といった僻みからではない。


「あ、ほんとだ。それじゃ波照間さん、またね!」


「あ、うん……またあとで……」


 なぜか元気を無くす波照間。どうしたんだろうと思った矢先に、横腹を八原の肘で突かれた。


「少しは空気読みなさいよ」


「フエン(When)!?」


 小さい声だが、かなり怒っていることは伝わってきた。俺はエセ外国人のような英語で頭に疑問符を浮かべた。


「そこはWhat!」


「ごふっ!」


 事細かい突っ込みを入れ、八原は再び肘鉄を食らわせてきた。



「ほ、ほわぁい(Why)……?」


 今度こそ合っているだろう、そう俺は呻きながら呟くも、八原の姿はもうなかった。


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