無安打無得点試合
ノーヒットノーラン:野球・ソフトボールの試合において、投手が相手チームに安打も得点も一切許さず勝利すること。安打のみならず一人の走者すらも出させずに完封勝利を挙げた場合は「完全試合」となり、それも「ノーヒットノーラン」ではあるが、一般的に「ノーヒットノーラン」と言う場合は、四球、死球、失策、打撃妨害、振り逃げのいずれかによる出塁を許したが生還させなかったケースを指す。(Wikipediaより抜粋)
2022年6月18日、オリックスバファローズの山本由伸投手が対西武戦でノーヒットノーランを達成されました。何はさておきおめでとうございます。
日本プロ野球史上97度目(86人目)の快挙ですが、今季はロッテの佐々木朗希投手の完全試合をはじめ、ソフトバンクの東浜巨投手、DeNAの今永昇太投手と、すでに4人目です。まあその原因については、詳しい方々に論じていただくといたしまして。以前から気になっていたことを書き綴ってみたいと思います。
ノーヒットノーラン。日本語で言うと「無安打無得点試合」。ここでいう「ラン」は野球の得点のことです。ランナーのことではありません。
「ヒットが出たらその時点でランナーも当然出るんじゃないの?」とか思ってませんでしたか? 私は思ってました(笑)。ランナーが1人も出なかったらそれは完全試合だよ。
「スリーランホームラン」も、「ランナーを3人置いてのホームラン」ではなく(そりゃ満塁ホームランだ)、「3点入るホームラン」のことです。
さて、どうも前置きが長くなってしまいましたが、「無安打無得点」という言い方、ちょっとおかしくないですか、というお話です。
だって、これ、攻撃側の立場で「1本の安打も打てず、1得点も挙げられなかった」という意味になりませんか? 達成した投手、守備側の立場で言うと、「無被安打無失点」という言い方の方が正確だと思うのです。
意地の悪い言い方をすれば、「無安打無得点」を達成するのなんて簡単です。チームの全打者が凡退を繰り返せばいいだけ。まあわざとやる理由は全く無いですが。
実際のところ、そんな些細なことを気にする方はそんなに多くないのかもしれません。それに、あまり語呂も良くないですしね。「むしってん」はともかく、「むひあんだ」はちょっと……。痒み止めかよ(笑)。
あと、活字にした際に一文字増えてしまうのが、新聞記事などにするにあたって好まれなかった可能性もありますね。
でも、個人的には何かもやっとする言い方なのです。
今季のノーヒットノーラン続出の要因については、多くの方が論じておられますが、その中で気になったのが、コロナ禍による春季キャンプでの打者の練習不足によるものではないか、という点。
かつては、「パリーグとセリーグとでは、打者のスイングのレベルが違う」とまで言われたものですが、それが練習不足により本来のレベルから遠ざかってしまっているのだとしたら……、今季のセパ交流戦ではセのチームの健闘が目立ちましたが(一部のチームを除く(泣))、セパのレベル差が埋まってきたわけではなく、単にパのレベルが一時的に落ちているだけの可能性も考えられますね。
コロナ禍が落ち着いた後、交流戦が以前の状態――パのチームにとっては勝っても勝っても他とのゲーム差が変わらない罰ゲーム、セのチームにとってはちょっと勝つだけで他がどんどん脱落していくボーナスステージ――に逆戻りしないことを祈っております。