1/8
序章
この世に蔓延る悪夢のような昏い意識―何も人間だけの専売特許じゃあありはしない。ガキの頃から俺の目には、一般人には見えちゃいけないものが平気で映りこむ。
焔、厭、怨、閻、艶、炎。
積もり渦巻く淀んだ感情の隙間に、潜む者。人間の心の闇に棲まう者。もちろん、俺の心の中にだってきっとヤツらは潜んでる。月明かりさえ照らさない真実の闇に、ヤツらと共に生きるのが俺の運命。そう、きっと、生まれた時から命が消えるその時までだ。
俺は涼、冴島涼。
この魔都TOKYOに、悪魔に育てられて、悪魔を狩りながら生きる、悪魔召喚士だ。