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第一章 勇者の剣 第三話 内緒の魔法

ご覧いただきありがとうございます。

本日は第三話「内緒の魔法」の投稿です。

少しずつ物語が進んできました。

今回もタブレットと死女神のチーム(?)が頑張ります。

よかったら最後まで読んでいただけると嬉しいです。


『たましずく』は

私が考えたヒールの魔法名。

ハンスのことをなんだかんだ言っててても、私の精神年齢は十四歳なんだ。

ハンスと変わり映えしないよね?


「………ああ……ゆっくり休めよ……」


そう口では言ってるものの、まだ、ハンスはへたり込んでいる。


カッコつけて私のよりいい剣をねだったのだ。

その重さはハンスを強くするだろうけれど、まだ体力が追いついてないのよね~


「………」

カオルコはトンデモ美少女でも、中身はしっかり大人だ。

だから、強がる男の子は、つけ上がらせておく。

その方が簡単だものね。

次に戦うときに……

ふふっ……


身体はチートっちゃチートなんだけど、年齢相応の体力になってる。

ここら辺は、どうやら死女神さまたちの優しさらしい。

しばらくは子供時代をたっぷり楽しめと。

単に意地悪されているような気もするけどな~



「ただいま~」

「お帰り、カオルコ。今日のハンスは?」

「強かったよ。さすがに勇者の卵だね」

ハンスが勇者の卵というのも私がハンスって勇者みたいって何気なく言っちゃったからなんだよね。

所属は魔法を授かる六歳にわかるものだから。

ハンスは信じ切ってるし―――ま、間違いじゃないから、いいよね。


私がハンスを持ち上げるのは、これはこれで夕飯のためだ。


おばさんはなんだかんだ言っても息子のハンスが大好きだから、

ハンスを持ち上げておくと、夕飯の味がよくなる。

素材は変わらないのに不思議だ。


この後は、愛情をひとつまみ……っていうの本当だと思う。


まぁ、私くらい繊細な味覚を持ってない人たちにはわからないと思うけど。

この体そのものがチートだから五感は鋭くて、なんだったら第六感もある。


部屋に戻ってベッドに横になったまま、私は唱えた。


『きらみず』


一瞬でシャワーを浴びたような感覚。

体の汚れをきれいにする。

これも魔法だ。ハンスはまだ魔法が使えない。

だから私が魔法を使えることは誰にも言ってない秘密。

それと、私は人のステータスも感じる。

見えてるわけじゃなくてね。


おじさんおばさんも生活魔法の基本中の基本しか使えない。


この墓場の村には魔法使いも剣士もいない。


これでは腕も上がらないんじゃないかなぁ……


ふふふ………

あっはーっ……


「お久し振りです。死女神さま」


カ、カオルコちゃん⁉

やだー、素直じゃん?


「……じゃあいつも通りで。なにを笑ってくれちゃってるんですか?」


よかったですわ……ふぅ……

脅かさないでよ、もー!

「はいはい、で、今度は何をご教授していただけるんですか?」


なにか非常にうまくいきすぎていますのよね~~

だからさ、もっと困った困ったって言えないワケ?


「………つまり、私があまり困ってないから、つまらないと?」


まぁ、そう言ってもいいのかしらん?

あッはは~わかってるじゃん、いい子だね~カオルコちゃん。



その後、私は無言で魔法を練り上げる。


えっ⁉ カオルコ?

な、なになさってるの⁉


結構な大玉になった魔法の玉は……

ごぉんんんんんんん……

不気味な音を上げて………


待って‼ カオルコちゃん‼

お姉さま、逃げよ‼


「あ、逃げられた、かぁ」

せっかく新魔法の試し打ちしたかったのにな~~


そうなのだ。

「私が困っている方が面白いと、おっしゃいますか?」

魔法の先生がいないなら、自分で考えるしかないじゃない?


実はカンニングしてたりして、ね。

そのためのタブレットだし。

わからないことは検索かけて。

魔法の属性とかは、転生漫画とか転生小説を参考にさせてもらったの。


それで判ったのは、私はどこまでもチートってこと。


もちろん、全属性持ちだし、魔法はなんだって使えるし、まだ見ぬ魔法も創作でなんだって出来ちゃう。

つまり、私は前衛だろうが、回復職だろうが、オールラウンダー。

出来ないことはない。


でも、ひとつだけ難点なのは、魔王は一人では倒せないのよ。


ふたり以上のチームでないとダメってなってるの。

一人で突っ込んでは、返り討ちになった勇者の数はカウントもできないくらい。


そのために、勇者組合は調査を重ねて。

あ、勇者組合はざっくりいうと勇者専門ギルドってことね。


最近ようやくチーム戦が有効だと気づいたわけ。

そこに気づくのに何百年もかかった……という話。


もっと早くに気づけなかったのかなぁ?

まぁ、勇者だからすべてが優秀だとは限らないということだけど。

脳筋しかいなかったのか?


うん。

私は呆れているのよ。



そして、事件は起きた。


「母さん‼ 父さん‼」

「なんだい? ハンス、朝から大声上げて?」

私は朝食のパンを咥えたまま、振り向いた。

ハンスは日課にしている勇者の剣を抜きに行ったはず?


「勇者の剣がない‼」

「⁉ どういうこと?」

食事どころじゃない!




最後まで読んでくださってありがとうございます。

今回はそれそれの掛け合いを書くのが楽しかったです。

感想や評価をいただけると、すごく励みになります!

次回もよろしくお願いします。


次回の更新は八月九日(土)13:00 予定です。

ありがとうございます。

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