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やり直し勇者は溺愛される  作者: 希月タカトラ
やり直し勇者と鳥かごを抱く少女

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クレス編 柱の数と知識の元

今日も読みに来てくれて、ありがとうございます。


【クレス編 柱の数と知識の元】


お楽しみください!!

――西の塔――


 クレスを東の塔まで送った俺は、西の塔で夕食を済ませ、リビングのソファに腰掛けていた。

 そして今日の出来事を振り返っていると、タイミングを見計らったように、セレーネが姿を現した。


「いやぁ〜、クロードさんったら、クレスさんと甘々イチャラブイベントを堪能しちゃってぇ〜、思わず口から砂糖を吐き出すところでしたよぉ〜」


「うるさい! ってか、お前の言ってることは、わかりづらいんだよ!」


「まぁまぁ! そこは種族的な違いってことでぇ〜」


「……神と人間って種族的な違いなのか?」


「……さぁ? そんなの知るわけないじゃないですかぁ〜」


「こいつっ……」


 セレーネの適当な発言に込み上げる怒りを抑えつつ、俺は話をクレスとのことに戻した。


「まあいい、とりあえず今回の攻略では、クレスと向き合うことにしたわけだけど、どうやって【記憶回想】を使うかだな」


「そうですねぇ〜、逸る気持ちはわかりますが、明日も城下町でのお出かけを楽しむだけでいいと思いますよ!」


「いやいや、それじゃあなにも進まないじゃないか?」


 彼女の提案を俺は否定したが、セレーネはいつものように呆れながら、俺に説明しだした。


「はぁ……あのですねぇ、クロードさん! 彼女たちの過去を知りたいのは、こちらの都合であって、彼女たちには一切関係のない話ですよ!」


「そ、それも、そうだが……」


「なのに! 1回エスコートして、1回お出かけしたからって、『アナタに全てお見せします』って心を許すわけないじゃないですか!」


「た、たしかに……」


「これだからクロードさんは、馬鹿なんですか? 阿呆なんですか? 心ないんですか? って言われるんですよ!」


「それを言ったのお前な!?」


 セレーネに反論したが、彼女の言葉には一理あると思い、俺は明日の予定を考えた。


「だが、お前の言うとおりだ、明日はクレスと普通に城下町の散策を楽しむことにするよ」


「はい! それがいいと思いますぅ〜」


「……たく、普段はふざけたやつなのに……やっぱり神さまなんだな!」


「えぇ、そうですよぉ〜、しかも! 片手で数えられるほどしかいない、高位の女神! 『時間の女神セレーネ』さまなのです! えっへん!」


「……何回聞いても、それだけはどうしても信じられん……」


「ちょっとぉ! どういうことですかぁ〜!?」


「言葉のとおりだよ! ちなみに、その『片手で数えられるほどの女神』って、他にどんな奴がいるんだ?」


 セレーネの問いに雑に答えたついでに、少し興味があったので、他の女神について聞いてみた。


「ほえ? 他の女神ですか?」


「ああ、俺は詳しくないけど、いるんだろ? 高位の女神が?」


 その質問にセレーネは、なんとも複雑そうな顔をしながら答えた。


「えぇ〜っとですねぇ、あと3柱ほどいまして……全員くせ者です……」


「……つまりお前みたいなのが、あと3柱もいるのか?」


「言い方が気になりますが、そうですね! ちなみにその上に最高神……リーダーがいます」


「待て! お前、四天王みたいなもんだったのか!?」


「……言われてみれば……そうですね! そうです!! 私は『時間の女神セレーネ』、時を操る女神なり!!」


「だが奴は、我らの中で最弱!!」


「ひどい!!」


 なぜだろう……言わなければいけないと、何かに駆られてしゃべっていた。


「悪かったよ……で、どんな女神さまなんだ?」


「むぅ……私が『時間』を司ってますが、他に『空間』『運命』『輪廻』を司る女神が3柱、それを統括する最高神の『世界』を司る女神がいます」


「おぉ……思った以上に壮大なんだな……」


「当たり前じゃないですかぁ〜、仮にもこの世界を作った女神たちですよ!」


「だから、そこは何回聞いても、信じられん……」


「むきぃぃぃ!!」


 セレーネは盛大に怒りをあらわにしたが、俺は無視して、時間を確認した。


「そろそろいい時間か……じゃあなセレーネ、また明日」


「あぁもう! はい! また明日〜」


 挨拶を交わすと俺は、リビングから出て寝室へと向かい、部屋に入るとすぐにベッドに横になった。


「今日は散々な1日だったな……まぁ、ロードを繰り返して何度も同じ時間を過ごしたからな……そりゃあ疲れも出るか……」


 俺は独り言を呟きながら、すぐに重くなる瞼に逆らわず眠りにつくのだった……

 


 ――セレーネ リビングにて――


 クロードさんがリビングから出て行くのを見送り、私は1人、部屋のなかで宙に浮いたまま体を伸ばした。


「うぅ〜ん! 疲れたぁ! しかし、魔王城で引きこもっていた頃に読んだマンガの知識が役に立つなんて、まったく驚きですねぇ〜」


 そう言って私は、服の中からマンガ本を取り出して、ページをペラペラとめくった。


「いやぁ〜、まさかラブコメ展開になるとは思ってなかったけど、マンガとは違う面白さがありますねぇ〜……尊すぎてクセになりそう!」


 私はマンガ本を閉じると、お腹の音が鳴った気がして、お腹に手を当てた。

 空腹を感じた私は、また彼に呼び出される前に、意識をクロードさんの屋敷にある本体に戻し、セバスを呼んだ。


「セバスさぁ〜ん、お腹空きましたぁ〜!」


「はぁ〜い! すぐにご用意します〜」


「お願いしまぁ〜す!! 明日もがんばれるように、いっぱい食べなきゃねぇ〜」


 私は明日のために、そしてこの残念な宿主の結末を見届けるために、この空腹を満たすことにした……


 ――クレス編 柱の数と知識の元 完――

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


他の女神の設定を出したけど、広げた風呂敷をちゃんと畳めるのか……

震えて眠ろうと思います。


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▼次回予告

『クレス編 幼馴染との初デート』

明日 20時 投稿予定です!!

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