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ブライトン教授現る

珍しく昼投稿です



「ねぇロンド、告白の事なんだけど……「おやおや~?ご両人、青春か~い?」


わたしの方から嘘&賭けコクについて話そうと思っていたその時、わたしの声に被さるようにその人の声が聞こえた。

ロンドがその名を口にする。


「ブライトン教授……」


「出た……」


一連の騒ぎの諸悪の根源と言えるべき西方魔法薬学の教鞭を取るサミュエル=ブライトンがわたしとロンドに声をかけてきた。


思わずわたしの口から零れ出た言葉にブライトン教授が食いついた。


「出た、って何?僕に会いたかったの?キミの雇用主でもあるモミジ=ツキシマが僕の事を何か言っていたのかな?」


「いえ、なにも」


「え?ウソウソ、少しくらい何か言ってるでしょ?」


「嘘も何も口の端にも上りませんが」


「ええっ?ちょっ…冷たいな~」


何が冷たいのか分からない。

そんな事を考えているわたしの隣でロンドはじっ…と教授を見つめている。

その視線に気付いたブライトン教授がぷっと吹き出してロンドに言った。


「ロンド、そんなに警戒しなくても余計な事は喋らないよ」


「……教授の口は羽より軽いですから心配なんです」


「そんな生意気な口を利いちゃって。誰のおかげで今そうやって…「教授、ツキシマ教授からこの本が返却されました」うわっ重っ!!」


ブライトン教授が何か言おうとしたのを遮って、ロンドは片手に携えていた本を教授に押し付けた。

いきなり重い本を受け取らされてブライトン教授は慌てている。


「アニー、行こう」


「え?で、でも……」


いくらなんでも教授に直接本を押し付けるのはよくないのでは?

とわたしが気にしていると、教授はへらっと笑って言った。


「いいよいいよ~気にしないで。それよりカフェテリアの夜の定食、今日は三種のお肉のミートドリアらしいよ二人で行ってきたら?」


「え゛、あの伝説の……?」


「ん?伝説、とは?」


「自分的伝説です!牛ミンチにベーコンとローストビーフの端肉を細かく刻んだものを混ぜてトマトソースとデミグラスソースでじっくりと煮込んだミートソースが惜しげも無くかかった、あのミートドリアの定食…ですと……?」


そして値段がクッソ高いミートドリア定食。


「ぷ……!モミジさんに聞いた通りの面白い子だね。ロンド、連れて行ってあげなよ」


「もちろんです。行こう?アニー」


「つ、ついに伝説との邂逅……?」


「ぷぷ!メイスン君、楽しんでおいで」


「アニー、おいで」


「今日は伝説記念日……」


結局わたしは呆然とするままロンドに手を引かれてカフェテリアへ行き、

遅くまで研究室で勉強や仕事をする学生や職員のために夜も営業をしているカフェテリアで伝説をご馳走になった。



「あ!しまった!ロンドに告白の話をするの忘れてた!」



という失態に気づいたのはその日の夜、ベッドに入ってからだった。



だって伝説がむちゃくちゃ美味しかったんだもん!





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