プロローグ
自己満足作品です。
初心者ですが、よろしくお願いします。
駄文です。どうぞ
突然だが俺、高城 行斗は今とても混乱している。
俺は少し?ゲームが好きな高校一年生だ。だが、もう高校生ではない。
なぜ高校生ではないのか。それはべつに高校を退学になったとかそういう類い理由ではない。
その理由は少し前に起きた不思議な現象と目の前にある小さな湖の水面に映る十一、二歳くらいの小さな女の子がいるからだ。
何故こうなったのかは少し時間を遡らないといけない。
高校の入学式からちょうど一ヶ月ぐらい経った土曜日。
その日の朝、俺は帰宅部ではあるが、オカルト部の部長に呼ばれたため学校に来ていた。なぜ俺が呼ばれたかはまったく分からない。それは呼び出した本人、部長が奇人変人だからだ。
先週の日曜日、今日のように俺を呼び出したが、部室に着いて何もすることなく解散したのである。日曜日なのにもかかわらず学校に来て、そのまま何もしないで家までとんぼ返りする俺のことを少しは考えて欲しい!!
そんな事を思い出しながら自転車に乗ったまま校門を通り、駐輪場に向かいながら俺は真逆のイメージと外見をもつ二つの校舎を見上げる。
俺の通っている高校は五年前建てられたばかりのピカピカの校舎とボロボロの校舎が目立ついたって普通?な私立高校だ。この学校は五年前まで、ボロボロな校舎の中に一、二、三年の教室及び各教科の教室があったのだが、現ピカピカの校舎が出来てから各教室はそちらに移り、ボロボロな校舎はすっかり旧校舎となった。それからまもなく、旧校舎は見事オカルト部の根城に成り果てたらしい。・・・無許可で
俺は学校の中心あたりにある駐輪場に自転車を留め、ゼェゼェと荒れている息を整えながら部室に向けて全速力で走った。すこし矛盾しているようだが今はどうでもいい!!なんとしても時間内に部室に着かなければ部長にどんな事を言われるか分からない!!
何故こうなったのかはただ単についさっきメールで「至急部室に来ること!!」と送られてきたからである。
徹夜でネトゲをしていた俺はすぐさま制服に着替え、眠気で動きが鈍い体を一生懸命動かし、家の鍵を掛けてから中学二年生の時から愛用している自転車を全速力で漕ぎ始めた。
メールが届いてから自転車を漕ぎ始めるまでにかかった時間は実に二分!!自分でも驚きだ。でもそうでもしないと集合時間の七時半に間に合わない!!
目的地は俺の家から一、二キロぐらい離れたところにある丘の上にある高校。つまり坂を登らなければならないのだ。そしてこの坂、けっして緩くない傾斜角度をしており、長くクネクネ曲がっているのだ。常なら時間に余裕をもって家を出て自転車を押して登るのだが、今は一分一秒でも速く登らなければならない。そのためすごい勢いで坂を上がっていく・・・この時とっくに足の筋肉は悲鳴を上げていた。
だが俺は登りきった!!勝った!!このキツイ道のりを自転車一台で乗り越えたのだ!!
俺はよく分からない勝利感と疲労感に包まれながら数瞬後に崩れ落ちてもおかしくないような雰囲気を放つボロボロな旧校舎に到着した。すぐさま腕時計を確認!・・・良かったギリギリセーフのようだ。それにしても隣でやっているよくわからない工事の音がとてもうるさい!!
そして俺は旧校舎の扉を開けた。
扉を開けると、いつも漂っている埃っぽい空気は無く、代わりに綺麗で新鮮な空気が漂っていた。そして床に落ちていた埃もなくなっていた。その光景に俺は大いに混乱した。
この光景は一体なんなのだろう。今俺は幻覚を見ているのか?それともどこかで寝てしまっていて、今見ているのは夢なのだろうか?いつもなら埃っぽすぎてマスクを着けるのだが・・・
少なくとも今目の前にある光景が世間一般的にベストな状態なのには違いないが、この旧校舎に出入りする人はものすごく限られている。なぜならこの旧校舎、“立ち入り禁止”なのだ。
・・・ボロすぎて
今現在この旧校舎を無断で出入りしているのは部長と俺だけだ。俺はそもそも掃除など出来ないし、部長は超がいくつ付いても足りないぐらいの面倒臭がり屋だ。つまり俺たち以外の何者かがしたことになる。
ちょうどその時正面にある階段から部長が降りてくるのが見えた。そして部長は俺を見つけるといきなり駆け寄ってきた。
「行斗!大事件だよ大事件!!なんとあたしが朝一にここに来たら校舎中がキレイのピッカピカ塵一つ落ちてないんだよ!!これを怪奇現象またの名をポルターガイストと言わずにどうするか!!というわけで調査だよ調査、早くしないとUMAに逃げられてしまうよ!!」
「分かりましたから部長、落ち着いてください。怪奇現象とUMAはあまり関係ありませんよ。それと部長、腕を離してください痛いです」
話の途中から部長の腕でギュッと組まれていた腕を解こうとする。実は全く痛くないのだが部長の顔が近い、とにかく近い。部長は長身で顔、スタイル含めこの学校でトップクラスの美人だ。さらには勉強もできて運動もできる。・・・中身は残念だが。そしてその部長と腕を組んでいる俺。
正直言って俺は顔はもちろん、勉強、運動共に平凡的だ。さらに言うならばどこにでもいるような身長、体格をしている。そして部長は長身で俺と身長がほぼ同じ(部長の方が少し高い)なため自然と顔が近くなる。男としてはとても嬉しいが、いかせん俺は自分で言うのもアレだが初心だ。なので解こうとする。が、相手は何故かそれを許してくれない。
「嘘はいけないよ?本当は美少女なあたしと腕を組めて嬉しいだろうに。自分の心に正直にならなきゃ♪」
そう言ってから綺麗な黒髪を肩より少し下ぐらいまで伸ばしている部長は接近してきた。
それと自分で美少女っていったらダメだろう。
「・・・あまりくっ付きすぎると俺みたいな男から誤解をされますよ?」
「誤解する方が悪い!!」
「誤解させる方が悪いと思いますが・・・」
これ以上言ってもダメだと判断した俺は腕を解くのを諦めた。が、部長は笑いながら腕を解いてくれた。
「あははっ!今日もいい反応するね!特にその表情がイイよ!!あ、今日はもう満足したからもう帰ってもいいよ。またね~」
・・・どうやら俺は自分でも気づかずに面白い反応をしていたようだ。
そして出た!無意味に呼び出されて家にとんぼ返りするパターンが!!
「あ、そうだ。一応一通りあたしが調査しといたから心配しなくていいよ~安心して帰ってね~」
どんな調査をしたのだろう?少し気になったが、あえて聞かないようにした。それと同時に俺は思ってしまった。
(ここで帰ったら負けな気がする)
なのでつい言ってしまったのだ。
「部長、俺はちょっと見て回りたいので後少しだけ残ります」
「そう、分かったよ。足元に注意してね。綺麗になったおかげで床の腐っている部分がよく見えるからね。それじゃ、あたしはもう帰るわ、じゃあね~」
そう言って部長は俺が入ってきた扉から出て行った。今この校舎には俺がいるだけ、とても静かだ。そして、その静かさが薄暗い旧校舎の怖さを倍増している。
この時、俺の頭が徹夜明けの寝不足気味の頭ではなく、十分睡眠を取った冴えた頭ならすぐに気づいたことだろう。・・・この旧校舎の隣であっている工事の音がたいして距離が離れていなく、防音対策もされていないこの旧校舎の中に響かないわけがないことを。
俺の足は自然と部室へと向かって行った。道中、床や壁、天井を見ていたが、シミなどは残っているが、埃どころか塵一つ落ちてないようだ。そのことに少々ではないぐらい驚いたが、同時に何故か恐怖を感じている自分がいた。そしてその恐怖は部室に近くなる事に強くなっていった。
ついに部室のドアの前に着いた。ドアを開けようとドアノブを握るが、ドアノブを握った瞬間、今までは結構怖いホラーゲームをしている最中ぐらいの恐怖心と探究心が、一気に心臓を氷でできた手で握られたような恐怖とあまりにも強すぎる好奇心とも探究心とも言い難いものにランクアップしてしまった。
恐怖のあまりに抜けそうになってしまった腰を抜けないようにしながら俺はドアノブから手を離そうとする恐怖心とドアノブを回そうとする好奇心とも探究心とも言い難いものとの格闘。つまり開けるか開けないかを迷っていた。
だが結局、開けないで後悔するより開けてから後悔したい!!と結論付けてドアノブを回した。と、同時に今まであった恐怖心がいつの間にか無くなていたことに気がついた。
ドアの徐々に開きつつある隙間から漏れる光が眩しかった。
そしてドアはギィギィッと少し耳障りな音を立てながら完全に開いた。
ドアの先はいつも見ている部室だった。
眩しい光は部室の端に置いてある大型の鏡が太陽の光を反射していただけだった。その光景に俺はがっかりしていた。
(なにをがっかりしているんだ俺は。いつもどうりの光景が広がっているのが当たり前だろうに)
俺は部室に一歩も足を踏み入れぬまま後ろを向き、帰ろうとした。
チリィ~ン
だがその時、部室から風鈴が鳴ったような音がした。そして、その音源を確かめようと振り向こうとした俺は手足の感覚が消えていることに気がついた。それは急激な速度で広がっていき、頭の感覚が失くなり出したあたりで俺の意識は途絶えた。
最後に見たのは自分の体が徐々に消えていくところだった。
気に入ってくれたモノ好きな方がいたら嬉しいです。
不定期自己満足作品ですが、よろしくお願いします。