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2022年 光の家庭  作者: ヒトミ
第一部 本然の自分に還る
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ホロスコープ

 私は何を目指していたのだろう。何が好きだったのだろう。運命の人ってどこにいるんだろう。

 そんなことをぼんやり考えながら、寝そべっていた私は、携帯で運命の人をキーワードに検索してみた。色んな情報がネットから出てきた。前世やソウルメイトという繋がりが一般でいうところの運命の人らしい。そういったキーワードを拾い集めながら、少しずつ宗教以外の精神世界やスピリチュアルの世界へと通じていった。

 そんな中である日、ひと際おしゃれで可愛らしいブロガーさんが書いた西洋占星術のブログを見つけた。ホロスコープは自分が生まれてきた日、場所、時間で星の配置を知ることができ、そこから自分が持って生まれた本質や人生の青地図がわかるのだという。

 すごいじゃん!ホロスコープってそんなことまで分かるんだと驚き、自分を見失っていた私は、ちょうど募集中だった「自分のホロスコープを読んでいく」ワークショップに即座に申し込んだ。


 ワークショップ当日、数少ないお気に入りの洋服を衣装ケースから引っ張り出し、おしゃれをして会場に向かった。思えば、職場と教会生活で大半を占めていた私が、こうして全く新しい場に行って、見ず知らずの人と出会うこと自体が久しぶりだった。ワクワクと少しの緊張が混ざりあいながら、会場の扉を開けた。

 会場は貸し会議室の一室で、ワークショップは八名の少人数だったので、ホッとした。中央奥のホワイトボードの前に憧れのブロガーさんは立っていた。

 わぁ、実物も可愛い!ファッションもメイクも素敵だなぁ。見ているだけでテンションが上がった。

 自分のホロスコープを通して、自分の性質や特徴を知っていく。確かにこんな自分いるなぁと自分の性格と一つ一つの天体の性質を感じながら、本来の自分の在り方に気づいていくのだった。

 ホロスコープの世界は奥が深い。けれども、基本的なポイントを押さえると、初心者でも理解してよんでいくことはできる。そうやって少しずつ知識をつけながら、新月や満月といった月や星の流れを生活に取り入れていったのだった。

 憧れのブロガーさんに実物で出会ったことはよい刺激にもなった。新しい色の服に挑戦したり、メイクをいつもと少し違ったみせ方に工夫してみたり、ほんのわずかなことだけど、変化を取り入れ、自分の心が喜ぶのを感じていった。

 そして、一日の生活の中で与えられた喜びや感謝、幸せを見つけることを習慣にしていった。散歩コースで陽の光が射しこんで青々と映えた新緑の美しさ、先輩からもらった美味しいお菓子、食事当番で作ったご飯に添えられた感謝の言葉、日々の生活の中で起こる小さな出来事が私を満たしていくのだった。

 また、時間とお金が許す限り、好きなことをとことん自分にさせてあげた。好きな映画を見に映画館に行く、好きなアーティストのライブに行く、興味を持ったスピリチュアルのセミナーに参加するなど様々な場所へ気の赴くままに足を運んでいった。

 こんなにも「誰かや何かのため」ではなく、自分に自由に好き勝手させてあげたのはいつぶりだろう。心が水を得た魚のように解放されていった。これが素の自分だったのだ。

 元気になった私の心は、今まで押し込めてきた本音にもどんどん気づいていった。

 しんどかった、苦しかった、寂しかった、いい子でいたかった、ちゃんとしたかった──今まで向き合えなかった感情達を一つずつすくい上げて、赤ちゃんによしよしとするように自分の中で抱きしめて癒していった。そうすることで心の奥底に溜まっていたものが徐々に消え去っていった。

 本音に向き合って、自分の内側が大分クリアになっていった頃、自分の内に存在する一つのものに気づいた。子供のように純粋で無垢な自分の核──それは、私の魂だった。そんな魂の存在を何よりも愛おしく感じ、只々涙がこぼれおちた。それは自分のことを初めて本心から好きになれた瞬間だった。

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