茶色って何の色?
唐突ですが、「茶色」とはどんな色でしょう。
栗の実の色、というのが一番イメージしやすいでしょうか。
木の樹皮の色……といっても実際には多種多様、白っぽいのから黒っぽいのまでありますが、私的には、アカマツの樹皮の色が一番典型的な「茶色」かな、と思います。
あとは、カレーの色とか、チョコレート(ビター系ではなくミルクチョコレート)の色、ですかね。
いくつか例を挙げてみましたが、「お茶の色」ではないですよね。
普通に考えて、お茶の色というと、抹茶の濃緑色、あるいは、煎茶の薄黄緑色を連想されることでしょう。まあ、烏龍茶とかほうじ茶なら「茶色」で間違いないですけれども。
お茶の色じゃないのに何故「茶色」なのか? ひょっとして、昔のお茶はまさしく「茶色」だったのか?
そう思い調べてみると、茶の葉の煎じ汁を用いて染めた布の色に由来するようです。確かに、白い服にお茶がこぼれたのを放置すると、「茶色」の染みになりますね。
結論。「茶色」はお茶そのものの色ではなく、お茶で染めた布の色でした。
これだけで終わってしまうのも何なので、ちょっとばかし蘊蓄を。ああそうそう、茶色で連想するものと言えばうn(それ以上いけない)。
えー。茶色とほぼ同じ意味に用いられる言葉に、「褐色」があります。が、実は日本古来の色としての「褐色」は、黒に近い濃い紺色のことなのです。ご存知でしたか?
これは「勝色」、「搗色」とも表記されたり、「かちんいろ」とも読まれたりしますが、染めた布を台の上で広げて叩く作業――「搗く」、または「搗つ」と呼ばれます――を繰り返して染め上げることに由来するようです。
鎌倉時代以降、武士が台頭してくると、「勝ち」に結び付けられ、縁起の良い色とされたのだとか。
ついでに、外国語で茶色をどう表現するのかも見てみましょう。
英語だとご存知の通り「brown」。これはゲルマン語系で、「熊」に由来するそうです。
日本の本州以南で熊というと、黒い体毛のツキノワグマですが、北海道のヒグマを思い浮かべると、確かに茶色ですね。
ちなみに「brown」には、「(朝起きた時の)口の中が気持ち悪い感覚」という意味もあるらしいです。何じゃそら。
あと、俗語で「brown off」は「うんざりさせる、退屈させる」という意味(通常、受け身で用いられる)になるみたいです。
「今まさにそういう状態」ですって? ご冗談を(真顔)。
また、「マルーン:maroon」とも言いますが、これはフランス語の「マロン:marron」、栗やマロニエの実に由来する語です。
ではフランス語で茶色は? 「ブラン:brun」、または「マロン:marron」と言います。
使い分けは、「brun」が濃い茶色、「marron」が茶色全般を指すがどちらかというと明るい茶色、となるようです。
スペイン語でも茶色は「マロン:marrón」(ロにアクセント)と言いますが、「pillar de marrón」で、「現行犯で捕まえる」という意味の俗語になるそうです。「pillar」は「捕まえる」という意味の動詞、「de」は英語の「of」などに該当する前置詞ですが……「茶色で捕まえる」? 何のこっちゃ。何故それで現行犯逮捕の意味になるのか、謎ですね。
最後に、中国語で茶色は、「棕色」と言います。「棕」は棕櫚という木、ヤシ目ヤシ科シュロ属の樹木の総称です。その樹皮の色から来ているようです。
ただし、台湾では「珈琲色」(実際には「口偏に加、口偏に非」)と言います。こっちの方がわかりやすいですね。




