クラス転移「し、死んでる……!!!」
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「こ、ここは!?」
「俺たち一体…!?」
朝のホームルーム前、教室に集まっていた俺たちの足元がピカ〜と光り、気がつけば謎の石造りルーム。足元に魔法陣。これはもしや——……
魔法陣の外にいた金髪の姫っぽい女がすっ、と前へ出た。
「勇者様、召喚に応じていただきありがとうございます。勇者様にどうか———……」
「ふざけんな!!なにが勇者だ拉致&強制労働じゃねえか!」
誰かが叫んだ。そんなラッツ&スターみたく言わんでも。
たしかに拉致で、召喚に応じた覚えなどないが、俺に限っては召喚していい?と聞かれりゃオッケーしてただろう。なぜなら……
「し、死んでる!!!」
「「「!!!???」」」
なんということでしょう。魔法陣のすみっこに倒れた女生徒が。そしてそれを揺さぶるクラスメイト。
「息が、息がないの!篠田さんが!篠田さんが死んでる!!!」
「なんだって!!」
「どういうこと!!」
ざわめくクラスメイト。俺は愕然とした。
なぜ篠田がここに!!?
あいつは殺したはずなのに!いや死んでるけど!!
俺が召喚に応じただろう理由がこれだ。
昨日の放課後、人気のない裏庭であいつは、俺の子を妊娠したと言った。
やることはやってたが付き合っていないし、俺の子の保証もない。勝手におろせと言うと、奴は激昂して掴みかかってきた。とっさに振り払うと、奴は転んで、頭をうって動かなくなったのだ。
だから正確には事故で、俺のせいじゃない。
しかし傷害致死かなんかで捕まるおそれがある。こんなことで人生だいなしにされてたまるか。
俺は慌てて、思わず奴を、使われていない焼却炉につめこんだ。
それからはっとして、脱いだ上着で焼却炉をふいてみたが、指紋は消えただろうか?最近では布から指紋もとれるという。奴の服にはべたべただ。
混乱するうち、人の声が聞こえてきて、俺はあわてて逃げ出した。
帰宅してから頭を抱えた。なんでこんなことに。
死体をかくさず、放置しておけばただの事故死に思われたのでは?いやしかし腹の子だ。
高校生の妊娠。なにかトラブルがあったと推測され、相手探しをされれば、俺に辿り着くのも難しくはない。だから隠したのは間違いじゃない。
だが死体は消えていない。あそこで燃やす?
人一人燃え尽きるまでバレないだろうか。あの焼却炉は使われていない。じゃあ運んで埋める?どうやって?運転なんてできない。
俺は眠れぬまま朝を迎え、方針の定まらぬまま登校した。そして足元ピカーだった。
俺は内心歓喜した。死体がみつかっても異世界にいれば逮捕されない。
———だってのになんでついてきてんだあの女!!
「召喚のせいだ!召喚の失敗で死んだんだ!!お前らどう責任をとる気だよ!!」
誰かが叫び、皆はまたもざわついた。
「召喚されなきゃ篠田さんは生きてたの…!?」
「篠田さんをかえして!かえしてよ!」
泣く女生徒たち。いいぞ!そのまま罪をなすりつけろ!!!
「お待ち下さい!」
姫っぽいのがとめた。
「失礼いたします」
篠田に近寄りそっと触れる。
「冷たい……。亡くなったのはずいぶん前なのでは?」
「何を責任逃れっ……!」
「召喚失敗による死亡は前例がありません。それでも万が一と思いましたが、ご覧ください、頭部に傷、体に煤のようなもの。彼女は召喚前にどこかに閉じ込められ、死亡———あるいは、死亡後どこかに閉じ込められたのでは?」
姫〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
てめえこの姫くそ女〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
知ってた〜〜〜〜!!!クラス転移もののラスボスといや姫だわ知ってた〜〜〜〜〜〜!!!!くそがーーーーー!!!!
「そんな!死体を転移させたっていうの!?」
「二年B組の生徒全員で指定してましたので……」
「そういや、篠田さん、教室にいなかったよな!?」
「あ、て、ていうか俺も!俺遅刻してて登校中だった!それがいきなりみんなと一緒になって……」
「じゃあほんとに、どこかに閉じ込められてたってのか?一体どうして……」
「鈴木さんよ!!」
誰かが叫んだ。
「C組の鈴木さん!いつも篠田さんに絡んでて……!嫌がらせされてるって、篠田さん困ってた!きっと鈴木さんが……!!」
鈴木は俺のヤリ友だ。セフレ同士で何やってんだあいつら。
「くそっ!許せねえよ……!!」
「このままじゃ、鈴木が野放しじゃねえか……!!人殺しのくせしてよ……!!」
「あ、あのう皆様…!魔王を倒して頂ければ、元の世界へお戻り頂けますので……!」
「マジか!じゃあとっとと魔王を倒して、鈴木を警察につき出そうぜ!」
「でもこんな状態になっちゃって、鈴木さんの犯行の証明ってできるのかな?何日もたっちゃったら、その、遺体だって……」
「なら、俺たちが償わせればいいんだ!」
「そうよ!!篠田さんの敵討よ!!」
みんな涙を流し心を一つにした。
俺も心から涙を流した。
サンキュー鈴木!!
「では勇者様方、皆様のスキルを確認いたします!ステータスオープンとおっしゃってください!」
うまいこと話がまとまった姫が朗らかに言い、皆今更ながらのテンプレに照れながら、必ず仲間の復讐を!と決意を胸に強く叫んだ。
そして俺も。
「ステータス、オープン!!」
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【名前】 小林勇気
【レベル】 1
【HP】 50
【MP】 30
【攻撃力】 20
【防御力】 20
【魔力】 20
【職業】クズ
【スキル】 ばっくれ(LV1)
【称号】篠田由美殺害犯
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俺はとんずらした。
お読み頂きありがとうございます!!(´∀`*)
主人公は逃げきれませんでした!!