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付与魔法ー3





 ディニエル先生曰く、付与魔法を習得するには針に糸を通すような繊細な魔力操作が求められるという。


 体内を流れる魔力のコントロールは魔法を扱う上で必要不可欠な技術だが、この魔法に求められるレベルは今までの比ではない。


 ディニエル先生は地面に落ちている木の葉を拾い上げると人差し指の先に乗せ、風魔法で浮かせゆっくり回転させていく。


 人差し指の木の葉を高速で回転させると、ディニエルは中指、薬指、小指と順番に乗せ、同じように風を操っていく。


 「さぁ、二人共。やってみて。先生みたいに全部の指でとは言わないけれど、一枚くらい自由に操れるようになってね」


 「はい、はい! 私やります、ディニエル先生! スー、見てなさいよ。こんなの私にかかれば楽勝なんだから」


 自信満々のカレナは手を上げ一歩前に出ると木の葉を指先に乗せ、真剣な眼差しで風魔法を唱える。


 僅かな魔力によって生み出された風の渦は徐々に木の葉を持ち上げようとするが、威力が弱すぎて中々上手くいかない。


 あまりのじれったさに思わず力むと暴走した風が指先の木の葉を彼方向こうへ吹き飛ばしてしまった。


 「カレナ、魔力のコントロールには集中力が不可欠です。焦らずもう一度やってごらんなさい」


 「は、はい、ディニエル先生」


 いつものカレナなら癇癪を起しそうなものだが、木の葉を前に深呼吸するともう一度ゆっくり魔力を注いでいく。


 ゆらゆら揺らめく木の葉を見つめること数分。


 ゆっくりとだが徐々に木の葉が浮かび上がっていく。


 「すごいよ、エレナ! もう少しだよ」


 まるでボクの声援など聞こえないかのように集中している。


 揺らめいていた木の葉が空中で安定し、ゆっくりとだが動き始める。


 二人が息を飲み見守る中、風に乗って飛んできた花の香りにボクの鼻腔がくすぐられる。


「……はっ、はっ、くしゅんっ!」


 思わずくしゃみをした次の瞬間、エレナの指先にあった木の葉はまたしても風に乗ってどこかへ飛んで行ってしまった。


 「スー、あなた今、わざとやったでしょ!」


 「や、やってないよ! そんなことするわけないだろ!?」


 「もうちょっとで上手くいくと思ったのに!」


 「惜しかったわね。エレナはもともと魔力の総量が人並み外れているからその分魔力のコントロールが難しいのかも」


 「そ、そうなんですか?」


 「えぇ。でも毎日ちゃんと練習すれば、あなたならきっと出来るようになるわ」


 「わ、私、頑張ります!」


 「ふふっ、期待していますよ、エレナ。それじゃ次、スーリオン、やってみて」





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